puffinというバンドを語る
かれこれ25年は聴き続けているpuffinというバンドがある。いわゆるスウェディッシュポップで、1995年にアルバム「サウンドトラック」で日本デビュー。私が最初にこのアルバムを買ったのは、1998~1999年頃だったと記憶している。
スウェディッシュポップ勢の中では、ヘンテコな曲ばかりの奇天烈バンドだった。
こちらのアルバムは、ローファイ風というか怪しいムーディーさが加わってヘンテコぶりがマシマシ。
私が25年間聴き続けているのは、そんな彼等が日本デビューする前のアルバムである。正確には以下の2枚。
A Dream It Seems(EP)
Carnivore(アルバム)
「Carnivore」の方は何とかSpotifyで聞けるようだが、「A Dream It Seems」は音源がどこにも見当たらない。
どちらもアルバム情報や解説においては皆無。
私は当時XTCにハマっており、puffinのような変化球バンドが何となく気になったので、輸入盤のこれらを買った。YouTubeも無かった時代、割とそんな風に探究心でアンテナを張って中古CDを衝動買いしたものだ。
「Carnivore」の方はヘンテコ感が出始めているが、「A Dream It Seems」はひたすらストレート。
のっけから非常ベルのような不協和音を奏でるギター。次いで疾走感と刹那感のあるAメロ、畳み掛けるようなBメロ、エモいサビ。完璧な流れ。
「A Dream It Seems」の1曲目でハマッた。スウェディッシュポップならではの、独特でありながら妙に心地よいサウンド。美しい旋律をかなでるアコースティックギターに、エッジをきかせて雷鳴のように轟くエレクトリックギター。かと思えばしんみり心に染み渡る叙情的なミディアムナンバーも。
「Carnivore」においては、「A Dream It Seems」の系譜を受け継ぎながら、音楽性の幅を広げている。トロンボーンの使い方がインパクト大。やはりローファイっぽい曲がありながら、必ずと言って良いほどサビで静と動が爽快に転換する。誰のマネでもないような、誰もマネできないような、ゆるさとアグレッシブが同居した絶妙なバランス。
どちらも純度100%のスウェディッシュオルタナティブという感じで、今なお色褪せることなく聞き飽きない。
日本デビュー当時、恐らくセールスは振るわなかっただろう。一時期、国内デビュー作の「サウンドトラック」が中古で大量にたたき売りされていた。
かく言う私も、「サウンドトラック」以降はろくに聞かなくなった。所蔵はしているので、たまにあのヘンテコなロックで気分をヘロヘロにしたい時に引っ張り出す程度。
それに比べ、「Carnivore」「A Dream It Seems」は作業用BGMや通勤用BGMとして長く愛聴している。
なぜ日本でこの2枚をリリースしなかったかは、「サウンドトラック」のセールス不振のせいだろう。あのプリンスだって、1stの「For You」は当初日本未発売、「Purple Rain」がヒットして日の目を見たのだ。
puffinの(少なくとも私にとって)優れた2枚のアルバムは、ものの見事に埋もれた「隠れた名盤」だと思っている。
