第2回ブッククラブ『モモ』ミヒャエル・エンデ
少し前に第2回ブッククラブで『モモ』をやりました。モモの感想、そのブッククラブについての感想を書いていきたいと思います。
本題に入る前に、
いろんな人がいろんな解釈をしながら本を読んでて楽しいな〜って思いました。これからも不定期でブッククラブ開催していきますので、ぜひ読んでってください!
灰色の男が、いちばん人間に見えた
灰色の男たちは、人に時間を節約させて、その時間を吸い取っていく。時間貯蓄銀行に預ければ利子がついて返ってきますよ、という説明で口説く。
冷静に見れば、預けた時間が返ってくる保証はどこにもない。完全に詐欺だ。それなのに読んでいて「確かに」と思う瞬間があった。予定が詰まって視野が狭くなっているとき、こういう話には乗りたくなる。効率よくやれば後で楽になる、と言われることは、いつ聞いても肌触りの良い言葉だ。
待たされるのは平気で、待たせるのは嫌
「最近、人の時間を奪ったこと・奪われたことある?」という質問が出た。いい質問だと思う。
僕は待たされるのが苦にならない。予定を詰めすぎるとパニックを起こすので、意識して余白を作っている。だから待ち時間ができても、サウナに入っているときみたいにぼーっとできる。
逆に人を待たせるのはかなり嫌だ。ただ例外があって、差し入れを持っていくときは少し遅れてもいい気がしてしまう。何か持っていくんだから、多少ゆっくり行っても許されるだろう、と。しゃべってから気づいたけど、相手の時間を手土産と交換できるものとして数えている。灰色の男とやっていることが変わらない。
同じ会にいた人は、待たせないよう早めに着くと言っていた。理由が善意だけじゃなくて、早く着くと相手が少し申し訳なさそうにしてくれて、そのあとの会話がやりやすくなるらしい。最高だと思った。
もう一人は、前日に若い後輩から珍しく相談を受けて残業になった話をしていた。うれしかったのに、後輩から「時間を奪っちゃってすみません」と言われた、と。相談する側が、口を開く前に時間の計算をしている。今はそれが礼儀なんだと思うけど、全員がその礼儀を身につけた世界は、たぶんあまり楽しくないかもしれない。
好きになると、勝手に聞ける
モモがやっているのは、話を聞くことだけだ。それだけで話した人が元気になっていく。
現実でやるのは難しい。人の話を聞いていると自分の解釈が先に立つ。分かる、それってこういうことだよね、と言いたくなる。言った時点でもう聞いていない。
僕がやっているのは順番を変えることだった。聞こうとする前に、その人のことを一回好きになってしまう。この人のここすごいな、が一個見つかると、そこから先は勝手に聞ける。がんばって聞いているんじゃなくて、続きが気になるから聞いている。
憧れているのはジジで、真似しているのはベッポ
会の終わりのほうで、ベッポみたいですね、と言われた。道路掃除夫のベッポ。長い道の先を考えると嫌になるから、一歩だけ見て、一息だけついて、一回だけ掃く。それを続けているといつのまにか終わっている、というあの人。
言われて考えて、憧れているのはジジだけど、真似しているのはベッポだなと思った。その場ででたらめな物語を作って人を沸かせるジジになりたい。でも実際やっているのは、今日はこの一言を送ってみる、この人に声をかけてみる、という一歩ずつでしかない。
そもそも僕は社交的じゃない。社交的な人がいたらいいな、と思って真似を毎日続けていたら、いつのまにか社交的ということになっていた。今もふりをしている途中で、たぶんずっと途中だと思う。
効率よく生きたい気持ちは消えないし、消さなくていい。ただ、何も終わらなかった日でも、一歩だけは踏んだ、というのは残る。今のところ、それで足りている。
↓第3回ブッククラブです
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