ソーシャルワークの歴史 ~社会福祉士受験対策編①~

 ソーシャルワークの歴史を振り返り、現在のソーシャルワークがどのように形成されたかを簡潔に述べる。

①ソーシャルワークの形成過程は産業革命の諸問題に端を発する。貧困が最も重大な問題のひとつとして認識され、社会調査が行われた結果、個人に問題があるのではなく、経済活動を優先する社会が貧困生み出していることが明らかとなった。1869年イギリスにおいてCOS(慈善事業)が発足し、組織化された慈善事業は友人として対等な立場に立って積極的に接点をもつというアプローチを実施した。これがやがてケースワークの発展に寄与することになる。

②アメリカで誕生したケースワークの母と呼ばれるM.リッチモンドはCOS活動から友愛訪問を開始し、多くのソーシャルワークの著書を執筆している。代表作である「ソーシャルケースワークとは何か?」において、「ケースワークを人間と社会環境との間を調整し、パーソナリティを発達させる諸過程」と定義している。

③1957年には、アメリカの社会福祉学者であるF.P.バイステックが「ケースワークの原則」において①個別化、②意図的な感情表現、③統制された情緒的関与、④受容、⑤非審判的態度、⑥自己決定、⑦秘密保持といった7原則が援助関係を形成する技法であることを示している。

④1967年、社会学者であるH.パールマンは、「ケ―スワークは死んだ」を著わし、ケースワークのあり方を批判する考えを示した。当時のケースワークが社会改善を忘れ、個人の心理や感情ばかりに着目しており、社会的な視点をもって人々の生活や環境をよくすることに貢献すべきといった主張をしている。

⑤1970年にはバートレットが、社会福祉実践の共通基盤で、社会福祉実践の本質的要素は「価値」、「知識」、「介入」の総体から構成されることを定義づけた。

⑥1973年にはジャーメインとギッターマンは「ソーシャルワーク実践の生活モデル」を著わし、人と環境との相互作用に焦点をあてて問題解決を図ろうとするアプローチを開発した。その後、ジェネラリスト・ソーシャルワークの形成に影響を与える。

⑦1990年代以降、現在のソーシャルワークはケースワーク、グループワーク、コミュニティオーガニゼーションとして発展してきたものが統合化され、ジェネラリスト・ソーシャルワークとして統合化されている。ソーシャルワークの対象を分断せず、ケースワーク、グループワーク、コミュニティオーガニゼーションを組み合わせクライエントを支援するということであ
る。

まとめ
 貧困や格差社会、ダブルケア、孤立・孤独など問題が多様化、複雑化している現代社会において、ジェネラリスト・アプローチを意識したソーシャルワークを展開したいところである。

参考文献)
「ソーシャルワークの基盤と専門職」 一般社団法人 日本ソーシャルワーク教育学校連盟 2021 中央法規

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