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3枚の写真と、10数人の捜索隊


手がかりは、3枚の写真だけでした。

昨日書いた、10年ほど前のキューバへの旅。

夫には、どうしても探したい人がいました。
マーサという、小学校の先生です。

以前、夫がひとりでキューバを旅したとき、道で出会った3人の老人と仲良くなりました。

まだホテルを取っていないと話すと、紹介されたのがマーサの家。

そこで部屋を借り、10日ほど過ごしたそうです。一泊、千円ほどでした。

お世話になったマーサに、もう一度会いたい。
けれど、手がかりは3枚の写真だけ。

私も夫と一緒に、3枚の写真を持ってオールドハバナへ探しに行きました。

何人かに声をかけるところまでは一緒でした。

けれど、夫が声をかけていくのは、現地の男性たちのグループ。それも、私から見るとなかなかの強面ばかりです。

夫は、

「怖そうな人の方が、いろいろ知ってるから」

と言います。

キューバの人たちが暮らすエリアに入っていくうちに、英語もスペイン語もわからない私は、だんだん怖気づいてしまいました。

それに、私が一緒にいるより、夫ひとりの方がマーサ探しもはかどりそうです。

そこで私はホテルへ戻り、夫はそのまま探し続けました。

あとから聞くと、一人、また一人と協力してくれる人が増え、いつしか捜索隊は10数人になっていたそうです。

そして、ようやくマーサが見つかった。

……と思ったら、よく似た別の女性でした。

結局マーサには会えず、捜索はそこで終了。

夫は、一緒に探してくれたみんなにお酒を買い、そのままワイワイ飲んだそうです。

「見つからなかったけど、楽しかったし、みんなで一つになれた」

そう話してくれました。

3枚の写真から、10数人の知らない人たちが一緒になって誰かを探す。

会いたかった人には会えなかったけれど、そこには思いがけない出会いが。

旅のおもしろさは、こんなところにもあるのかもしれません。


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