【U-NEXT】『セブン・サイコパス』(2012)映画感想文・個性豊かなサイコパスたちが楽しい
鑑賞前に映画サイト「映画.com」を覗いて点数だけ見ることが多いのですが、3.0点と芳しくありませんでした。
マーティン・マクドナー監督作品は『スリー・ビルボード』も『イニシェリン島の精霊』も大好きなので、見てみたのですが、私には超面白かったです。
他者の採点はあまり参考になりませんね。

あらすじ
脚本家のマーティは、新作映画「セブン・サイコパス」の脚本執筆が進まずに悩んでいた。親友で売れない役者のビリーは、そんなマーティを見て、ネタ集めになればと「イカれた奴(サイコパス)募集」という広告を勝手に出してしまう。すると、ウサギを抱えた殺人犯や犬を愛するマフィアなど、おかしな連中が次々と現れ、マーティとビリーは彼らが巻き起こすトラブルに巻き込まれてしまう。
2012年製作/110分/R15+/イギリス
原題または英題:Seven Psychopaths
配給:クロックワークス
劇場公開日:2013年11月2日
感想(ネタバレ含む)
マーティン・マクドナー監督作品には、私の見た限りでは「とんでもないところへ連れて行かれる」ことが多いようです。
この作品も、予想外の結末となり、本当に面白く拝見しました。
余韻の残る、救われたのかそうでないのか微妙な、ヌルッとしたエンディングも好きなところです。
まず俳優さんがとてもいいです。
巻き込まれ系の脚本家、コリン・ファレルは表情からしてズルイと思わせる困り顔。唯一とも言えるまともな登場人物ですがアル中。自らの正義と友情の間で揺れ動きます。
みんな大好き!?サム・ロックウェルは妙に茶目っ気があってキュートな7人目のサイコパス。実は1人目も兼任していますが「イタリア系マフィアの中堅以上しか殺らない」というこだわりが笑えます。
クリストファー・ウォーケンは深みと味わいのある、過去を抱えたサイコパス。娘を殺されたことによる復讐心で犯人を夫婦で11年付け回す設定が異常性を醸し出していて素晴らしいです。
「役名もないのに死に様がすごい」「セブン・レズビアンはどうか?」など、ブラックなセリフが随所に散りばめられているのも面白かったりヒヤヒヤしたりで刺激的ですし、脚本のうまさを感じます。
後半になってくると、二人のサイコパスと一人の脚本家(と一匹のシーズー)のロードムービーというか、逃亡劇に発展します。
三人で脚本を練る場面などは、友情なのか逃避(ストレスからの防衛反応)なのか、定かではありませんが、映画内映画も含めて、味わい深い良い場面でした。
理解しがたいサイコパス同士の友情や、慣れるとウンザリな彼らの世界を垣間見た末に、二人の友人を失ったマーティ。
彼もまたアルコール依存で苦しみを抱えており、生き残ったものの、殺害予告の電話を受け入れるようにして終わります。
にじみ出る喪失感や諦念がなんとも渋くていいラストです。
これが面白くなかったら、一体どの映画が面白いのか、というくらい、私は好きでしたが、人によって好みは違うものだなぁとつくづく感じました。
それでは、また次の映画で!
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