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ケーキと、ブリの思い出

食べ物シリーズ3本目。

義母は絵に描いたような、良妻賢母であったようだ。

バリバリ働く義父を支え、

自らはパートで働きながら家庭を支え、

得意の手料理で家族の健康を守る。

パーフェクトヒューマンならぬ、

パーフェクトマミーに見えた。

そんな義母であるが、

息子が生まれたあと、

何かというと手作りのおかずをタッパーに入れて届けてくれたりした。

レパートリーも多く、

「こんな押し付けちゃって悪いわね」

「おばあさんの料理なんて、若い人の口には合わないでしょう」

「急に来てごめんね、予定が狂っちゃったでしょう」

などなど言いながら、届けてくれるのであった。

今でいうワーママをしていた私は、

「いつもすみません!」

「美味しくいただいてます!」

などと言いながらそのおかずを享受していた。

タッパーはいったい何往復しただろうか…。

しかしだんだんと息子も大きくなり、

私も少しずつ子育てや家事や仕事のペースをつかみ、

自分でなんとか食べるものも用意ができるようになってくる。

そうすると、

以前ならありがたくて仕方なかった、

義母の手料理タッパーが、

いつのまにか、重荷になってくるのだった。

人間とは勝手なものである。

忘れた頃に突然届く、

その愛情こもったおかずのタッパー。

それを素直に喜べなくなってしまったのである。

 あ…。今日これ食べたいと思って
 材料買ってあったんだけどな…。

みたいなことが起こるのである。

これは良くない、

そう思っていた矢先、

事件は起こった。

ある日、

帰宅して冷蔵庫を開けると、

そこには白いケーキの箱が入っていた。

 「?!?!?!」

夫君が仕事に行き、私も仕事に行き、

その後帰宅したのは私が先。

その間にこの冷蔵庫を開けてケーキの箱を

入れうる人は…


これはまさか、もしかして…


そこにはメモが、

義母の字で、ついていた。


 デパートに行ったら、

 ブリが美味しそうだったから買ってきたの

 ついでにケーキも入れておくので

 食べてね(注:うろ覚え)


 う・わ〜…!


頭はパニック。

留守中に鍵開けて、入られた?

冷蔵庫、開けられた?

中、見られた?

生のブリの、切り身?

今日の献立、勝手に決定された?

いろいろパニックである。

…えっ、夫君、義母に合鍵、渡してた?

…えっ、普段から、留守中、入られてた?

…ええーっと?



その後、

いや、義母さんも悪い人ではないんだし、

とか、

ブリ、美味しかったし(食べた)、

とか、

ケーキ、好きなお店のだったし、

とか、

いろいろ好意的に考えようとしたけど、

無理だった🤣


やっぱり、留守中に勝手に入られるのが、嫌。

冷蔵庫を勝手に見られるのが、嫌。


職場の人にも、こんなことがあって〜、と

打ち明け話をしてしまった。

全然平気〜、という人もいれば、

うん、それはわかる。嫌だよね。

と言ってくれる人もいた。


とりあえず夫君には、

強く抗議しておいた。


いろいろ受け取っておきながら、

今更で悪いけど、

やっぱりもう、嫌なんでやめてほしいと。


こういうことも乗り越えながら、

ちょうどいい関係性を、
探っていくものなんだろう、きっと。

一方の「普通」が、
一方の思う「普通ではない」

そういうことだったんだろう。

義母さん、ごめんなさい。

おかずを作って届けてあげられるようには、

どうやらなれそうにないです。

そして、ネタにします。

あとは身バレしていないことを、

祈るのみである。






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