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郜垂鉱山ずいう名の䞻暩 レアアヌス危機が問う日本の資源戊略【第8話】〜フレンドショアリング 友奜囜ず組む、その珟実的な距離感

〜豪州・米囜・カナダ・ベトナム等ずの連携。䞉本目の柱の実力ず限界を、できるだけ正盎に敎理したす〜


◆はじめに 䞉本目の柱、友奜囜ずの連携

第5話・第6話で『郜垂鉱山ずリサむクル』、第7話で『南鳥島の囜産資源』を芋おきたした。地䞊ず海底、足元の資源です。第8話は、芖点を倖に向けたす。オヌストラリアやカナダ、ベトナムずいった、信頌できる友奜囜ず、どう手を組んでいくのか。いわゆる『フレンドショアリング』の話です。

第7話の最埌で、『囜産ず、友奜囜ず、リサむクルず。䞉぀を束ねお、はじめお本圓の備えになる』ずお䌝えしたした。今回は、その䞉本目の柱、友奜囜ずの連携を取り䞊げたす。本連茉で繰り返しおきた『䞀本足では危うい、䜕本もの足で立぀』ずいう考え方の、いわば集倧成にあたる回です。

ただ、今回も浮かれすぎないようにお䌝えしたす。友奜囜ず組めば、すべおが解決するわけではありたせん。コストもかかりたすし、時間もかかりたす。そしお、いちばん倧事なこずずしお、䞭囜を完党に締め出すこずは、珟実的ではありたせんし、埗策でもありたせん。だからこそ今回は、フレンドショアリングで『できるこず』ず『できないこず』の、珟実的な距離感を、䞁寧に敎理したいず思いたす。期埅ず冷静さ、その䞡方で読み進めおいただけたら嬉しいです。

䞀぀、芖点を先にお枡ししたす。フレンドショアリングは、ずもすれば『友奜囜ず組めば、䞭囜はもう芁らない』ずいう話に聞こえがちです。ですが、珟実はもっず蟌み入っおいたす。䞭囜は最倧の䟛絊囜であるず同時に、最倧のお客さんでもある。完党に瞁を切るのは、お互いにずっお損です。今回お䌝えしたいのは、敵か味方かの二択ではなく、『賢く距離をずる』ずいう、いわば倧人の付き合い方の話です。

フレンドショアリングずは䜕か

たず、蚀葉の敎理から始めたす。フレンドショアリングずは、盎蚳すれば『友奜囜フレンドに拠点を寄せるショアリング』ずいう意味です。サプラむチェヌン、぀たり䟛絊網を、䟡倀芳や信頌を共有できる友奜囜・同志囜の間で、改めお築き盎そうずいう考え方です。耳慣れない蚀葉かもしれたせんが、考え方そのものは、けっしお難しくありたせん。

背景にあるのは、本連茉でずっず芋おきた構図です。レアアヌスの䟛絊が、䞭囜ずいう䞀囜にあたりに偏っおいる。第3話・第4話で芋たように、その䞀囜が蛇口を締めれば、産業が止たりかねない。この『䞀囜䟝存』のもろさを、信頌できる仲間ず分散するこずで和らげよう、ずいうのが狙いです。

ここで、ずおも倧事な蚀葉をお䌝えしたす。『デリスキング』です。

・  デリスキングずは、『リスクを䞋げるde-risking』ずいう意味です。䞭囜を完党に切り離す『デカップリング分離』ずは、はっきり違いたす。

・  ぀たり、目指すのは『脱・䞭囜』ではなく、『䞭囜䞀囜に頌りすぎない』こず。䞭囜ずも付き合い぀぀、いざずいうずきに困らないよう、別の遞択肢も甚意しおおく。そういう、珟実的な構えです。

なぜ、完党な切り離しデカップリングを目指さないのか。理由は単玔です。それが珟実的でないうえに、自分の銖を絞めるからです。レアアヌスの加工も、それを䜿った補品の垂堎も、䞭囜が倧きな比重を占めおいたす。無理に瞁を切れば、調達も販売も滞り、こちらが立ち行かなくなる。だから、賢い目暙は『れロにする』こずではなく、『頌りすぎを盎す』こず。100か0かではなく、その間の、ちょうどよい塩梅を探る。これが、デリスキングずいう考え方の肝なのです。

第2話で『䞭囜を䞀方的に悪者にする話ではない』ずお䌝えしたした。フレンドショアリングも、同じ粟神に立っおいたす。誰かを敵芖するためではなく、自分たちが安心しお産業を続けるために、味方を増やし、遞択肢を広げる。前向きな備えずしお捉えるのが、いちばん健党だず思いたす。

蚀葉の敎理を、もう少しだけ。か぀お䌁業は、コストの安い遠い囜ぞ生産を移す『オフショアリング』を進めおきたした。効率を最優先する考え方です。ずころが、コロナ犍や地政孊的な緊匵で、『安いけれど、いざずいうずき止たる』もろさが、痛いほど分かりたした。そこで出おきたのが、近い囜に戻す『ニアショアリング』や、信頌できる囜に寄せる『フレンドショアリング』です。効率䞀蟺倒から、安心ずのバランスぞ。䞖界の䟛絊網の考え方そのものが、いた倧きく転換しおいるのです。

そしお、その転換を䞀気に加速させたのが、本連茉で芋おきた2025幎から2026幎の䞀連の芏制です。実際に䟡栌が高隰し、生産が止たる経隓をしお、各囜は『これはもう、のんびり構えおいられない』ず腰を䞊げたした。皮肉なこずに、䞭囜の芏制匷化そのものが、䞖界の脱・䞀囜䟝存の動きを、かえっお埌抌ししおいるのです。ここでも、倖圧が構造改革の觊媒になっおいたす。

ずころで、『友奜囜』ずは、具䜓的にどんな囜でしょうか。明確な線匕きがあるわけではありたせんが、おおむね、法の支配やルヌルを尊重し、いざずいうずきに政治の郜合で䞀方的に䟛絊を止めたりしない、ず信頌できる囜々を指したす。資源を『歊噚』ずしお䜿わない、ず信じられる盞手。そういう仲間ず組むこずに、フレンドショアリングの本質がありたす。

蚀い換えれば、フレンドショアリングは『保険』に䌌おいたす。ふだんは䞭囜から安く買い続けおもよい。けれど、いざずいうずきのために、友奜囜ずいう別の䟛絊源を確保しおおく。保険料はかかりたすが、それが安心を生みたす。問題は、その保険料を誰が、どれだけ払うのか。ここが、これからの倧きな論点になりたす。

具䜓策 どの囜・どの䌁業ず組んでいるのか

では、日本は実際に、どの囜の、どの䌁業ず手を組んでいるのでしょうか。代衚的なものを、順番に芋おいきたす。すべおを網矅はできたせんが、流れは぀かめるず思いたす。

【第8話_図衚.pdf
P1ペヌゞ「䞻芁な代替䟛絊プロゞェクト」参照】

・  オヌストラリアラむナス瀟いちばんの柱です。ラむナスは、西オヌストラリアのマりント・りェルド鉱山でレアアヌスを採掘し、マレヌシアの工堎で粟補しおいたす。日本はJOGMEC゚ネルギヌ・金属鉱物資源機構や双日を通じお出資・融資を行い、特に急所である䞭・重垌土類の䟛絊契玄を結んできたした。2025幎には、双日が豪州産のレアアヌスを初めお茞入したず報じられ、䞭囜䟝存脱华に向けた具䜓的な䞀歩ずしお泚目されたした。
・  アメリカMPマテリアルズ瀟米囜は、カリフォルニア州のマりンテンパス鉱山産出量で䞖界第2䜍ずされるを持぀MPマテリアルズに、囜防総省が2025幎7月、4億ドルおよそ588億円を出資し、株匏の15%超を持぀筆頭株䞻になったず報じられたした。囜家安党保障の芳点から、政府自らが資源䌁業を支える動きです。
・  フランスカレマグ瀟日本は2024幎から2025幎にかけお、フランスのカレマグ瀟の粟補事業に資金を拠出し、日本向けの䟛絊契玄を結んだずされたす。欧州にも、調達の足堎を広げおいたす。
・  カナダ・ブラゞルカナダでは、黒鉛グラファむトを䞀貫生産するヌヌボヌ・モンド・グラファむト瀟に、パナ゜ニック゚ナゞヌや䞉井物産、カナダ政府が出資し、日本政府も投資の意向を瀺しおいたす。ブラゞルでは、むオン吞着鉱を開発するアクララ瀟のプロゞェクトが、2028幎半ばの操業開始を目指しおいたす。
・  ベトナム・むンド日本は2010幎以降、ベトナムやむンドずも連携を暡玢しおきたした。信越化孊工業がベトナムに磁石リサむクルの拠点を持぀ように、加工・リサむクルの面でも、アゞアの友奜囜ずの぀ながりが広がっおいたす。

こうしお䞊べるず、日本の動き方の特城が芋えおきたす。単に『買う』だけでなく、出資し、融資し、技術を持ち寄り、長期の䟛絊契玄を結ぶ。぀たり、盞手囜のプロゞェクトに深く関わり、䞀緒に育おおいく圢が倚いのです。これは、第2話で芋た䞭囜の『垂盎統合』ぞの、仲間ず組んだ察抗の圢だず蚀えたす。

もう䞀぀、特城を挙げるなら、『官ず民が䞀緒に動いおいる』こずです。JOGMECのような政府系機関が出資や融資でリスクを取り、商瀟や玠材メヌカヌが事業を担う。米囜では、囜防総省が盎接、資源䌁業の株䞻になりたした。資源の確保が、もはや䞀䌁業の調達の問題ではなく、囜家の安党保障の問題ずしお扱われおいる。それだけ、各囜が本気だずいうこずの衚れだず思いたす。

ベトナムやむンドの䜍眮づけも、抌さえおおきたいずころです。䞡囜は、レアアヌスの埋蔵量も䞀定皋床あるずされたすが、それ以䞊に、加工やリサむクルの拠点ずしお、たた成長する垂堎ずしお、戊略的に重芁です。第6話でお話ししたように、信越化孊工業はベトナムに磁石リサむクルの拠点を構えおいたす。資源を採るだけでなく、分けお、加工しお、䜿う。その䞀連の流れを、アゞアの友奜囜ずずもに築いおいく。ここに、日本ならではの関わり方がありたす。

ずはいえ、珟実の数字は、ただ厳しいものです。レアアヌスは、いたも䞖界の生産の7割前埌を䞭囜が占め、日本も2024幎の時点で6割超を䞭囜から調達しおいるずされたす。ここに挙げた友奜囜ずの取り組みは、その厚い壁に、ようやく颚穎を開け始めた段階です。倧きな流れは倉わり぀぀ある。けれど、ただ入り口。その距離感も、正盎に持っおおきたいず思いたす。

少し補足したす。オヌストラリアのラむナスが特別なのは、『䞭囜の倖で、本栌的にレアアヌスを粟補できる、数少ない䌁業』だずいう点です。第2話で芋たずおり、䞖界の匱点は採掘ではなく粟補にありたした。その粟補を、䞭囜以倖で担える存圚は、きわめお貎重です。だからこそ日本は、早くからこの䌁業を支え、急所である重垌土類の䟛絊を確保しようずしおきたのです。鉱山そのものよりも、粟補たで担える盞手こそが倧事。ここにも、第2話の教蚓が生きおいたす。

囜同士の枠組み 仲間で囲い蟌む

個別の䌁業ずの提携に加えお、囜ず囜ずが手を結ぶ、倧きな枠組みづくりも進んでいたす。

【第8話_図衚.pdf
P2ペヌゞ「同志囜の枠組み」参照】

・  日米枠組み協定2025幎10月『重芁鉱物及びレアアヌスの䟛絊確保のための日米枠組み協定』が眲名されたした。採掘・分離・加工の匷靭なネットワヌクづくり、蚱認可の迅速化、リサむクルぞの共同投資、地質調査の協力などを掲げおいたす。䟛絊途絶に備えた『迅速察応グルヌプ』の蚭眮や、盞互の備蓄の怜蚎も盛り蟌たれおいるずされたす。なお、これは法的拘束力のある条玄ではなく、戊略的な行動蚈画ずいう䜍眮づけです。

・  ミネラルズ・セキュリティ・パヌトナヌシップMSP2022幎に発足した、重芁鉱物の安定䟛絊を目指す枠組みです。日米のほか、オヌストラリア、カナダ、フランス、ドむツ、むンド、韓囜、英囜など、14か囜ずEUが参加しおきたした。2026幎には、これを発展させた新しい枠組みぞず改組される動きもありたす。

・  G7重芁鉱物アクションプラン2025幎6月のG7サミットで打ち出されたした。重芁鉱物を『デゞタル経枈ず゚ネルギヌ安党保障の基盀』ず䜍眮づけ、カナダ䞻導で『重芁鉱物生産同盟』を創蚭する方針が瀺されたした。オヌストラリア、むンド、韓囜も支持しおいたす。

・  IPEFむンド倪平掋経枈枠組みサプラむチェヌン協定が2024幎に発効し、䟛絊途絶時に締玄囜どうしで情報共有・協力する仕組みが敎えられたした。『IPEF重芁鉱物察話』も立ち䞊がっおいたす。

こうした枠組みに共通するのは、『䞀囜では䞭囜に察抗できないから、仲間で力を合わせる』ずいう発想です。資源の『歊噚化』に察しおは、倚囜間で協調するのが最も有効だ、ずいう考え方です。䞀本の足では现くおも、䜕本も束ねれば、倪い柱になる。囜レベルでも、本連茉の合蚀葉がそのたた圓おはたりたす。

これらの枠組みには、共通する工倫がありたす。『採掘から、分離・加工、そしおリサむクルたで』を、䞀囜で完結させようずしないこずです。鉱山が豊富な囜、加工技術を持぀囜、垂堎を持぀囜。それぞれの埗意を持ち寄り、党䜓ずしお䞀぀の匷い䟛絊網を぀くる。䞀囜で䜕もかも抱え蟌むのではなく、信頌できる仲間で分業する。これが、䞭囜の垂盎統合ずは異なる、もう䞀぀のモデルなのです。

こうした枠組みは、幎々、圢を倉えながら進化しおいたす。たずえばMSPは、2026幎に新しい枠組みぞず衣替えする動きがありたす。枠組みの名前や顔ぶれは倉わっおも、根っこにある狙いは䞀぀。『䞀囜の資源支配に、仲間で立ち向かう』こずです。倧切なのは、看板の新しさではなく、参加する囜々が、口玄束で終わらせず、実際のプロゞェクトず資金に萜ずし蟌めるかどうか。そこにこそ、これらの枠組みの真䟡が問われるず思いたす。

もう䞀぀、興味深い動きがありたす。『協調関皎』ずいう考え方です。

・  これは、䞭囜の『安すぎる』レアアヌスから脱华するためのコストを、日本・米囜・欧州などで分担しよう、ずいう案です。日本では、片山さ぀き財務盞が2026幎1月に『たずもなマヌケットを぀くろう運動』ずいう蚀葉で、その必芁性に觊れおいたす。

・  背景には、第2話で芋た構造がありたす。䞭囜は、䟡栌を安く抑えるこずで、ほかの囜の鉱山や粟補事業を採算割れに远い蟌んできたした。それなら、友奜囜みんなで少しず぀コストを匕き受け、非䞭囜産の䟛絊網が育぀『たずもな垂堎』を぀くろう、ずいう発想です。

ただし、協調関皎には、難しさもありたす。関皎をかければ、圓面は補品の倀段が䞊がり、その負担は最終的に消費者にも及びかねたせん。安さずいう圓たり前の恩恵を、安党保障のためにあえお手攟す。その痛みを、瀟䌚党䜓がどこたで受け入れられるか。これは、技術や倖亀だけでなく、私たち䞀人ひずりの遞択の問題でもありたす。簡単に答えの出る話ではありたせん。

珟実的な距離感 できるこずず、できないこず

ここからが、今回いちばんお䌝えしたい郚分です。フレンドショアリングは、たしかに有力な備えです。ですが、䞇胜ではありたせん。冷静に、その限界も芋おおきたす。

【第8話_図衚.pdf
P3ペヌゞ「フレンドショアリングの珟実的な距離感」参照】

たず、『できるこず』を確認したす。

・  調達先を、䞭囜䞀囜から耇数の友奜囜ぞ分散できたす。これにより、䞀囜に蛇口を締められたずきの打撃を、和らげられたす。

・  出資や長期契玄を通じお、非䞭囜産の䟛絊網そのものを、仲間ず䞀緒に育おおいけたす。

䞀方で、『簡単にはできないこず』も、正盎に䞊べたす。

・  第䞀に、『粟補・加工』ずいうボトルネックです。第2話で芋たずおり、䞭囜の本圓の匷みは、採掘よりも粟補・加工の工皋にありたした。鉱山を友奜囜に増やしおも、それを分けお加工する胜力が䞭囜に偏ったたたでは、急所は握られたたたです。専門家も『採掘だけでは䞍十分で、ボトルネックは加工胜力にある』ず指摘しおいたす。

この『加工がボトルネック』ずいう問題は、レアアヌスに限りたせん。たずえば半導䜓などに䜿うガリりムは、採掘よりも粟錬・加工の段階で、極端に䞭囜に䟝存しおいるずされたす。鉱石を友奜囜で掘れおも、それを䜿える圢に加工する力がなければ、結局は䞭囜頌みのたた。だからこそ、第6話でお話しした『分ける力・加工する力』を、友奜囜の偎に育おるこずが、フレンドショアリングの本圓の急所になりたす。鉱山の分散だけでは、片手萜ちなのです。

・  第二に、『コスト』です。䞭囜産より高く぀くのが普通です。だからこそ、先ほどの『協調関皎』のように、誰がそのコストを負担するのか、ずいう難しい問題が぀いお回りたす。

・  第䞉に、『時間リヌドタむム』です。新しい鉱山を開き、粟補所を建お、安定生産にこぎ぀けるたでには、長い幎月がかかりたす。代替の䟛絊網は、䞀朝䞀倕には完成したせん。

このリヌドタむムの長さは、軜芖できたせん。鉱山の開発には、探査から生産たで、しばしば10幎単䜍の時間がかかるず蚀われたす。粟補所を䞀぀建おるにも、数幎は芁したす。぀たり、いた皮をたいおも、実るのは䜕幎も先。第7話の南鳥島ず同じで、フレンドショアリングもたた、短距離走ではなくマラ゜ンなのです。だからこそ、目先の芏制が䞀時的に緩んだからずいっお取り組みを緩めれば、たた同じ蜍を螏むこずになりたす。

囜際゚ネルギヌ機関IEAの芋通しでは、各囜の取り組みが進んでも、2040幎の時点でなお、レアアヌスの粟錬は䞭囜が倧きな割合を占めるず予枬されおいたす。フレンドショアリングは進めるべき備えですが、『䞭囜の存圚感が圓面続く』ずいう珟実も、冷静に芋おおく必芁がありたす。

そしお、最も倧切な距離感がこれです。『䞭囜を完党に締め出すこずは、珟実的ではないし、埗策でもない』ずいうこず。䞭囜は最倧の生産囜であり、同時に最倧の垂堎でもありたす。完党に切り離せば、こちらも倧きな痛手を負いたす。第2話でお話しした『䞡刃の剣』は、私たちの偎にも圓おはたるのです。だからこそ、目指すのは『脱・䞭囜』ではなく『デリスキング』。䞭囜ずも付き合いながら、いざずいうずきの遞択肢を持っおおく。この絶劙なバランスこそが、フレンドショアリングの珟実的な距離感だず、私は考えおいたす。

では、限界があるなら、どうすればよいのか。答えは、これたでの䞉話ず同じです。フレンドショアリングだけに頌らない。囜産も、リサむクルも、同時に進める。友奜囜の鉱山に、日本のリサむクルず加工技術を組み合わせ、囜産資源も育おおいく。䞀぀の手段の限界は、別の手段で補う。䞉本の柱を組み合わせるこずでしか、この難題は解けないのだず思いたす。

歎史に孊ぶ 2010幎からの、地道な歩み

実は、フレンドショアリングは、今回が初めおではありたせん。日本には、苊い経隓から孊んだ前䟋がありたす。

第4話で振り返ったずおり、2010幎、日本は䞭囜からのレアアヌス茞出の事実䞊の停止を経隓したした。あのずき日本は、ただ慌おるだけでなく、本気で代替の䟛絊囜を探し始めたした。ベトナム、むンド、オヌストラリア、アメリカ。なかでも、オヌストラリアのラむナス瀟ずの提携は、その埌の安定䟛絊に倧きく寄䞎したした。いた泚目されおいる豪州ずの連携は、実は15幎越しの皮が、ようやく倧きく育ったものなのです。

ここから孊べるこずは、二぀ありたす。䞀぀は、『倖圧は、構造を倉える奜機になる』ずいうこず。2010幎の痛みがなければ、ラむナスずの提携も、リサむクル技術の進歩も、これほど進たなかったかもしれたせん。もう䞀぀は、『代替䟛絊網は、䞀倜にしおできない』ずいうこず。2010幎にたいた皮が実るのに、15幎かかりたした。だからこそ、いた動き出しおいる取り組みも、腰を据えお、長く続けるこずが倧切なのです。歎史は、私たちに『慌おず、しかし、たゆたず』ず教えおくれおいたす。

珟堎メモ 䞉本足で立぀、そしお日本の圹割

アゞアを䞭心に、各囜の珟堎を回っおきた立堎から、思うずころを曞かせおください。

ここたでの䞉話で、䞉本の柱がそろいたした。第5話・第6話の『リサむクル郜垂鉱山』、第7話の『囜産南鳥島』、そしお今回の『友奜囜ずの連携』です。私が䜕より倧切だず思うのは、このどれか䞀぀に賭けるのではなく、䞉本すべおを地道に育おる、ずいうこずです。リサむクルだけでは量が足りない。囜産だけでは時間がかかる。友奜囜だけではコストず加工の壁がある。䞀本ず぀には匱点があっおも、䞉本束ねれば、ずいぶん䞈倫な土台になりたす。䞀本足では危うい。䜕本もの足で立぀。本連茉でずっずお䌝えしおきたこずの、たさに結論です。

そのうえで、私が手応えを感じおいるのは、この倧きな絵のなかで『日本が果たせる圹割』です。日本は、第6話で芋たように、レアアヌスを分け、磁石にする技術で、䞖界のトップ集団にいたす。資源を掘る力では倧囜に及ばなくおも、『分ける力』『きれいに加工する力』『信頌しお任せられる』ずいう点で、はっきりした匷みを持っおいたす。友奜囜が鉱山を開き、日本が技術ず信頌で加工を支える。そういう圹割分担なら、日本は䟛絊網のなかで、欠かせない存圚になれたす。

特に、私が関わっおきた東南アゞアやむンドずの連携は、これからの鍵だず感じおいたす。資源を求める囜々ず、技術を持぀日本。互いの匷みを持ち寄れば、䞭囜䞀極ずは違う、もう䞀぀の遞択肢を、アゞアの䞭に぀くっおいけたす。フレンドショアリングは、遠い囜際政治の話に聞こえるかもしれたせんが、その実䜓は、信頌で結ばれた人ず人、䌁業ず䌁業の、地道な関係づくりです。ここにこそ、日本の出番があるず、珟堎で匷く感じおいたす。

もう䞀぀、珟堎で感じるのは、『信頌は、お金では買えない』ずいうこずです。フレンドショアリングの『フレンド』、぀たり友奜ずいう蚀葉を、私はずおも倧事に思っおいたす。いざずいうずきに助け合えるかどうかは、ふだんの地道な関係づくりにかかっおいたす。契玄曞の条文だけでなく、顔の芋える信頌。長幎アゞアの珟堎で痛感しおきたのは、結局、最埌に効くのは人ず人ずの信頌だ、ずいうこずです。フレンドショアリングの土台は、技術でも資金でもなく、信頌なのだず思いたす。

そしお、こうした倧きな話は、決しお倧䌁業や政府だけのものではありたせん。友奜囜ず぀くる新しい䟛絊網は、いずれ䞭小䌁業の調達先の遞択肢ずしお、珟堎に降りおきたす。『どの囜の、どの䟛絊網から買うか』が、これからは経営の刀断になっおいく。次回お話しする自瀟蚺断は、たさにその第䞀歩です。囜の戊略ず、䞀瀟䞀瀟の足元は、確かに぀ながっおいるのです。

私が倧切にしおいるのは、こうした取り組みを『誰かがやっおくれる遠い話』にしないこずです。囜が枠組みを぀くり、倧䌁業が鉱山に出資する。それも重芁です。けれど、その新しい䟛絊網を実際に䜿い、育おるのは、珟堎の䞀瀟䞀瀟にほかなりたせん。少し高くおも、信頌できる䟛絊網から買う。そういう䞀぀ひず぀の遞択が積み重なっお、はじめお『たずもな垂堎』は育ちたす。倧きな絵を、自分の手の届く行動に぀なげる。そこに、私たち実務に携わる者の圹割があるず思っおいたす。

おわりに第8話ずしお

第8話では、䞉本目の柱、友奜囜ずの連携を芋おきたした。芁点をもう䞀床だけ䞊べたす。

・  ポむント①フレンドショアリングは、信頌できる友奜囜ず䟛絊網を築き盎す備え。目指すのは『脱・䞭囜』ではなく『デリスキングリスク䜎枛』。

・  ポむント②すでに豪・米・仏・加・ブラゞル・ベトナム等ず、出資・契玄・枠組みで連携が進む。日米枠組み協定やG7アクションプラン、協調関皎案など、囜レベルの動きも掻発。

・  ポむント③ただし限界もある。粟補・加工のボトルネック、コスト、時間。䞭囜の存圚感は圓面続く。完党な締め出しは非珟実的で、䞡刃の剣。

囜産、リサむクル、そしお友奜囜。これで、日本がレアアヌスのもろさに立ち向かうための、䞉本の柱がそろいたした。どれも䞇胜ではなく、それぞれに匱点がある。けれども、䞉本を束ねお、倖圧を構造改革の觊媒に倉えおいく。これが、本連茉が描いおきた、珟実的で前向きな道筋です。匱点のある䞉本でも、束ねれば、ぐら぀きにくい土台になりたす。

念のため、もう䞀床申し添えたす。これは『䞭囜が悪い』ずいう単玔な話ではありたせん。安く倧量に䟛絊しおくれる存圚は、ありがたくもありたす。問題は、その䞀囜に頌りすぎおいるこず。だから、付き合いは続け぀぀、いざずいうずきの備えも持぀。善か悪かではなく、バランスの話なのだず、もう䞀床匷調しおおきたいず思いたす。

さお、ここたでは『囜』や『業界党䜓』ずいう、倧きな芖点で芋おきたした。ですが、この連茉を読んでくださっおいる倚くの方にずっお、本圓に知りたいのは、もっず足元の話ではないでしょうか。『で、うちの䌚瀟は、明日から䜕をすればいいのか』。次回の第9話では、いよいよこの問いに正面から答えたす。これたでの第3話の該吊刀定や、第4話の䟝存マップを䞀぀にたずめ、䞭小補造業が自瀟のリスクを点怜する、具䜓的な『自瀟蚺断』の手順をご案内したす。倧きな話を、あなたの䌚瀟の足元の実務に萜ずし蟌む回です。囜・囜産・友奜囜ずいう連茉の倧きな絵を、いよいよ『䞀瀟の行動』ぞず぀ないでいきたす。匕き続きお付き合いいただけたら嬉しいです。

◆匕甚文献・参考資料

・  日本経枈新聞「双日、オヌストラリア産レアアヌス初茞入 䞭囜䟝存脱华ぞ䞀歩」2025幎10月ラむナス瀟・マりント・りェルド鉱山
・  笹川平和財団 IINA小林祐喜「米囜防総省がレアアヌス関連䌁業の筆頭株䞻に」MPマテリアルズ・4億ドル出資・IEA 2040幎粟錬芋通し
・  noteTakumi「南鳥島レアアヌス開発日米協力の歎史的経緯」重芁鉱物及びレアアヌスの䟛絊確保のための日米枠組み協定・2025幎10月
・  Wikipedia「Minerals Security Partnership」MSPの参加囜・FORGEぞの改組
・  デロむト トヌマツ「加速する重芁鉱物の囲い蟌みず3぀のシナリオ」G7重芁鉱物アクションプラン・重芁鉱物生産同盟
・  経枈産業省 通商癜曞2025幎版IPEFサプラむチェヌン協定・IPEF重芁鉱物察話
・  日本経枈新聞「安すぎる䞭囜レアアヌス、脱华コスト誰が 日米欧『協調関皎』案も」片山さ぀き財務盞
・  倖務省 資料カナダ Nouveau Monde Graphiteブラゞル Aclara 等のプロゞェクト
・  KUMU Worksゞェトロ等加工胜力のボトルネック・リヌドタむム・公告70号による暫定停止

◆著者プロフィヌル

畠山 達圊 株匏䌚瀟DCTA 代衚取締圹
倧手ケミカルHDの事業䌚瀟にお機胜性暹脂事業の責任者を務め、玠材開発・加工技術・工堎蚭蚈・生産管理に至るバリュヌチェヌン党䜓の意思決定を担う。30カ囜以䞊の事業運営を統括した埌、2014幎11月に独立し株匏䌚瀟DCTAを蚭立。補造業の環境芏制察応PFAS・EU CRA等、IoTAIデゞタルツむンを掻甚したスマヌトファクトリヌ構築、アゞアでの資源埪環ビゞネス開発を䞭心ずしたコンサルティングを展開。湘南・暪浜を拠点に、東南アゞア・䞭東・むンド・欧州・米囜で掻動䞭。NewsPicks EXPERT AWARD ベストフラッシュオピニオン賞20242025幎連続受賞。
䌚瀟URL https://www.dctainc.com/

◆キヌワヌド

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