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Jリーグでは見えない!少年サッカー審判の試合準備|①コイントスの進め方と失敗から学んだこと

テレビでJリーグや日本代表の試合を見ていると、試合開始前に審判と両チームのキャプテンが集まり、コイントスをする場面があります。

「コイントスしているな」とは分かるものの、実際にどんなやり取りをしながら進めているのか、までは分かりません。

少年サッカーでも、試合前にはコイントスを行います。

ただ、単にコインを投げるだけではありません。
決められたキックオフ時刻が迫る中で、必要なことを正確に伝え、試合をスムーズに始めるための大切な時間でもあります。

テレビの映像だと映っていなかったり、見るだけでは分からないことが多いのですが、
サッカー審判員には、試合開始までに準備が必要な項目が多くあります。

試合開始前の準備について、
少年サッカー審判員として10年で約500試合を担当してきた、
私自身の経験を交えて、今回からシリーズ記事として投稿します。

今回は第1回。
コイントスについて、紹介します。


📝コイントスの基本的な流れ


私が普段行っている流れは、次のようなものです。

【コイントスの進め方】✅は実際の声かけ
① 両チームのキャプテンを呼ぶ
② コインの表と裏が、それぞれどちらのチームを指すかを伝える
✅「●チームは表、■チームは裏、出た方のチームがボールか陣地か選んでください」と言っています

③ コインを投げて、表か裏か結果を伝える
✅出た方の面の色を伝えています

④ トスに勝ったチームに、前半のキックオフか、あるいは、どちらのゴールに攻めるのか、を選ぶのか確認する
⑤ もう一方のチームには、残った選択肢を伝える
⑥ 前半キックオフのチームを審判カードに記録する
⑦ 最後に握手をして、それぞれ試合開始の準備に入る

文章にすると簡単ですが、試合開始直前は意外と慌ただしく進みます。

キャプテンも試合前で気持ちが高ぶっていますし、
主審も「予定どおりの時刻にキックオフしなければ」という意識があります。

だからこそ、落ち着いて端的に、分かりやすく伝えることが大切だと感じています。


📝私が失敗した「ボール」という一言


以前の私は、サッカーボールのデザインが描かれたコインを使っていました。

コイントスでその面が出ると、

「ボールです。」

と伝えていました。

自分の中では、「ボールの面が出ました」という意味だったのですが、試合後に別の審判員から、

「ボールを選ぶように聞こえてしまうかもしれないね。」

と指摘を受けました。

確かに、キャプテンからすると、「ボール」という言葉が「前半のキックオフを選んでください」という意味に聞こえる可能性があります。

それ以来、私はコインの結果を伝えるときは、出た方の面の色を伝えるようにしました。

ほんの少しの言葉の違いですが、誤解を防ぐためには大切な工夫だったと思っています。

・今は、表と裏で違う色のコインを2種類、持参しています。
・両チームのユニフォームの色を見て、同じ色があるコインを使って、片方は同じ色の面、もう片方は反対側の面を指すように、表と裏を決めるようにしています。
・決め方を予め整理しておくだけで、試合開始前の慌ただしさが少し改善されるかと思います。


📝コイントスは「いつやるか」も意外と悩む


もう一つ、初心者の頃によく迷ったのが、コイントスを行うタイミングです。

大会によっては、競技のフィールドへ入る前に実施することもあります。
一方で、Jリーグと同様に、入場後に整列し挨拶と握手をしてからコイントスを行うこともあります。

少年サッカーでは、試合前の挨拶を省略する運営も珍しくありません。

そのため、「いつもの流れ」で進めようとすると、コイントスをするタイミングが変わってしまうことがあります。

実際、私は一度コイントス自体を忘れてしまい、両チームの指導者から声をかけられて初めて気付いたことがありました。

慌ててキャプテンを呼び、試合開始直前に実施した苦い経験です。

それ以来、試合前には本部へ「試合前の挨拶は入れますか?」と確認するようにしています。

ほんの一言確認するだけで、安心して試合に入れるようになりました。

・挨拶を入れるかどうかは、大会要項に書いていないことが多いです。
・当日の試合の進み具合で、時間が押しているときは省略を求められることも少なくありません。
・なので、試合前に審判団が集まるタイミングで必ず確認するようにしています。


📝コイントスが終わっても仕事は終わらない


コイントスが終わったあとも、主審にはやることがあります。

私自身、一度、前半にどちらのチームがキックオフしたのかを忘れてしまい、後半開始前に慌てたことがあります。

そのときは副審と第四の審判員が覚えていてくれたため助かりましたが、それ以来、審判カードに前半キックオフのチームを必ず記録するようになりました。

また、コイントスで使ったコインをポケットへ入れ、そのまま紛失してしまったことも何度かあります。

現在は第四の審判員がいる試合では預けるようにし、自分で管理する物を一つ減らすようにしています。

こうしたことは競技規則には書かれていませんが、現場では意外と大切な実務だと感じています。


📝おわりに


コイントスは数十秒で終わる場面です。

しかし、その短い時間の中には、試合を円滑に始めるための確認やコミュニケーションが詰まっています。

私自身も失敗を経験しながら、
「どう伝えれば誤解がないか」
「どうすれば慌てずに進められるか」
を少しずつ積み重ねてきました。

これから主審を担当する方も、コイントスの流れを事前にイメージしておくだけで、当日の余裕はずいぶん変わると思います。

第8条「プレーの開始および再開」
1.キックオフ
進め方

・主審がコインをトスし、トスに勝ったチームが、前半にどちらのゴールを攻めるのか、またはキックオフを行うのかを決める。
・この結果により、相手チームがキックオフを行うのか、または前半にどちらのゴールを攻めるのかを決める。
・前半にどちらのゴールを攻めるのかを決めたチームは、後半開始のキックオフを行う。
(以下略)

サッカー競技規則2025/26
第8条「プレーの開始および再開」より抜粋



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