バガン滞在:初めて見た、ひとり旅の日本人女性
バックパッカー初心者マークのわたしは、
ミャンマーは一人旅で来るところじゃない
と、この時すでに思っていました。
ひとりでは、
バガンにもたどり着けないし、
馬車に乗らなっただろうし、
バイクの運転も怪しかったし、
できないことだらけだと思いました。
そしてできないのは、
わたしだけじゃない
日本人女性みんな。
できる人なんてきっといないと。
そこには、なんの疑いもなかったと思います。
なんて思っていたそばから見つけた、
紫外線を完全防御した女性。
大きなサングラス、
黒いアームカバー、
農家のおあばちゃんがかぶるような
首まで覆う帽子。
そしてロングスカートをたなびかせて、
原付をひとりで運転。
いや、もう、衝撃以外の言葉はありません。
顔は見えませんが、
明らかに日本人女性。
だって防御のそれが、日本式。
ニケツするわたしたちの向こうの道を
ひとり颯爽と走っていました。
嘘だろう。
わたしたちと同じスタイルの旅をしているだと。
わたしなんて、
兄がいなけりゃ
ここまでたどり着けたかも
怪しいのに。
ほんの数秒でわたしに衝撃を与えた女性は、
その後も何度もすれ違うことになりました。
涼みに入った博物館
夕焼けのパゴダ
地球の歩き方に載っていたレストラン
すれ違う度に、
本当にひとりなんだろうかと
様子を伺っていました。
そして、彼女はひとりだったし
やっぱり日本人でした。
なんてカッコイイ!
こんなところに一人できているなんて!
たぶん彼女は、
わたしにめっちゃチラ見されていたことに
気付いていたと思います。
あの時のわたしは、
話しかけることを思いつきませんでした。
どうしてバガンに来たのか、
いままでどんなところに行ったのか、
色んなことを聞けるチャンスだったのに。
ほんとーに、もったいないことをしました。
目を合わせることも、
言葉も交わすこともなかった女性ですが、
強烈にわたしの思い出に残りました。
女性だってどこにだって行ける
を体現していたから。
女性だから行けない、
なんてことはないんだと
固定概念が一気に剥がされた出会いでした。
そうしてわたしは、
旅をやめる理由をひとつ
壊されたのです。
