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高配当株25社の決算を一気に点検。2026年7〜8月の結果と気になった6銘柄を深掘り

2026年7〜8月の決算がひととおり出そろいました。

今回は、私が保有している高配当株25社の決算をまとめて点検してみます。

まず25社全体を数字で確認し、そのうえで特に気になった6社を深掘り。

増配や上方修正があった銘柄だけでなく、減益だった銘柄についても「なぜそうなったのか」を見ていきます。

高配当株を保有している方や、今回取り上げる銘柄が気になっている方の参考になればうれしいです。

記事の最後には、25社すべての決算結果を一覧表にまとめています。

気になる銘柄から、目次でチェックしてみてください。



まずは保有25社の決算を数字でチェック

まずは、25社全体の決算をざっくり数字で見てみます。

最終利益(前年同期比):増益21社/減益4社
通期業績予想:上方修正4社下方修正0社据え置き20社/非開示1社
今回の決算で新たに増配を発表:3社

(会計基準の違いで全社を経常利益では比べられないため、増益・減益は最終利益ベースで数えています)

この中から、特に動きが大きかった銘柄や、私が注目している6社を深掘りします。

  • INPEX(1605):利益と配当を上方修正

  • 三菱HCキャピタル(8593): 減益でも増配計画は維持

  • ヒューリック(3003):15期連続最高益をめざす安定成長

  • NTT(9432):1Q増収増益なのに、通期は減益予想

  • JT(2914): 大幅増益+30円増配

  • 西華産業(8061):1Q好決算で12円増配へ

各社「業績 → なぜそうなったか → 配当 → 私の一言」の順にまとめます。


INPEX(1605):利益と配当を上方修正

<2026年12月期 第2四半期(中間期)の概要>
売上:1兆4億円(△4.6%)
営業利益:6,187億円(+0.3%)
純利益(中間):2,631億円(+17.7%)
通期予想:上方修正(当期利益3500億~4500億円→5,100億円)
通期進捗率:約51.6%(中間で折り返し、順調)

▼原油高・円安・主力プロジェクトの好調により増益

売上は中東情勢の影響などでアブダビでの販売数量が減り微減でしたが、原油価格の上昇や為替の円安が利益を押し上げました。

特に貢献したのが、同社の利益の6割以上を稼ぎ出す、オーストラリアの巨大LNGプロジェクト「イクシス」です。上期には一時的なストライキが発生したものの、影響を抑えて安定操業を維持しました。

イクシス単体での利益貢献額は、前年同期比で約24.5%増(1,730億円)と大幅な伸びを記録しました。

▼配当の変化

  • 年間配当は108円→112円に引き上げ(前期100円)

  • あわせて1,400億円の自社株買いを発表

決算説明資料によると、当期利益が過去最高となる見込みに加え、「株価が割安である」ことも今回の増配・自社株買いを決定した要因であると書かれています。

▼私の一言

利益・配当ともに上方修正され、今回の決算はかなり好印象でした。原油価格や為替次第で業績が振れやすい点はありますが、主力のイクシスがしっかり利益を稼いでいるのは心強いです。
市況次第で業績が大きく変わる点は、INPEXを保有するうえで引き続き意識しておきたいところです。

▼出典

INPEXの深掘り記事も書きました👇



三菱HCキャピタル(8593):減益でも増配計画は維持

<2027年3月期第1四半期の概要>
売上:5,391億円(△7.8%)
営業利益:471億円(△42.9%)
純利益:316億円(△44.8%)
通期予想:据え置き(当期純利益 1,600億円、前期比△1.4%)
通期進捗率:約19.8%(1Qとしてはやや低め)

▼減益に見えるけど、実は前年の反動が正体

前年同期には、決算期変更に伴う一時的な利益約228億円が含まれていました。その反動があるため、今期は大幅な減益に見えます。

一時的な要因を除いて見ると、減益幅は△28億円で、かなり小さくなります。

今回の実質減益(△28億円)は、航空機の機体返却に伴うリース料減少・減損(8.4億円)や、前年にあった不動産の大口売却益の剥落が主因です。

▼悪材料は改善中、進捗率19.8%も想定通り

通期予想に対する進捗率は19.8%と4分の1を下回ります。

ただ、懸念されていた米州トラック事業の貸倒関連費用は大幅に減少し、海外カスタマー事業は増益となるなど、事業別に見ると改善している部分もあります。

また、決算説明資料によると「専門事業のアセット売却益の過半を下期に計上する」計画としており、この進捗率自体は例年通りの計画に沿ったものです。

▼配当の変化

  • 前回から変更なし

  • 年間配当51円の予想(前期46円)

利益は減っていますが、配当方針に変更はなく、年間配当51円の計画を維持しています。
今期の増配により、16期連続増配を見込んでいます。
減益だけを見て「配当も危ない」と判断する必要はなさそうです。

▼私の一言

今回の決算は、最初に見たときはネガティブなインパクトが大きかったです。
でも、一時的な要因を除けば減益幅は小さく、通期計画や増配方針に影響するほどではありませんでした。
次回の決算では、下期に利益を稼ぐ計画がきちんと実行されるかに注目したいです。

▼出典



ヒューリック(3003):15期連続最高益をめざす安定成長

<2026年12月期 第2四半期(中間期)の概要>
売上:4,166億円(+38.8%)
営業利益:803億円(+7.0%)
純利益(中間):500億円(+11.3%)
通期予想:据え置き(当期純利益 1,210億円、15期連続最高益をめざす)
通期進捗率:約41.3%(例年、下期に売却が偏る傾向)

▼増収増益になった要因

不動産価格の上昇を背景に、販売用不動産の売却が増えたことが主因です。

前年同期比+約1,165億円のうち、約847億円が「物件売却」による収益で、オフィス賃貸なども堅調でした。

一方、売上が+38.8%と好調なのに対し、営業利益は+7.0%にとどまります。

利益が伸び悩んだ理由は、「M&Aに伴う費用の増加(販管費+155億円)」と「リソー教育の追加的なのれん償却の発生(△51億円))」が営業費用を押し上げたためです。

▼借金が多いと、金利の影響はないのか

ヒューリックには約2兆2,753億円の有利子負債があります。

「2兆円超の借金」と聞くと大きく感じますが、見るべきなのは金額だけではありません。

決算説明資料によると、2026年6月末時点の長期比率は95.5%です。つまり、約9割はすぐには返済期限が来ない借金です。

借金の額だけを見ると大きく感じますが、長期の資金を中心に調達している点は安心材料だと感じました。

▼配当の変化

  • 前回予想から変更なし

  • 1株あたり年間67円の予想(前期62円)

今期の増配が実現すれば、上場以来18期連続増配になります。
「2029年までに配当性向を45%まで段階的に引き上げる」との方針も掲げており、引き続き積極的な株主還元に期待できそうです。

▼私の一言

業績の成長はもちろん、金利が上がっても株主還元を続けられそうか、という視点でも見ていきたい銘柄です。
ただ、借金の大部分が長期であることに加えて本業で稼げているため、短期的な金利上昇の影響が一気に表れにくい財務構成だと考えています。
また、積極的な成長投資が今後の安定収益につながるかにも注目したいです。

▼出典

ヒューリックの深掘り記事も書きました👇



NTT(9432):1Q増収増益なのに、通期は減益予想

<2026年度 第1四半期決算の概要>
売上高:3兆6,177億円(+10.9%)※四半期として過去最高を更新
営業利益:4,251億円(+4.9%)
純利益:2,748億円(+5.8%)
通期予想:据え置き(当期利益 9,800億円)
通期進捗率:約28.0%(1Qとして順調)

▼1Qは好調だが通期予想は減益

NTTの1Q(4-6月)は売上・利益ともに増加し好調でした。

一方、通期の当期利益は前期比減益を予想しています。

NTTデータの一時的な利益の反動に加え、通信事業の競争激化成長投資などが利益を押し下げる見込みです。

1Qの好調さだけで安心せず、通期で利益を確保できるかを見ていきたい決算です。

▼利益を押し下げる要因には成長投資も

NTTは、IOWNやデータセンターなど次世代分野への投資を積極化しており、短期的には利益を押し下げる要因になります。

しかし、データセンター資産の一部を「NTT DC REIT」に譲渡して投資資金を回収するなど、大型投資を継続しながら資金を循環させる仕組みも整えています。

また、2030年度には金融事業を除く有利子負債/EBITDA倍率を、3.5倍程度まで低下させる目標を掲げています。

このように、投資拡大と財務健全性のバランスを取る姿勢を示しています。

▼配当の変化

  • 前回予想から変更なし

  • 1株あたり年間5.4円の予想(前期5.3円)※16期連続増配予定

▼私の一言

1Qの数字だけ見ると好調ですが、通期の減益予想には一時的な反動だけでなく競争激化や投資負担も絡んでいて一筋縄ではいかなそうです。

ドコモの回復ぶりとデータセンター事業の伸び、有利子負債の増加と財務健全性のバランスが崩れてないかを次の決算でも継続ウォッチしたいです。

▼出典



JT(2914): 大幅増益+30円増配を発表

<2026年12月期 第2四半期(中間期)決算の概要>
売上収益:1兆9,861億円(+17.7%)
営業利益:6,449億円(+29.0%)
純利益:4,318億円(+35.0%)
通期予想:上方修正(当期利益5,700億円→6,440億円)
通期進捗率:約67%

▼値上げと円安で増収増益に

主力の海外たばこ事業で、値上げ(価格改定)の効果が約1,542億円と最大の押し上げ要因でした。

総販売数量はほぼ横ばい(+1.0%)ですが、加熱式たばこの販売数量は前年同期比で+33.8%、Ploom単体では+43.5%と大きく伸びています。

加えて円安による為替のプラス(約356億円)、加工食品事業も値上げで増収増益。つまり「数量で稼いだ」のではなく「値上げと円安で稼いだ」決算です。

▼為替変動の影響は?

今回の好決算は為替の恩恵も大きく、今後もし円高が進んだ場合の業績も気になる部分です。

決算短信によると、為替影響を除いた本業の実質的な成長(為替一定ベースの調整後営業利益)について、以下の成長を目指すとされています。

  • 中長期:年平均一桁台半ば〜後半

  • 2026〜2028年の3カ年(経営計画2026):年平均一桁台後半

つまり、JTは為替影響を除いた本業でも、中長期的な利益成長を目指していると言えます。

▼配当の変化

  • 前回予想(242円)から+30円の大幅増額

  • 1株あたり年間272円の予想(前期234円)

▼私の一言

今回は値上げと円安による好決算ですが、将来の円高や値上げの限界への懸念は残ります。
また、配当性向が75%超と引き続き高い水準のため、今後の増配余力については慎重に見ておきたいところです。
ただ、本業の実質成長やPloomへの投資など長期の備えは合理的です。成長シナリオと高配当を両睨みしつつ、今後もじっくりホールドします。

▼出典

JTの深掘り記事も書きました👇



西華産業(8061):1Q好決算で12円増配へ

<2027年3月期 第1四半期の概要>
・売上高:277.3億円(+8.5%)
営業利益:25.4億円( +59.7%)
純利益:27.5億円( +54.4%)
通期予想:上方修正(当期利益 76億円 ➔ 84億円)(前期比 +11.9%)
通期進捗率:約32.8%

▼原子力・火力の大型案件が絶好調

エネルギー事業では、西日本における原発の定期修繕や、火力発電所向け設備建設などの大型案件が売上計上され、売上高が79.6億円(前年比+6.9%)、セグメント利益が12.1億円(同+68.1%)と大きく成長しました。

産業機械事業では前年の大型案件の反動を、2025年12月に子会社化した旭サナックの堅調な推移でカバーし増収増益に。
全体の売上高営業利益率も6.2%→9.2%へ改善しています。

▼PBR改善へ、資本効率を意識した経営

西華産業は、東証の要請等を受け、PBR改善やROE向上など「資本コストや株価を意識した経営」に注力しています。

具体的には、政策保有株式を2028年3月期までに10%水準まで更なる縮減を進めるなど、資本効率の改善を目指しています。

また、株主優待制度の導入や1:3の株式分割により、株主数が2年で2.6倍、売買代金は13.4倍と取引の活性化も進んでいます。

▼配当の変化

  • 前回予想(93円)から +12円 の増配

  • 1株あたり年間 105円 の予想(前期 81.66円)

今回の上方修正で予想配当は前回比+12円の105円となり、近年は増配傾向が続いています。
会社は2027年3月期から株主還元の方針を連結配当性向45%目途に定めており、株主還元に積極的な姿勢がうかがえます。
今後、業績が伸びればさらなる株主還元につながる可能性もありそうです。

▼私の一言

私の保有銘柄の中でも、トップクラスに増配率が高い銘柄の1つです。
1Qから利益が大きく伸び、通期予想も上方修正されたのは、かなり強い決算だと感じます。
ただ、産業機械事業は大型案件の有無で数字がブレやすいので、旭サナックなどM&A効果が本業の実力としてどこまで定着するかを次の四半期でも確認したいです。

▼出典



決算を見て、今回どう動いたか

今回の決算後、真っ先に買い増したのは、増配を発表したJTです。配当性向の高さは懸念材料ですが、今回の増配への「ありがとう」の気持ちを込めて。

INPEXや西華産業など、業績が好調な銘柄も、自分が納得できる配当利回り水準になったら買い増しを検討したいです。

一方、オカダアイヨンや横河ブリッジHDは、業績面で厳しい状況が続いており、引き続き慎重に様子見しています。

今回まとめてみて、保有する会社の多くが計画どおりに進んでいることを確認できました。

ひとつずつ点検することで、自分のポートフォリオが今どのような状態にあるのかが見えて、頭の整理にもなりました。


保有高配当株25社の決算一覧

最後に、保有25社の決算を一覧で振り返ります。6社以外の銘柄も含めて、ポートフォリオ全体の状態を確認してみます。

<表に関する注記>
数字は「前年同期比」で、配当予想は「前期→今期の金額」を記載しています。
★は上で深掘りした6社です。
「私メモ」は◎=好印象、○=概ね堅調、△=減益や不透明で少し注意、という私の個人的な印象です(投資判断ではありません)。
銀行・商社・保険・証券などは、営業利益を主要な利益指標として開示していないため、「―」としています。

保有高配当株25社の決算一覧①
中間決算・深掘りした銘柄・好印象な銘柄など
保有高配当株25社の決算一覧②
その他の保有銘柄

25社の決算を点検して見えてきたこと

初めて25社分の決算をまとめてみて、同じ「据え置き」でも、その背景は会社によってかなり違うことがわかりました。

一時的な要因で減益に見える会社もあれば、増益でも先行投資や市況の影響を受けている会社もあります。

決算の数字だけで良し悪しを判断せず、「なぜこの数字になったのか」まで見ることが大切だと改めて感じました。

特に気になった銘柄は、今後1社ずつ単独記事で深掘りしていくつもりです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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【免責事項】

本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄や投資手法を推奨するものではありません。 投資には元本割れのリスクがあり、最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。 高配当株であっても、企業の業績が悪化すると配当が減額(減配)または停止(無配)になることがあります。


【参考資料】

  1. INPEX「2026年12月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)

  2. JT「2026年12月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)

  3. ヒューリック「2026年12月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)

  4. ブリヂストン「2026年12月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)

  5. アサヒGHD「2026年12月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)

  6. 三菱HCキャピタル「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

  7. NTT「2026年度 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)

  8. 西華産業「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

  9. 三菱商事「2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)

  10. 三井住友FG「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

  11. 三菱UFJFG「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

  12. オリックス「2027年3月期 第1四半期決算短信〔米国基準〕(連結)

  13. アステラス製薬「2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)

  14. コマツ「2027年3月期 第1四半期決算短信〔米国基準〕(連結)

  15. KDDI「2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)

  16. 東京海上HD「2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)

  17. 全国保証「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

  18. ダイダン「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

  19. 王子HD「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

  20. ハマキョウレックス「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

  21. 日本曹達「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

  22. SPK「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

  23. SBI HD「2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)

  24. 横河ブリッジHD「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

  25. オカダアイヨン「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

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