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5分だけ、私にもどる。

7月末から、約40日。

子ども本人ですら、「長すぎる」と嘆く夏休み。

ちょっとでいい。
10分でいい。
いや、5分でいい。

ひとりになりたい。

ちょっとだけでいいから、自分の時間がほしい。

「まだいける」が、もう、「しんどい」に勝てる気がしない。

家の資源ごみをまとめて、

「ちょっとペットボトル捨てに行ってくる」

と子どもに伝え、家を出た。

車で少し走ったところにあるエコステの駐車場。
ぼーっとしながらゴミを捨て、

「いや、まだまだ充電が足りない、このまま帰れない」

と、ボソボソ独り言を並べながら、そのまま書店まで車を走らせた。

自分のために本屋へ来たのは、久しぶりだった。
子どものお供だったり、夏休みに一緒に見るDVDを探しに来たり。

いつも何かしら、「誰かのため」が一緒だった。

長居はできないけれど、ひとりで書店を歩く時間が、ものすごく充実していて、
店内で泣きそうになってしまった。
常に誰かがいる家から逃げ出したくなった罪悪感と、自分の時間を過ごしている充実感と。

ポップアップされていた新潮文庫のコーナーで足が止まった。

目に留まった4冊を手に取り、迷わずセルフレジへ。

有人レジのスタッフの方に、

「新潮文庫のしおり、いただけますか?」

と声をかけ、4枚のしおりもコンプリート。

滞在時間、たった5分ほど。

それなのに、半日くらい自分の時間を過ごしたような、とてつもない充実感だった。

子どものこと。

家のこと。

次から次へと迫ってくる時間。

この時間が嫌なわけじゃないし、贅沢な悩みなのもわかってる。

ただ、ちょっとだけ、

自分に、自分の時間を消費したくなった。

夕方、ひとり走らせた車は私のガソリンになった。

これであと少し夏休みを乗り切れそう。


それにしても。
我ながら、なかなかいい選書のラインナップになった気がする。
しおりもかわいいね。

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