『星の王子さま』を読んだら、変な大人たちがこれからの(これまでの)自分だった
『星の王子さま』を読んだ。
王子さまは旅の途中でいろんな星を回って、変な大人たちに会う。家来もいないのに命令ばかりしたがる王様。自分の机から一歩も動かない地理学者。飲むのが恥ずかしくて、それを忘れるためにまた飲む人。
最初は「ああ、こういう人いたな」と思いながら読んでいた。
でも冷静になったら、あれは今の自分か、未来の自分だった。
全員、気持ちが分かってしまった
新しいイベントに参加する瞬間って、すごく怖い。今は特に、新しいことがいっぱい起きる時代だから余計に怖い。
本当は自分の居場所に閉じこもって、ふんぞり返って、賞賛されていたい。
だから、命令を出したい王様の気持ちも分かる。机から動かない地理学者の気持ちも分かる。呑む人にいたっては、現実逃避しながら生きている自分がいる気がして、他人事じゃなかった。
というか、どちらかといえば憧れている。こういう人になれたらいいな、とすら思う。ただ、そうなった時の自分が怖すぎて、そこから目を背けて生きている。それもまた現実逃避。
一方で、点灯夫や地理学者みたいに、言われたことや今まで通りのことをやり続けるのは、自分には絶対にできない。あの席に座り続けられる人は、それはそれですごいと思う。
憧れてるけど、そんなことはできる自信がない。
変なのは、どっちなんだろう。
むしろ、ああなるのが自然なんじゃないか
年を取っていくにつれて、人は自然とああなっていく気がする。責任とか、いろんなものが年とともにくっついてくるし。
そうならない人の方がおかしい、不自然だとすら思う。
それに、お金を稼ぎたいとか、モテたいとかって、突き詰めるとあの惑星の人たちになろうとする憧れから動いている気がする。社長になりたいのも同じだ。自分もそっち側の人間だと思う。
王子さまは「おとなって、へんなの」と言って次の星へ行ってしまうけど、なんともいえない。
憧れを叶えつつ、ああならないでいる。それってすごく難しいことなんじゃないか。
「大人は数字が好き」それ私です
この本の序盤に、大人は数字が好きだという話が出てくる。これは耳が痛かった。自分は数字を扱う仕事、税務に関わっているから。
「大切なものは目に見えない」というのも、雰囲気だけど、なんとなく分かっている。人に会いに行くこと、動くことが大事だと思うから、最近はなるべく交通費にお金を使おうと思っているし、ブランドものもあまり買わなくなった。
と言いつつ、「機能性が欲しいから」と言い訳しながら、いいリュックやスマートフォンを買っている自分がいる。
iPhoneだって、結局ブランドだ。いや思い出してみたらPRADAのキーホルダー買ってた。
目に見えないものを大事にしたい。でも、実際の数値は信用してしまう。その間でうろうろしている。
10歳の1年は、人生の10分の1
キツネの「時間をかけた相手だから特別になる」という話は、すごく分かった。ここに一つ、自分の考えを足したい。
若い時は、時間の分母が少ない。
10歳の時の1年は、人生の10分の1。30歳の1年は、30分の1。
だから5歳や6歳、小学生の頃に衝撃を受けたものは、分母が小さいぶん、勝手に大切なものになる。学生時代に一緒に遊んだ友達や、あの頃の大切な人がいつまでも大事なのは、そういうことなんだと思う。
それ、無限責任じゃないか
「飼いならしたものに、責任がある」。この本で一番愛されている教えだと思う。
正直に言うと、これは難しいと思った。
飼いならされた側の思いは、みんな主張したがる。自分にもある。飼いならされてひどい目にあったとか、時間を無駄にしたとか、思ってしまう時がある。
でも、よく思い出してみると、自分が飼いならしている側だった時も絶対にある。しかも、飼いならしている意識がないまま、相手に勘違いさせてしまうことがある。
意図せず、やってしまう。
今思い当たる人以上に、もっといるはずだ。
そうなると、飼いならしたものに責任を持つというのは、無限責任になってしまう。どうやって背負い続ければいいのか、分からない。
だからそこは、ちょっと諦めた方がいいんじゃないかと思う。謝ったって、その人の時間は返ってこないし。もう仲良くもしてもらえない。
意識できる時に、意識する
大切なものは目に見えない。飼いならしたものに責任を持つ。どれも本当だと思う。
ただ、全部を背負って生きるのは無理だから、意識できる時に、意識する。今の自分には、それくらいの距離感がちょうどいい。
王子さまには「おとなって、へんなの」と言われそうだけど。
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