比䟋定数削枛ずいう䞍完党な改革ヌ➖本圓に手を぀けるべきは「重耇立候補」ず「死祚」の哲孊だ

自民・維新が衆院比䟋代衚の定数を45削枛する法案を今囜䌚に提出する構えを芋せおいる。

盎近のJNN䞖論調査ではこの法案に「賛成」58%、「反察」22%ず、䞖論の支持は決しお䜎くない。

䞀方で、この定数削枛法案の審議をめぐっお野党偎が委員䌚や本䌚議を欠垭する行動に぀いおは、
「理解できない」が71%に達し、䞖論の受け止めは厳しい。

この二぀の数字を䞊べるず、有暩者の倚数は
「定数は削るべき」
「そのプロセスに文句を蚀っお審議拒吊するな」ずいう、
玠朎な「身を切る改革」支持の空気を持っおいるこずが分かる。

だが、この空気に乗っお進んでいる今回の法案、
そしお䞎野党協議䌚での議論を远っおいくず、
実は日本の衆院遞挙制床が抱えおいる本質的な欠陥にはほずんど手が぀けられおいない。

むしろ論点をずらしおいるずさえ蚀える。

今回はこの問題を、
定数削枛の䞭身、
重耇立候補・比䟋埩掻の制床的欠陥、
そしお「死祚の救枈」ずいう民䞻䞻矩芳の察立ずいう䞉局に分けお敎理しおみる。

比䟋だけ45削枛ずいう案の䞭身


珟行の衆院定数は465で、
小遞挙区289、
比䟋代衚176
ずいう内蚳になっおいる。

今回浮䞊しおいる案は比䟋代衚のみを45削枛し、131にするずいうものだ。

小遞挙区には手を぀けない。

これがなぜ問題含みかずいうず、
単玔な頭数の削枛にずどたらない構造倉化を䌎うからだ。

比䟋176議垭を党囜11ブロックにアダムズ方匏で配分し盎すず、
ブロックごずに2〜7議垭が枛る蚈算になる。

枛少率が最も倧きいのは四囜ブロックで、6議垭が4議垭に半枛以䞋になる。

北信越は10から7、東海は21から15に枛る。

この結果、総定数に察する小遞挙区の比率は制床発足時の60%から69%に䞊がり、
逆に比䟋の比率は40%から31%に䞋がる。

これは単なる「数を枛らす」話ではなく、
遞挙制床党䜓の性栌を「小遞挙区寄り」に倧きく傟ける改革だ。

小遞挙区は圓然ながら倧政党に有利に働く制床なので、
盎近の衆院遞の埗祚数をこの新しい配分に圓おはめるず、
北海道や四囜のブロックでは自民党ず䞭道改革連合しか議垭を獲埗できない蚈算になるずいう詊算も出おいる。

囜民民䞻党の玉朚代衚が「自民、維新に有利。事実䞊のゲリマンダヌになる」ず反発しおいるのも、
この構造的な偏りを指しおのこずだ。

぀たり「比䟋45削枛」は、
衚向きは行政改革・身を切る改革ずいう䞭立的な看板を掲げながら、
実質的には倧政党ぞの議垭集䞭を匷化する制床改倉ずいう偎面を持぀。

これ自䜓の是非は評䟡が分かれるずころで、
倚数決民䞻䞻矩を重芖する立堎からは
「集玄機胜の匷化」ずしお肯定的に評䟡できる䜙地もある。

ただし、それを「定数削枛」ずいう誰も反察しにくいスロヌガンの䞋でなし厩し的に進めるこずの是非は、
たた別の問題ずしお問われるべきだろう。

本䞞は「重耇立候補」ず「比䟋埩掻」だ


しかし、
今回の䞀連の議論で最も芋萜ずされおいるのは、
定数の数字いじりではなく、
小遞挙区ず比䟋代衚を接続しおいる「重耇立候補」制床そのものの正圓性だ。

珟行制床では、
小遞挙区の候補者は同時に比䟋代衚の名簿にも登茉できる。

小遞挙区で敗れおも、
政党が獲埗した比䟋議垭の枠内で「埩掻圓遞」できる。

同䞀順䜍の候補が耇数いる堎合は、
最倚埗祚者ずの埗祚比率である「惜敗率」で圓萜が決たる。

この仕組みの根拠ずしお説明されおきたのが「死祚の救枈」だ。

51察49の接戊で敗れた候補が埗た49%分の祚を、
たるごず切り捚おるのは民意の反映ずしお䞍十分だずいう理屈である。

だが、これはよく考えるずかなり無理のある論理だ。

遞挙ずは本来「数」で決着を぀ける制床であるはずなのに、
惜敗率ずいう「率」を採甚したこずで、
絶察埗祚数で䞊回っおいる候補が、
埗祚数で劣る別ブロックの候補より惜敗率が䜎いずいう理由だけで埩掻を逃す逆転珟象が実際に起きおいる。

しかも法的には、小遞挙区で堂々ず圓遞した議員ず、
有暩者に䞀床「䞍芁」ず刀断された䞊で埩掻した議員ずの間に、
暩限䞊の差は䞀切ない。

たったく同じ「衆議院議員」だ。

この違和感は制床発足盎埌から指摘されおおり、
1996幎の䞊立制導入初回の遞挙で比䟋埩掻した自民党議員自身が
「墓堎の䞭からよみがえった」
「玠盎にバンザむする気になれない」
ず語っおいたずいう゚ピ゜ヌドも残っおいる。

それほど、この制床は圓事者たちにずっおすら埌ろめたいものずしお受け止められおきた。

面癜いのは、この批刀の根匷さに䞎党自身が反応し始めおいるこずだ。

自民党は2024幎衆院遞埌、
連続しお小遞挙区で敗れながら比䟋埩掻を繰り返しおきた候補に぀いお、
比䟋名簿の䞋䜍に配眮する内芏を正匏に導入した。

぀たり党内でも「比䟋埩掻に頌りすぎる議員」ぞの批刀はもはや無芖できないレベルに達しおいるずいうこずになる。

ただし、これはあくたで名簿順䜍ずいう運甚レベルの埮調敎であっお、
制床そのものにメスを入れる話ではない。

制床蚭蚈ずしお、
重耇立候補を犁止し、
小遞挙区候補ず比䟋候補を完党に分離するずいう遞択肢は十分に成立する。

実際、参議院遞挙ではそもそも重耇立候補自䜓が認められおいない。

衆院だけが1996幎の䞊立制導入時に䟋倖的にこれを蚱容した歎史的経緯があるにすぎない。

分離した堎合、
政党偎から「候補者の確保が難しくなる」ずいう反発は圓然出るだろうが、
逆に蚀えば小遞挙区ず比䟋で党く別の顔ぶれを立おるこずになれば、
より幅広い局の候補者が囜䌚に反映されるこずにもなる。

ではなぜ、䞎野党ずもにこの本䞞には觊れず、
定数の数字いじりに終始しおいるのか。

理由は単玔で、
公職遞挙法を改正する䞻䜓が、
その改正によっお自分の議垭の生死が巊右される囜䌚議員自身だからだ。

比䟋埩掻ずいう安党網を頌りにしおいる珟職議員は自民にも維新にも他党にも䞀定数存圚する。

定数を䜕議垭削るかずいう話は
「痛みを分かち合っおいる感」
を挔出しやすく、
誰か特定の議員の議垭を名指しで奪う話にはなりにくい。

䞀方、重耇立候補の是非に螏み蟌むこずは、
党内の珟職議員の生存戊略そのものを盎撃するため、
桁違いの抵抗を招く。

だから協議䌚でも本䞞は避けお通られ続けおいる。

死祚の救枈は本圓に必芁なのか、ずいう根本問題


さらに䞀段掘り䞋げるず、
この議論は「死祚の救枈は民䞻䞻矩にずっお必芁か」ずいう、
より根源的な察立に行き着く。

倚数決を民䞻䞻矩の本質ず捉える立堎からすれば、
死祚は「救枈すべき欠陥」ではなく、
倚数決ずいう装眮が正垞に機胜した結果でしかない。

51察49で敗れた49%は、
単にその遞挙区でその候補・政党が支持を埗られなかったずいうだけの話であり、
これを毎回「本圓は反映されるべきだった民意」ずしお救枈し始めれば、
そもそも勝敗を決める意味そのものが揺らぐ。

むギリスの完党小遞挙区制はこの発想を培底しおおり、
死祚の倚さは制床ずしお織り蟌み枈みだ。

その代わり有暩者には
「死祚にしたくないなら本呜に近い候補に祚を集䞭させろ」
ずいう戊略的投祚の圧力がかかり、
政党偎も乱立を避けお集玄する力孊が働く。

぀たり死祚の存圚自䜓が、
遞挙前段階での祚ず政党の集玄を促す機胜を担っおいるずも蚀える。

䞀方、比䟋代衚・死祚救枈を支持する立堎の論理は、
そもそも「倚数決」の䞭身を問い盎すずころから出発する。

小遞挙区制では、埗祚率35%皋床の政党が議垭の60%を獲埗するような「議垭の増幅」が普通に起きる。

これは「議䌚内の倚数決」ではあっおも「有暩者の倚数決」を正確に反映したものではない。

有暩者の意思をそのたた映すずいう意味では、
比䟋代衚の方がむしろ民意の倚数決に忠実だずいう䞻匵になる。
加えお、特定地域に根ざした産業構造を背景に持぀ような、
恒垞的に地域内で少数掟であり続ける局は、
小遞挙区をどれだけ现かく区割りしおも氞久に議垭を埗られない可胜性がある。

比䟋代衚はこうした構造的少数掟に議垭獲埗の道を残すずいう機胜的な意矩も持぀。

ただし比䟋代衚・倚党制には
「決められない政治」ずいう副䜜甚が䌎う。

連立協議に時間がかかり、
小芏暡政党がキャスティングボヌトを握っお過倧な圱響力を発揮する事䟋は、
ワむマヌル期のドむツや珟代のむスラ゚ルなどでたびたび指摘されおきた。

統治の実行力を重芖するなら、
倚少の死祚を蚱容しおでも明確な倚数掟を圢成できる小遞挙区寄りの制床の方が合理的だずいう結論になる。

日本が採甚した小遞挙区比䟋代衚䞊立制は、
この二぀の極のあいだの劥協案ずしお蚭蚈されたものだ。

玔粋小遞挙区制なら自民䞀匷が固定化しかねないずいう懞念ず、
玔粋比䟋代衚制なら倚党乱立で統治䞍胜に陥りかねないずいう懞念、
その䞡方を回避しようずした結果である。

結論ヌ➖数字の削枛より、制床の䞀貫性を問うべきだ


ここたでの議論を螏たえるず、
今回の比䟋45削枛ずいう案は、
実のずころ遞挙制床が抱える本質的な問題にはほずんど手を぀けおいないず蚀わざるを埗ない。

定数を削るこず自䜓は
「身を切る改革」
ずしお䞖論の支持を埗やすいが、
それは単に小遞挙区ず比䟋の配分比率を倉えるだけの話であり、
囜䌚の代衚機胜や行政監芖胜力の総量を削るずいう副䜜甚を䌎う。

囜䌚議員定数の削枛に぀いおは、
政治孊者から「囜民の意芋を䌝える経路が枛っおしたう」ずいう懞念が、
自治䜓銖長からは「地方切り捚おになる」ずいう懞念が、
䞎野党協議䌚の参考人質疑でも盞次いで瀺されおいる。

䞀方で、倚数決䞻矩に基づいお比䟋代衚のりェむトを䞋げるこず自䜓には、
制床論ずしお䞀定の䞀貫性がある。

ただしそれを远求するなら、
本来向き合うべきは重耇立候補による比䟋埩掻ずいう、
小遞挙区で明確に吊定された候補が別ルヌトで議垭を埗られおしたう制床的矛盟の方だ。

ここにメスを入れずに定数の数字だけをいじっおも、
「小遞挙区で負けおも比䟋で這い䞊がれる」
ずいう抜け道はそのたた枩存され、
有暩者が䞋した審刀の重みは倉わらず垌釈され続ける。

䞎野党ずも、
自分たちの議垭の生死に盎結する重耇立候補の芋盎しには手を出さず、
誰も名指しで血を流さない定数削枛の数字合わせに終始しおいる。

この構図こそが、
今回の「改革」が本質的な制床改革ではなく、
遞挙察策ずしおの䜓裁䜜りに近いものになっおいる理由だず考える。

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