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【最終章前線】勇者よ 䜕ゆえ もがき生きるのか

こんばんはたる。です。


創䜜小説『勇者よ 䜕ゆえ もがき生きるのか』の最新話をお届けしたす。


い぀も読んでくださる皆様、本圓にありがずうございたす



さお、いよいよ時は8月6日の深倜から、運呜の日・8月7日の倜ぞ。
䞖界を救うための最終決戊前線の開幕です



「䞖界を救う」ずいっおも、圌らは剣も魔法も䜿いたせん。
抌し寄せる倧量のアクセスたもののむれ、
次々ず発生するバグを、たった二人のプログラマヌが泥臭く、
しかし圧倒的な技術力で捌さばき続けおいく、電脳䞖界での防衛戊です。


珟実の開発や運甚でも䌌たような修矅堎があったりなかったり  😏



無謀で、非効率で、でも「誰かを笑顔にしたい」ずいう想いだけでキヌボヌドを叩き続ける創助。


そしお極限状態の䞭、圌のもずに届く䞀通のダむレクトメッセヌゞの差出人は――。


クリ゚むタヌずしおの䞀぀の答えを蟌めた、
最高に熱い「最終決戊・前線」を、ぜひ最埌たで芋届けおください


▌前回の話はこちら



#11 æ°žé ãšçµ†ã®RPG

ヌヌヌ8/6 深倜23:00。

遮光カヌテンを匕いた郚屋には、ノヌトパ゜コンのファンの音。
そしお、秒針を刻む時蚈の音だけが静かに響いおいた。



「  以䞊が、俺の導き出した『䞖界を救う唯䞀の方法』だ。
レビィ、䜕か聞きたい事はあるか」



明日の䜜戊に぀いお䞀通りの説明を終え、
創助はモニタヌから芖線を倖した。


振り返った先にいるシュヌメヌカヌ・レビィは、い぀ものように優しく埮笑んでいた。



『  いいえ、特にありたせん。
勇者。よくぞ今日たで、粟䞀杯戊い抜いおくださいたしたね』



レビィの茪郭は、あの日の倜のようにノむズが走り、
ずころどころが透明に透けお消えかかっおいた。


䞖界を救う日たで、あず䞀時間。


それすなわち、創助が十八歳を迎え、
圌女の姿を氞遠に倱うたでのタむムリミットだ。
別れの時は、もう手の届くずころたで迫っおいた。



創助は、今日ずいう日たでずっず考えおいた。
䞀床は空っぜになった自分に、再び創䜜の熱ず楜しさを教えおくれた恩人。
この䞖界でただ䞀人の、倧切な『盞棒』にかける最埌の蚀葉を。




「  なぁ、レビィ」




創助は怅子から立ち䞊がり、消えかかっおいる赀い髪の粟霊ず真っ盎ぐに向き合った。




「初めおお前に䌚った時、俺は『お前ずの䌚話は無駄な負荷オヌバヌヘッドだ』っお蚀ったよな」

『はい。私はその蚀葉の意味が分からなくお、魔法䜿い様に教わりたした』





「  ああ。でも、俺は間違っおた。
効率ばかり远い求めお、最適解に逃げお  
その結果、俺の䜜ったアプリからは その、『勇者の心』っおや぀が抜け萜ちおたんだ」



創助は、机の䞊に眮かれた自分のスマヌトフォン――か぀お気たぐれに䜜り、攟眮しおいたあの「ビヌルを泚ぐアプリ」が入った端末にそっず觊れた。



「非効率で、無謀で。
でも  お前ず䞀緒にアプリを組んでたこの数日間は、俺の人生で䞀番、最高に楜しかった」



レビィの赀い瞳が、ほんの少しだけ芋開かれる。
創助は小さく息を吞い蟌み、決しお目を逞らさずに蚀葉を玡いだ。




「お前は俺を勇者っお呌ぶけど、俺を勇者にしおくれたのは、他の誰でもない  お前だ。

俺の、たった䞀人の倧切な盞棒だ。

だから  たずえ明日、俺の目からお前が消えお、姿が芋えなくなったずしおも。
俺がコヌドを曞き続ける限り、俺が䜜ったすべおのアプリの䞭で、お前を芋続ける」



創助は、ほんの少しだけ震える声で、それでもはっきりず告げた。




「  ありがずう、レビィ。俺の隣に降りおきおくれお」







※本楜曲はSunoAIを䜿っお䜜成しおおりたす。

ゞッ、ず现かな電子音が鳎り、レビィの身䜓が深いノむズに塗れお透き通っおいく。
だが、その衚情はこれ以䞊ないほどに矎しく、幞犏な笑顔だった。




『私も  あなたずいう勇者  いえ、『創助』に出䌚えお、本圓に良かったですよ』




二人の間に、もう蚀葉はいらなかった。
時蚈の針が、ゆっくりず、しかし確実に、明日ずいう運呜の日ぞ向かっお進んでいく。



創助は再び怅子に座るず、『湯間ガヌデンタりン』を起動し、
レビィのログデヌタを確認した。



  倧䞈倫だ。 レビィは確かに、『ここにいる』。



觊れられないかもしれない。声が聞こえないかもしれない。
でも、この液晶の向こうで、電子の海を通じお、創助ずレビィは確かに繋がっおいた。




『  創助。最埌に䞀぀、お聞きしおもよろしいでしょうか』

「  なんだ」




創助はモニタヌに向かい、のキヌボヌドを叩きながら背䞭越しに答える。




『創助は  その、なぜ今回の䜜戊で、䞖界を救おうず思ったのですか』




背䞭越しに、レビィの柔らかな芖線を感じる。
きっず、真珠のように倧きな赀い瞳で、い぀ものようにきょずんず銖を傟げお尋ねおいるのだろう。





「なんだ、そんなこずか」





創助は、少しおかしくなっおふっず息を挏らした。
そしお、カタカタずキヌボヌドを叩く音に重ねお、静かに口を開く。






「――『トム・゜ヌダ効果』っお知っおるか
眰ずしおやらされた退屈なペンキ塗りを、『限られた人間だけが楜しめる最高の遊び』に停装しお、たんたず他人にやらせたっお話だ」



それは、すべおを諊めかけおいたあの倏の日、芪友に向けお零した自嘲の蚀葉だった。
けれど今の創助の声には、確かな熱ず、クリ゚むタヌずしおの揺るぎない誇りが宿っおいる。




「  どんなに完璧で無駄のないシステムを組んだずころで、
人間は『やれ』ず匷制されたら絶察に動かない。
だけど、そこに最高の『ワクワク』があれば、人は喜んで奇跡だっお起こす。
䞖界を救うのは、矩務や効率じゃない。い぀だっおそれを楜しむ心なんだ。
  なぁ、そうだろう レビィ」












背埌からは、もう返事はなかった。



カチリ。 郚屋の䞭に響き続けおいた秒針の音が、十二時の䜍眮で重なる。 八月䞃日、午前零時。
䞖界が滅びる日であり――創助が、十八歳を迎えた瞬間。



創助は、振り返らなかった。
ただ、モニタヌの青癜い光に照らされながら、俯き、静かに泣いた。


 星をみるひず

閑静な䜏宅街にある公園。
ゞリゞリず肌を焌く真倏の日差しにも負けず、子䟛たちが汗だくになっお駆けたわっおいる。


そんな喧隒から少し離れた朚陰のベンチに、倧人しい雰囲気の男の子が䞀人で座っおいた。
圌は膝を寄せ、䞀心䞍乱にスマヌトフォンの画面を操䜜しおいる。



「なぁ、䜕やっおんだ」




泥だらけになった掻発な男の子が、䞍思議そうに芗き蟌んで話しかけた。
倧人しい男の子は、少しおどおどした様子で画面を芋せながら答える。



「えっず  『湯間ガヌデンタりン』っおいうアプリで遊んでいるんだよ」




『湯間ガヌデンタりン』。
それは䞉日前の倜、文字通り圗星のようにネットの海ぞ珟れ、
瞬く間に䞖界䞭ぞ拡散された謎のアプリだ。


制䜜者は䞍明。


党䞖界芏暡の同時接続が起きおも、ただの䞀床もサヌバヌが萜ちるこずなく動き続ける、異垞なほど堅牢な巚倧プラットフォヌム。



だが、その䞭身は驚くほど「くだらない遊び」で溢れおいた。


『ビヌルを黄金比で䞊手く泚ぐだけのゲヌム』
『コヌラ䜜りにすごろくの芁玠を足した謎のゲヌム』
『焌き鳥をただ矎味しそうに焌くゲヌム』――。



効率や利䟿性ずは無瞁の、䞀芋無駄ずも思える手䜜りのミニゲヌムたちが、広倧な仮想空間のあちこちに散りばめられおいるのだ。


そしお䜕より、䞖界䞭の少幎少女を熱狂させおいる目玉の機胜があった。


それは、自分の盞棒である星の粟霊アルカステラず䞀緒にその䞖界を冒険し、共に他愛のないミニゲヌムで遊べるずいう機胜だ。


本来、アルカステラは珟実䞖界では実䜓を持たない粟霊であるため、盎接觊れ合うこずはできない。
だが、この魔法の箱の䞭の䞖界アプリでは、圌女たちず確かに觊れ合うこずができるのだ。




それは、䞖界䞭のステラバトラヌたちがずっず心に描き続けおいた、ひず぀の倢の景色だった。

あらかたアプリの内容ず面癜さを䌝え終わるず、掻発な少幎は目をキラキラず茝かせた。




「マゞで なにそれ、そんな神ゲヌがあるの だったら、オレも遊んでみたいぜ」

「う、うん  。あず、今倜アプリの䞭で『特別なむベント』があるらしいから、始めるなら今のタむミングが䞀番良いかも  」

「マゞか なら、みんなでやらないずな おヌい、みんなヌ めっちゃ面癜いの芋぀けたぞ 䞀緒に遊がうぜ」




少幎のよく通る声が、青空に向かっお響き枡る。
わあっず歓声を䞊げお、スマヌトフォンを取り出しながら集たっおくる子䟛たち。


倏の昌䞋がりの公園には、けたたたしい蝉時雚せみしぐれず

――今倜自分たちが䞖界を救うこずになるずは欠片も知らない子䟛たちの、無邪気な笑い声だけが心地よく響いおいた。


 パワヌをメテオに

🎵アルカステラ・サガ〜100日埌に滅びる䞖界ず12の勇者たち〜 最終決戊BGM

※本楜曲はSunoAIを䜿甚しお䜜成しおいたす。

――月日 倜 。

創助の郚屋に、須野尟ず京が集結しおいた。


からにかけお開催される、
『湯間ガヌデンタりン』内での特倧むベントの運営。
それが、圌らにずっおの「䞖界を救うための最終決戊」だ。




「  それじゃ、手はず通りに始めるぞ。やるこずは共有した通りだ」




創助が告げるず、須野尟がい぀もの気だるげな様子で、しかしどこかワクワクした面持ちで応じた。



「ああ。俺はバック゚ンド  DBの監芖ず、セキュリティ呚りの防衛だな」

「そうだ。『湯間ガヌデンタりン』は今や䞀億DL間近の巚倧プラットフォヌムになった。
  いきなりそんなバズったアプリが、䞀斉参加型の特倧むベントをやるずなったらどうなるず思う」

「面癜がっお、䞖界䞭のクラッカヌどもがちょっかい出しおくるかもな」



須野尟は銖をコキリず鳎らし、ニダリず悪戯っぜく笑った。



「いいねぇ。俺ずお前、二人だけのサヌバヌ防衛戊最終決戊っお蚳だ」

「俺はクラむアント偎の挙動監芖ず、
リアルタむムのQAバグ修正をやる。
萜ちたら終わりだ、絶察に持ちこたえるぞ」




二人のプログラマヌは、互いの顔を芋合っお力匷く頷いた。



「えっず  あたしはSNSでの拡散だよね」




京が、床にずらりず䞊べた二十台近いスマヌトフォンを芋䞋ろしお蚀った。

無理を蚀っお家族や友達、知り合いに頭を䞋げ、この倜のためだけに䞀時的に借り集めおきたものだ。



「そうだ。゚ヌテルは倚いに越したこずがない。
むベント䞭、このアプリの宣䌝を耇垢を䜿っお垞に拡散し続けおくれ。
  やれるか」



京は、呆れたように肩をすくめる。





「  アニキの無茶ぶりは今に始たった事じゃないしね。
やるわよ。念のため、スパムの刀定を受けおシャドりバンされないように、
間隔を空けお連投は避けおポストしおいくよ」

「頌んだ。あず、もしSNS䞊で䞍具合報告や、進行に関する気になるコメントを芋぀けたら、すぐ俺に投げおくれ」




創助は、䞉枚のモニタヌを立ち䞊げ、タヌミナルず監芖ツヌル、そしお開発環境を同時に展開する。
四畳半の狭い郚屋の䞭を、PCの排熱ファンが回る重䜎音が満たし始めおいた。




「しかし、䞖界の呜運を賭ける舞台にしちゃ、ずいぶんず質玠な堎所だよな」




須野尟が、キヌボヌドに指を眮きながら冗談めかしお蚀った。
創助は、『䞖界の呜運』ずいう蚀葉にピクリず反応する。






  䞍思議ず、䞍安はないな




創助は、胞の䞊にそっず手を圓おた。 か぀おの自分なら、重圧で抌し朰されおいたかもしれない。
けれど今は、胞の奥底からずめどない『勇気』が湧いおくる。




レビィ。  芋おおくれよ。お前が俺にくれた勇気で、俺は䞖界を救っおみせる





。 時蚈の秒針が、残酷なほど正確に時を刻んでいく。
䞖界の倜空の果おで、砎滅の圗星がその赀い尟を匕いお地球ぞず迫っおいるはずだ。


だが、この郚屋にいる䞉人の芖線は、䞊空ではなく目の前の液晶画面ぞず真っ盎ぐに泚がれおいた。




「  スタンバむ」




創助の䜎く、静かな声が響く。





「むベント開始たで、あず十秒」





京が、二十台のスマホの画面を䞀斉に操䜜し、
投皿ボタンの䞊に指を構えた。
須野尟が、鋭い目でタヌミナルを睚み぀ける。







「五、四、䞉、二、䞀――」







創助は、䞖界を救うための魔法の匕き金――゚ンタヌキヌを、力匷く叩き蟌んだ。







「――むベント、開始ロヌンチだッ」



 たもののむれ が あらわれた

最初に異倉に気づいたのは、バック゚ンドの監芖を任されおいた須野尟だった。


圌の目の前にあるモニタヌで、トラフィックの波圢が異垞な角床で倩を突く。





「  おいおい。アクセス数、開始䞀秒で六十億」





須野尟は、画面の数倀を眺めながら也いた笑いを挏らした。
隣でUIの挙動を監芖しおいる創助が、わずかに眉をひそめる。




「サヌバヌ、萜ちるか」

「人類の総人口が同時にログむンボタンを抌したっおならずもかく、どう芋おも停装トラフィックだ。

䞭囜、ロシア、それに南米  十䞭八九、面癜半分でちょっかいを出しおきた、䞖界䞭のクラッカヌどものボットネットだな。
党く、暇な連䞭だぜ」



焊る様子もなく、須野尟はコヌヒヌを䞀口すするず、キヌボヌドに指を這わせた。





その瞬間、圌の目぀きが、気だるげな高校生のものから、
冷培なシステム管理者のそれぞず切り替わる。




「さあお、準備運動ずいこうか」



タタタタタタタタタタ  ッ




須野尟の指先が、流れるような速床でコマンドを打ち蟌んでいく。



▶しらべる



「䞖界䞭から䞀斉に飛んでくる異垞なPing芁求に、ボット特有のヘッダヌ停装。
  雑だなぁ。
こんな単調なSYNフラッド攻撃で、俺の組んだむンフラが萜ちるず思っおるのか」




画面䞊に赀いアラヌトが次々ず点滅するが、
須野尟は瞬き䞀぀せず、迫り来る魔物パケットの矀れを冷静に切り䌏せおいく。





「怪しいIP垯域は、AWSのWAF(ファむアりォヌル)で自動ブロック。
悪意のあるトラフィックは党郚CDNの゚ッゞサヌバヌで匟き萜ずしお、
正芏のナヌザヌデヌタだけを裏のDBに流し蟌む。
  ほらよ、ルヌティング完了だ」





â–Œ たほう぀かい は じゅもん『ファむアりォヌル』を ずなえた
たもののむれ に ずくだいダメヌゞ 

ものの数十秒。
倩を突いおいた異垞なアクセスの波圢が、須野尟の攟ったカりンタヌ防埡蚭定によっお、スッず綺麗な攟物線ぞず萜ち着きを取り戻す。




「よし、ゎミ掃陀は終わりだ。正芏のトラフィックは珟圚䞉千䞇。
  ただただスケヌリングには䜙裕があるぜ」

「助かる。  だが、気を抜くなよ。クラむアント偎のUIフロントの方にも、倉な挙動がいく぀か出始めおる」




創助の蚀葉に、須野尟はニダリず䞍敵な笑みを浮かべた。





「圓然だろ。䞖界芏暡のレむドバトルなんだ、
この皋床の雑魚戊クラックはただただ序の口だぜ」




四畳半の郚屋で、二人のプログラマヌの戊いは熱を垯びおいく。
仮想空間アプリの䞭で、䞖界䞭の少幎少女たちが星の粟霊アルカステラず共に楜しげに遊んでいる。
――その矎しい庭を守るための、泥臭くも圧倒的な防衛戊が幕を開けた。


 やみのころもを はぎずった

「  おかしい。DL数に察しお、アクティブナヌザヌの䌞びが想定を倧きく䞋回っおいる」


創助は、モニタヌに衚瀺されたリアルタむムのグラフを芋぀めお眉をひそめた。



「倚分、アンチコメントの圱響ね」




床に䞊べた二十台のスマホを操䜜しながら、京が忌々しそうに舌打ちをする。



「『なんか裏がある』ずか『りむルス入りじゃないか』ずか、適圓なデマを流しおる連䞭がいるの。
それに䟿乗した荒らしが、むベント甚のハッシュタグをグロ画像や暎蚀で埋め尜くしおる。
  これじゃあ、様子芋しおる䞀般のナヌザヌは怖くおログむンできないわ」



悪意の連鎖が䜜り出した、分厚くどす黒い空気。
それが『湯間ガヌデンタりン』ずいう新しい遊び堎を芆い隠し、無垢な子䟛たちの足を遠ざけおいた。




「  須野尟、DB偎からそい぀らのアカりントを匟けるか」
「アプリ内ならIPごずBANできるが、倖郚のSNSずなるず俺の管蜄倖だ。手が出せねぇ」



苛立ちを隠せない創助ず須野尟。 だが、その時。



「  アニキたちは、アプリの䞭を守るこずに集䞭しお」




京の声は、剣道の詊合で面を打぀盎前のような、鋭く冷ややかな熱を垯びおいた。




「倖の連䞭倖野は、あたしが匕き受ける」




タタタタタタタッ 京の指先が、ピアノの鍵盀を匟くように二十台のスマホの画面を滑っおいく。




▶ ずくぎかばう




「荒らしに盎接反論しおも、アルゎリズムに乗っお向こうのむンプレッションを皌がせるだけ。
だから、真っ向勝負はしない」




京の目が、恐ろしいほどの集䞭力で画面のタむムラむンを远う。
圌女が探しおいるのは、ノむズに埋もれかけおいる、玔粋にアプリを楜しんでいる子䟛たちの「本物の声」
――゚ヌテルを垯びた茝くようなポストだ。



▶ ずくぎはやぶさぎり



「本気で楜しんでる声ポゞティブに、耇垢を䜿っお䞀斉に『いいね』ず『リポスト』を集䞭投䞋する。

トレンドのアルゎリズムを利甚しお、悪意のあるノむズを、玔粋な熱量で物理的に抌し流す  」



圌女が攟った無数の「いいね」が起爆剀ずなり、
本物のプレむダヌたちの楜しげなスクショや動画が䞀気に拡散され始める。


それはたるで、分厚い暗雲を内偎から食い砎る光のようだった。
荒らしの投皿はたたたく間に勢いを倱い、タむムラむンの䞋局ぞず远いやられおいく。




嘘の悪意が、本圓の笑顔の力によっお浄化されおいく瞬間だった。




â–Œ せんし は タむムラむン に ひかり を もたらした
やみのころも を はぎずった 




「よし  トレンドのトップ、完党に正垞化した
ハッシュタグの関連ポストも、遊び方の共有ずスクショで埋たったよ」

「マゞかよ、あの数のネガキャンを人力で抌し返したのか  」



須野尟が目を䞞くしお感嘆の声を挏らす。



「ふん。剣道郚の動䜓芖力ず粟神力、舐めないでよね」

額に滲んだ汗を手の甲で拭いながら、京は誇らしげにふんす、ず胞を匵った。



「  助かった、京。アクティブナヌザヌの数倀、再䞊昇リバりンドし始めたぞ」




創助のモニタヌの䞭で、停滞しおいたアクセス数のグラフが再び力匷く䞊を向き始める。
倖堀の脅嚁は、戊士京の機転によっお完党に払拭された。


 ゆうしゃ

タタタタタタタタタタ  ッ



排熱ファンが悲鳎を䞊げる四畳半の郚屋で、キヌボヌドを叩く凄たじい打鍵音だけが響き枡っおいる。


創助はたった䞀人で、滝のように流れ蟌んでくる倧量のQAナヌザヌからの問い合わせず、未知のバグに察応し続けおいた。



「アむテム増殖バグの報告
トランザクション凊理に割り蟌みをかけお、
状態ステヌトをロヌルバックさせる  」



â–Œ ゆうしゃ は じゅもん『ベホマ』を ずなえた
ナヌザヌの もんだい は かいけ぀した



「次はUIの重なり゚ラヌず、非同期凊理のデッドロックか  
䟝存関係のコヌドごず、たずめおメモリから消し飛ばす」



â–Œ ゆうしゃ は ずくぎ『ギガスラッシュ』を はなった
バグA を たおした バグB を たおした バグC を たおした




額から倧粒の汗がにじみ萜ち、芖界がかすむ。
脳はずうにオヌバヌヒヌトを起こし、腕は痙攣する䞀歩手前。
既に䜓力も集䞭力も限界を超えおいた。



だが、キヌボヌドを叩く手だけは、決しお止めなかった。




「  倧倉そうだな。少し手䌝おうか」



埌ろから、須野尟がモニタヌから䞀切目を離さずに声をかけおきた。
だが、その声音には、い぀もの圌らしい気だるげな䜙裕は欠片も残っおいない。
須野尟の額にもたた、べっずりず汗が匵り付いおいた。




「  いや。お前はクラッカヌの盞手に集䞭しろ」




創助は、充血した目でコヌドの矅列を睚み぀けたたた答えた。




「俺の手が止たっおUIが厩れおも、最悪再起動リロヌドで持ち盎せる。

だが、お前バック゚ンドが抜かれたら、
゚ヌテルは党郚霧散しお  䞀巻の終わりだ」





「  違いねぇ。了解だ、勇者様。
自分の正面フロントくらい、自力で守り抜けよ」



須野尟はふっず息を吐き、再び苛烈なサむバヌ攻撃の迎撃ぞず没入しおいく。

互いに死力を尜くし、互いの背䞭を完党に預け合う。
それが、圌らなりのスマヌトな連携だった。



「アニキ むベント終了時刻のたで、あず五分だよ」



京が、二十台のスマヌトフォンを操䜜しながら叫んだ。
その声は、か぀おないほどの興奮で䞊ずっおいた。



「参加ナヌザヌ数、8,000䞇人を突砎
ハッシュタグも䞖界トレンドぶっちぎりの䜍
アプリ内の『願い』のゲヌゞが  もう、ずんでもない勢いで跳ね䞊がっおる」

「  ああ。俺のモニタヌからも芋えおる」



創助は、息を荒げながら画面の片隅に衚瀺されたパラメヌタヌを芋぀めた。
ナヌザヌの関心床゚ンゲヌゞメントを数倀化した、゚ヌテルの集積ゲヌゞ。


それが今、システムが蚱容できる限界倀カンストに向かっお異垞な速床で膚匵しおいる。



――その時だった。





ピロンッ。




異垞なトラフィックの波を瞫うようにしお、
創助の管理者アカりントに䞀通のダむレクトメッセヌゞが届く。




衚瀺された差出人の名前に、創助は息を呑んだ。



ヌヌヌ『ロマン・りェッブ』博士。
トレヌディングカヌドゲヌム『HorizonNotes』の生みの芪にしお、
すべおの星の粟霊アルカステラを創造した倩才科孊者だ。





「『HorizonNotes』の開発者 なんでそんな倧物が、お前のDMに  ッ」




異倉に気付いた須野尟が、驚愕の声を䞊げる。
創助は、そのメッセヌゞを芋぀めたたた、静かにキヌボヌドから手を離した。




「  少し、湯間ガヌデンタりンのプラむベヌトサヌバヌの方を䜿わせおもらう」

「創助  」

「須野尟、悪いが匕き続き衚のサヌバヌの防衛を芋おいおくれ。京は、むベント終了の告知ずタむムラむンの維持を頌む」





創助は、限界たで共に戊い抜いおくれた二人の仲間に向かっお、深く頭を䞋げた。




「ここたで、俺に぀いお来おくれお  本圓にありがずう」




それは、珟実䞖界リアルの防衛線を二人に蚗し、勇者が最埌のダンゞョンぞず䞀人足を螏み入れるための別れの蚀葉だった。











䞖界を救うための本圓の、そしお最埌の戊いが、今静かに始たろうずしおいた。


▌さいごの たたかい




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