星の海へ ~大雪に架かる天の川~
頂上直下の斜面から振り返る。
そこには、巨大な星の川が横たわっていました。
星の海にそのまま没入していくような。
そんな感覚に包まれます。
頂へ
夜の21時を過ぎた頃、テントのジッパーを開けて覗いた空に星が明滅していました。
準備済みの荷物を背負って、旭岳の頂上を目指して歩き始めます。
肌を撫でる風は冷涼そのもの。
心地よく身体を包み込んでいきます。
雪渓を超え、砂と細かい石が混じった急斜面にたどり着きました。
山の時間
北海道の山には、本州のそれとは異なる時間が流れているように感じる時があります。
夜空に広がる圧倒的な密度の天の川がそう思わせているのかもしれません。
今回は、大雪山の最高峰、旭岳で出会った「横たわる天の川」です。
横たわる天の川
ヘッドライトが照らす足元には、雪渓が続きます。
暗闇の中でも、日中歩いたトレイルがしっかり残っているため不安はありません。
雪渓を登りきったところは、登山道につながります。
一息つきながら、小さな明かりを灯してきたテントを確認します。
そして、体を戻そうとした瞬間、言葉を失いました。
すさまじい密度の星たちが、濃紺のキャンバスを埋め尽くしていたのです。
大雪山の広大な空の端から端まで。
天の川が横たわっていました。
地平線に近い部分を街の薄明かりがほのかに照らしています。
白雲岳のすぐ上には、より輝く恒星。
三脚を立てる場所を探すと、少し登ったところに大きな岩がありました。
昼間は、滑り落ちないように慎重に下った斜面。
登りは、その怖さはありませんが、しっかりと足元を確認して登ります。
ザク、ザク、と自分の足が砂礫を踏みしめる音が闇に吸い込まれていきます。
岩に寄りかかるように三脚を立てます。
ファインダー越しに夜空の奥深くにある光を捉えたとき、胸がじわっと熱くなるのを感じました。

夜空へ
星空は、一瞬として同じ姿を見せてくれません。
カメラという道具は、その一期一会の奇跡を、自分の手で永遠に留めることができる魔法のツールです。
もし手元にカメラがあるなら、あるいは購入を迷っているなら、ぜひ一歩を踏み出してみてください。
山でなくてもいいのです。
遮るもののない大空は、いつでもあなたを待っています。
次はあなたが、この静寂と感動をシャッターに収める番です。
