拝啓、制作会社様【behind the scenes】(special)些事と片づけること無かれ
8月23日、茨城県水戸市で今秋より放送されるドラマの撮影があった。
そのこと自体は行政のホームページでもエキストラの募集情報が公開されているので、触れることには何ら支障はない。
だがその日、無報酬でドラマ作りへの協力に集まった100数十名のボランティアエキストラに制作会社のミスが過大な負担を強いる事態となったことは保持すべき制作上の秘密とはたり得ない(それをすれば不始末の隠蔽だ)と判断した。
ドラマや映画製作などエンタテインメント産業の今後のために冷静かつ正確に記録しておく必要があると考え記すが、制作会社や関係者の糾弾が目的ではないことは明確に示しておく。
自宅から極めて近い場所での撮影ゆえ負担も少ないことから私自身もエキストラとして参加している。本稿は降りかかった災難を明らかにした個人の日記としてお読みいただけたら幸いだ。
撮影は結婚披露宴、華燭の典(エキストラ募集での公開情報)。
着飾った100人以上のエキストラに最初に伝えられたのは、控え室が十分でないことを理由に着物を着付けた人、公共交通機関で参加した人以外の撮影開始までの屋外・自車内待機。決してまだ涼しいとは言えない気候の中で。やがて伝わってきたのは、
エキストラの昼食が用意されていないということ。
「昼食提供あり」という連絡と異なる事態は、ミス以外の何物でもない。エキストラ募集当初、昼12時集合(いわゆるメシズミ)だったスケジュールが午前10時集合に変更された際の連絡ミスであることは疑う余地はない。
近くのコンビニやファストフードで昼食を調達に走る人、撮影場所となるホテルで安くはない食事をする人。
私は現場入りの際は自前のツナギ(間食)をカバンに放り込んでいるのでそれでしのいだが、みな「腑に落ちない」という表情に思えた。
が、この状況の最大の問題は一時的とはいえ
100人以上集められたエキストラが不本意な待機場所さえ離れざるを得ず、制作のコントロールの外になってしまったことだ。それでは全員で共有すべき情報が必要なときに伝わらなくなる。
やがて撮影開始時間が見えてきたころ、ようやく移動した寿司詰めの控え室で助監督からエキストラに対して謝罪はあったが、重大ミスの謝罪にしては「軽く」感じたのが正直なところ。
またその際、当日の終了予定も16時と伝えられたが現場に立って「その時間には終わらないな」と感じたのも、また正直なところ。解放されて遅めの昼食にありつけること期待する人たちもいただろうから言葉にはしなかったが。
状況はどうあれ、制作が望む画作りに協力するのが演者。
各テーブルには宴のお開き近くで配膳されたであろうフルーツやスイーツの皿もあるが誰も手をつけない。本来はNGだがドリンクには口をつける者もいる。さすがに今日は注意はできないね・・・。
子どもたちは目の前のお菓子を食べたかったろうな。
撮影は16時どころか当初予定の19時も過ぎてやっと終了。
自宅まで数分の私はまともな時間に夕食をとることができたが、ボランティアエキストラならではの記念品を見てまたがっかり。
情報公開前とはいえ、作品タイトルどころか局名すらないノートは台本を模したものには見えず、カメラの前に立つ機会の少ない人たちにとって何の記念になるだろうか。
もし本稿を目にしたドラマ・映画制作者、テレビ局関係者がいたならお願いする。
今や当たり前のように利用しているボランティアエキストラという制度は、外部の人たちの厚意に依存して成立している。そのことは改めて、肝に銘じてもらいたい。
