スローインは学年で見る場所が変わる|10年やって気づいた実務の違い
スローインはシンプルに見えて、
実は、審判としての難しさが詰まっているプレーだと感じています。
自分も審判を始めた頃は、
「ファウルスローって、どこまで厳密に取るべきなんだろう」
と迷い続けていました。
10年ほど現場に立ってきて思うのは、
スローインは
「学年によって見るポイントが変わる」
ということです。
同じ競技規則でも、現場での見方はかなり変わります。
今回は、学年ごとの実務として、
自分が意識しているポイントを書いてみます。
⚽1〜2年生:まずは「できるようにさせる」が優先
1〜2年生の試合では、
まず見るべきポイントはシンプルです。
ファウルスローかどうか。
ただし、ここで大事なのは「取ること」だけではありません。
この年代は、そもそもルールがまだ定着していません。
よくあるのは、
後ろ足がスロー前に浮いてしまう
ボールを前に出すのに合わせて頭が下がり、後頭部を通っていない
頭の真上を通さずに投げてしまう
といったパターンです。
第15条 スローイン
1.進め方
ボールを入れるとき、スローワーは、次のようにボールを投げなければならない。
・競技のフィールドに面して立つ。
・それぞれの足の一部が、タッチライン上またはタッチラインの外のグラウンドについている。
・ボールが競技のフィールドを出た地点から、両手でボールを頭の後方から頭上を通す。
(中略)
スローインが正しく行われなかった場合、相手チームがスローインを再び行う。
自分が審判を始めた頃は、練習試合では理由をしっかり伝えるようにしていました。
「今、後ろ足が上がってたよ」
「ボールは頭の後ろから出そうね」
そう伝えてやり直すと、多くの選手は次はきちんとできるようになります。
そして、できた時に一言。
「いいね、今のはOK」
この一言で、次のプレーがスムーズになることも多いと感じています。
1年生の試合では、市内大会でも一度やり直させるケースは珍しくありませんでした。
この年代は、正しくプレーさせること自体が試合運営の一部だと思っています。
⚽3〜4年生:主審と副審で「分けて見る」
3〜4年生になると、審判体制も変わってきます。
2人審判
主審+副審
大会によって形が分かれます。
2人審判であれば、基本的には低学年と同じ見方になりますが、
副審が入る場合は意識が変わります。
スローインは分担して見る。
自分は主審のとき、試合前に必ずこう伝えていました。
足の動き → 副審
手・頭の動き → 主審
3〜4年生は、試合前の打ち合わせ時間がほとんどないことも多いですが、
その中でも
オフサイド
スローイン
この2つだけは、必ず共有するようにしていました。
この年代から増えてくるのが、
前足がタッチラインを越えてしまうファウルスローです。
「少しでも遠くに投げたい」という意識が出てくる分、
後ろ足だけでなく、前足にも注意が必要になります。
⚽5〜6年生:スローイン「後」までが仕事
高学年になると、スローインの難しさは一段上がります。
ロングスローを狙う選手も増え、
前足がタッチラインを越える
後ろ足が浮く
といったファウルスローは引き続き出てきます。
ただ、それ以上に重要になるのが、
スローイン直後のプレーです。
例えば、
後ろから押す
体をぶつけてボールを奪う
掴む・押さえる
といったプレーが出てきます。
実際に、自分も
スローを受けた選手の背後から押したプレーを取り、
笛を吹いて止めたことがあります。
この年代では、プレースピードも速く、
クイックスタート
ワンタッチでロングボール
といった展開も増えます。
そのため、
「見る対象を切り替える速さ」が重要になります。
自分が主審のときは、
副審 → スローワーを見る
主審 → 受け手と周辺のプレーを見る
という分担にしていました。
そして副審は、スローインが終わったらすぐに
オフサイドラインの監視に戻る。
ここが遅れると、次の判定に影響が出ます。
⚽見落としやすいポイント
スローインで一番起きやすいミスは、
スローワーに集中しすぎることです。
足や手の動きに意識を取られすぎると、
直後のファウル
オフサイド
への対応が遅れます。
特に主審は、
「スローワーだけではなく、その周辺の選手も含めた全体」
を見る意識が大切だと感じています。
⚽最初に押さえておきたいこと
これから審判を始める方にとって、
まず意識しておくといいのはこの2点です。
学年によって見るポイントは変わる
主審と副審の分担を事前に決めておく
特に慣れないうちは、
足 → 副審
手・頭 → 主審
という分担にしておくと、かなり整理されます。
そしてスローイン後は、すぐに次のプレーへ。
この切り替えだけでも、試合の見え方は大きく変わります。
⚽おわりに
スローインは、試合の中では何度も出てくるプレーです。
だからこそ、
取るべきところを取る
見るべき場所を間違えない
この積み重ねが、試合全体の落ち着きにもつながります。
自分も最初は、
「どこを見ればいいのか分からない」状態からのスタートでした。
ただ、学年ごとの特徴と、見るポイントを整理していくことで、
少しずつ判断が安定していった感覚があります。
同じように迷っている方の参考になれば嬉しいです。
このアカウントでは、だいたい週1回、少年サッカー審判の実務や、
実務を通して感じたこと、考えたことを掲載していく予定です。
私と同じように、少年サッカーで審判実務をされている方に加え、
小学生の子どもがサッカーをやっている保護者の皆様にも、
参考にして頂けると嬉しいです。
