第3部|「『もし起きたら?』を考える人は、未来を予測しているのか」──予測することではなく、起こり得る未来に備える。「先読み」という思考の正体
はじめに
「もし、こうなったら?」
私はこの言葉を、かなり重要な問いだと考えています。
ただし、ここで誤解してほしくないことがあります。
「もし、こうなったら?」と考えることは、未来を当てることではありません。
未来を正確に予測できる人間などいません。
天候も、景気も、会社の売上も、人間関係も、仕事の進み方も、完全に予測することはできません。
では、なぜ考えるのでしょうか。
それは、
起きるかどうか分からないからこそ、起きたときにどうするかを事前に考えておくためです。
私はこれを「未来予測」というより、
未来への準備
だと考えています。
「当てる」のではなく「備える」
例えば、仕事で月の途中に売上を確認したとします。
このまま進めば、月末の目標に届きそうにない。
この時点では、まだ月末ではありません。
つまり、
「目標未達」という結果はまだ確定していない。
ここで、
「月末になっていないのだから、まだ分からない」
と考えて何もしないこともできます。
しかし、もう一つの考え方があります。
「このまま進んだら、足りなくなる可能性がある。では、今から何ができるだろう?」
という考え方です。
今月中にできることは何か。
今月では間に合わないなら、来月に仕掛けることは何か。
既存顧客にできることは何か。
新しい方法はないか。
そもそも現在のやり方に問題はないか。
こうして考えれば、結果が確定する前に行動できます。
ここには、未来を当てる必要はありません。
必要なのは、
「このまま進んだ場合、何が起きる可能性があるか」
を見ることです。
先読みとは、現在から未来への「線」を見ること
私は「先読み」という言葉を、
未来を想像することだけだとは考えていません。
むしろ、
現在の状態をそのまま放置した場合、どこへ向かうのかを見ること
だと思っています。
例えば、
現在の売上がこの状態。
現在の人員がこの状態。
現在の作業量がこの状態。
現在の納期がこの状態。
現在の在庫がこの状態。
現在の顧客状況がこの状態。
それらを見て、
「このまま何も変えなかったら、どうなる?」
と考える。
これが先読みの出発点です。
「今は問題ない」は、未来も問題ないという意味ではない
ここには非常に大きな違いがあります。
「現在、問題がない」
という事実と、
「この先も問題が起きない」
という予測は同じではありません。
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