看取りの後に、心を整える時間をつくっている
看取りは、訪問看護の仕事の中でも特別な場面だ。
長く関わってきた利用者さんが旅立つ。その瞬間に立ち会うこともある。ご家族の悲しみのそばにいることもある。
看護師はプロだから、感情をコントロールできるはずだ——そういう空気が、医療の現場にはあることがある。でも私は、それは違うと思っている。
あしすとでは、看取りの後に心を整える時間をつくっている。
看護師も、人間
看取りの後、何もなかったように次の訪問に向かうのは難しい。
「あの方のあの言葉が忘れられない」「もっとこうしてあげられたんじゃないか」「ご家族の顔が頭から離れない」——そういった気持ちが残るのは、当然のことだと思う。
それを「仕事だから」と押し込めて続けていると、どこかで心が限界になる。バーンアウトの原因の一つに、こういった感情の蓄積があることは、多くの研究でも示されている。
振り返りの時間を大切にしている
あしすとでは、看取りの後にチームで振り返りの時間を持つようにしている。
「あの方はどんな最期だったか」「自分はどう感じたか」「ご家族にとってどうだったか」——そういったことを、チームで言葉にする時間だ。
正解を出す場ではない。「よくできた」「こうすればよかった」を評価する場でもない。ただ、言葉にして、共有して、気持ちを整理する時間だ。
「看護師の心」を大切にする文化
この取り組みを続けているのは、看護師の心を大切にしたいからだ。
利用者さんに丁寧に関わるためには、スタッフ自身が心身ともに健康でいる必要がある。感情を押し込め続けた状態では、そばにいてあげることが難しくなる。
スタッフの心をケアすることが、利用者さんへのケアにつながる。そういう考え方が、あしすとの根っこにある。
最後に
看取りに関わることは、つらいこともある。でも同時に、その方の人生の最期に寄り添えたという、深い経験でもある。
その経験を一人で抱えなくていいように、チームで分かち合える環境をつくっていきたいと思っている。
次回は、エンゼルケア手当についてお伝えします。
