突破口は、最後の最後に絞り出したアイデアの中にある
仕事、勉強、人間関係の中には、様々な壁がある。
思ったようにいかない。
打ち手が見つからない。
これ以上は厳しいと思ってしまう。
難しい課題を前に、あきらめそうになった経験は、誰にでもあるのではないだろうか。
振り返ると、私自身も大きな壁にぶつかり、打ちひしがれ、最終的にあきらめてしまったことが何度もある。
一方で、本当に状況を変えた経験もある。
そのとき突破口になったのは、最初に思いついたアイデアではなかった。
状況を変えたのは、最後の最後まで考え続け、もう出ないと思ったところから、何とか絞り出したアイデアだ。
お風呂に入っているとき。
寝ようと思ったとき。
全く関係のない書籍を読んでいるとき。
毎日考え続けていると、ふとした瞬間に、状況を打開するアイデアが見えてくることがある。
最初に出るアイデアは、だいたい浅い
壁にぶつかったとき、人はまず「すぐに思いつく打ち手」を考える。
仕事であれば、
・広告を増やす。
・営業件数を増やす。
・価格を変える。
・機能を追加する。
・人を採用する。
もちろん、それらが有効なこともある。
ただ、最初に出てくるアイデアは、多くの場合、自分の過去の延長線上にしかない。今までの経験、今ある知識、自分の目に見えている範囲だけで考えてしまうからだ。
しかし、本当に厄介な課題は、今までの考え方では解けない。
だからこそ、壁として目の前に現れているのだ。
「考え続ける」とは、情報を集め、過去の成功体験を捨てること
考え続けるとは、机の前で腕を組んで悩み続けることではない。
何も情報を入れずに考えても、同じ思考が頭の中をぐるぐる回るだけになる。それは「深く考えている」のではなく、「同じ場所で迷っている」だけだ。
本当に考え続けるためには、自分の実力不足を認め、良質な情報を集め続ける必要がある。
仕事であれば
・顧客の声を聞く、現場を見る、競合を調べる、詳しい人に聞く。
・成功事例、失敗事例を知る。
・数字、業界構造を理解する。
人間関係であれば
・人間関係についての書籍・セミナー等で学ぶ
・自分自身の行動を分析する
・周囲の人に自分の行動を評価してもらう
情報が増えると、問いの質が変わり、問いの質が変わると、過去の自分の成功体験を疑うことができる。
良いアイデアは、何もないところから突然降ってくるものではない。大量の情報を入れ、何度も考え、違和感を拾い、仮説を組み直す中で、ようやく形になっていく。
そして不思議なことに、必死で考え続けている人の元には、思いもよらないところから助け舟が届く。
・たまたま読んだ本の一節。
・何気なく聞いた顧客の一言。
・偶然出会った人からの助言。
・別の業界の成功事例。
・過去には見過ごしていた小さな違和感。
それらは、何も考えていない人には、ただの情報として通り過ぎてしまうが、問いを持ち続けている人には、突破口に見える。
助け舟は、ただ待っている人のところに来るのではない。考え続け、探し続け、もがき続けている人だけが、それを助け舟だと気づけるのだと思う。
だから、壁にぶつかったときに必要なのは、根性だけではない。情報を取りにいく行動力と、その情報をもとに考え直す執念が必要になる。
ほとんどの人は、途中で考えることをやめてしまう
厳しい言い方をすれば、世の中の多くの人は、考え続けることができない。
体感としては、9割以上の人が途中で止まってしまうのではないかと思う。
少し考えて、答えが出ないと諦める。
一度やってみて、うまくいかないと向いていないと判断する。
何個か施策を出して、それが外れると「打ち手がない」と思う。
本当はまだ考え切っていないのに、「やれることはやった」と自分を納得させてしまう。壁を突破する気がないまま「やっている感」「頑張っている感」を出すことが目的になってしまうことすらある。
ここに大きな差がある。
成功する人が少ないのは、才能がある人が少ないからだけではない。最後まで考え続けられる人が少ないからだと思う。
起業や新規事業がうまくいかないと言われるのも同じ理由がある。
・市場が悪い
・タイミングが悪い
・リソースが足りない
できない理由を探せばどれだけでも出てくるだろう。その理由が事実であることもあるが、それを言った瞬間に思考が止まってしまう。
「では、どうすれば突破できるのか」
これを考え続けられているかが分かれ道になる。
突破口は、最後の粘りの中にある
人生を振り返ると、最後の最後に出てきたアイデアが状況を変えてきたことが多い。
最初から鮮やかな答えが見えていたわけではない。
むしろ、途中までは何度も行き詰まっていた。
でも、もう少しだけ考える。
もう一段深く考える。
別の角度から見直す。
もっと情報を集める。
本当にそれしかないのかと疑う。
その繰り返しの先に、ようやく有効な打ち手が出てくる。
壁の前で止まっている時間は、ただの停滞にもなる。
でも、問い続ければ、突破口を探す時間になる。
最後に絞り出したアイデアには、
簡単には諦めなかった時間が詰まっている。
浅い仮説を何度も捨てた跡がある。
自分に都合のいい解釈を削ぎ落とした結果がある。
見たくなかった現実と向き合った分だけ、打ち手が鋭くなっている。
だからこそ、「考え続けた人が発する言葉」には人を引き付ける力がある。
一方で「考えていない人が発する言葉」には、人を動かす力がない。
考え続けた先に、突破口がある。
努力し続けた先に、見える景色が変わる瞬間がある。
そのことを経験として知っている人は、壁にぶつかっても簡単には諦めない。「もう無理だ」ではなく、「まだ見えていないだけではないか」と考える。
だから、情報を集める。
人に聞く。
視点を変える。
もう一度、仮説を組み直す。
すぐに正解が出ないのは当たり前だ。むしろ、すぐに出る答えだけで解決するなら、それは本当の壁ではないのかもしれない。
考え続ける。
情報を集め続ける。
自分の浅い答えを疑う。
もう無理だと思ったところから、さらに一歩踏み込む。
突破口は、最初のひらめきではなく、最後の粘りの中にあるのだと私は思う。
