明日は、1日中お菓子作ろうかな?
「明日、久しぶりに何もない日曜日だ。一日中、お菓子を作ろうかな。」
冷蔵庫を開けて材料を確認しながら、
「バターだけ足りないから、明日起きたら自分で買いに行ってくる。」
前日の夜、子どもがぽつりと言った。
中学生になり、部活、中体連、中学最初の定期テスト。
新しい生活のリズムがつかめず、慌ただしい毎日を過ごしていた。
そんな日々がようやく落ち着き、久しぶりに何も予定のない日曜日を迎えた。
昼過ぎ、キッチンからハンドミキサーの音が聞こえてきた。
クッキーを焼いて、

マドレーヌを焼いて、

楽しくなって
パウンドケーキまで焼き始めた。


気づけば、昼から夕方まで。
子どもは一日中、お菓子作りを楽しんでいた。
小さな頃は、週末の仕事に罪悪感を抱えていた。
一緒に過ごせない時間を、申し訳なく思うこともあった。
それでも、いつの間にか自分でやりたいことを見つけ、自分で一日を過ごせるようになっていた。
子どもの成長は、特別な日だけじゃない。
「今日は何をしようかな。」
そんな何気ない休日にも、ちゃんと育っている。
……この量のお菓子、どう消費するのかはさておき。
焼き上がったお菓子の甘い香り。
それを眺めて満足そうに笑う子どもの顔。
何もない日曜日が、とても豊かな一日になっていた。
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