輝きにも個性がある! “ きらきら絵具 ” 材料ごとの違いを解説
こんにちは!
画材メーカー ホルベイン の研究開発チーム、
ホルベインラボ株式会社です🧪
前回に引き続き "きらきら絵具" について。
この記事では、
・「材料」から見た顔料の特徴
・ホルベインの絵具を使って2つ以上を比較
をお届けします!
きらきらの違いを、絵具を通していっしょに見ていきましょう👀
前回の記事はこちら👇
材料の特徴/顔料とColor Index Name
「Color Index (カラーインデックス)」 とは、
顔料や染料などについて産業的な見地から分類した、着色剤の総合的な便覧です。
「種類+色相+番号」で表記されるものを
「Color Index Name(カラーインデックスネーム)/ C. I. Name」といいます。
ちなみに、科学構成に基づいた色材の分類
「Color Index Namber(カラーインデックスナンバー)/ C. I. Namber」もあります。
Color Index Name (C. I. Name)は、
絵具のチューブやホルベインオンラインショップの各商品ページにも記載されています。


以下では、顔料をColor Index Name (C. I. Name)※1や
一般的な特徴と一緒にまとめてみます👇
天然マイカ(雲母) PW20(Pigment White 20)
自然に存在する鉱物です。
顔料としての天然マイカには白や黄色、褐色が多いです。
深成岩に含まれる黒雲母も天然マイカです。
「へき開性」 ※2を持つため、
鉱物を細かく粉砕するとき、薄くはがれてシート状になります。
そのため、顔料サイズ(µmオーダー)※3になっても " 面 " が残ります。
天然であり適度に不純物があり表面不均一や粗があることで
真珠のようなやわらかな輝きを表現できます。
※2
「へき開性」とは、
鉱物などに何らかの衝撃を与えた時に、特定の方向に沿って割れやすい性質のこと。
※3
1 mm(ミリメートル)の1000分の1を
1 μm(マイクロメートル)といいます。

合成マイカ(合成雲母) PW20 (Pigment White 20)
天然マイカと同じC. I. Nameですが、こちらは人工品です。
不純物が少ないことで、白色度や透明度が高いです。
また、合成時に表面を平滑に調整できるため、輝度が高いです。
天然マイカよりも不純物が少ないため粗が少なく、
酸化チタン(PW6)を薄く被覆させることで
きれいな光干渉(薄膜干渉)を作ることができます。

ガラスフレーク -
ホウケイ酸ガラスを基材(ベース)として作られた顔料です。
他の顔料をガラスに練り込んだり、ガラス表面に被覆させることで色を付けます。
表面が平滑で光が散乱しないため、同じ向きに反射する光が多く、輝度が高いです。
合成マイカと同じく、酸化チタン(PW6)を薄く被覆させることで
きれいな光干渉(薄膜干渉)を作ることができます。

アルミニウム粉末 PM1(Pigment Metal 1)
アルミニウム粉末は、不透明系メタリック顔料の代表格です。
強い反射によって、金属そのもののような輝きを出し、隠蔽力が高いです。
金属であるため、水に触れると化学反応が起こって溶けたり変色したりします。
粒径や顔料の向きをうまくそろえて使うと、鏡のような光の反射を得ることができます。

どの顔料も、コーティングによってさまざまな色相で展開されています。

編集中記
こうしてみると、顔料の素材も、身近なものに感じますね。
近年は材料製造・加工の高度化によって、
材料の特徴を調整したり、表面の状態を変化させたりすることができます。
したがって、C.I. Nameでの特徴の分類は少し難しくなってきていると感じます💭
言葉でもお伝えできる範囲で解説させていただきましたが、
好みを見つけるためには、実際にお試しいただくことが大事と思います!👀
ホルベイン絵具同士の比較
ホルベインの絵具でも、たくさんのきらきら絵具があります。
それぞれの特徴に注目しながら、似ている絵具を比べてみました!
⚪「白い」きらきら「アクリル絵具」
【 アクリリックカラー [ヘビーボディ] パールホワイト 】
【 アクリリックカラー [ヘビーボディ] パールスパークル 】

左:やさしくきらきら、小さい 右:強くぎらぎら、大きい

🟡「色付き」きらきら「水彩絵具」
【 透明水彩 ゴールド 】
【 透明水彩 パールゴールド 】

左:やさしくきらきら 右:強くぎらぎら

☁️「優しく」きらきら「アクリル絵具」
【 アクリリックカラー [ヘビーボディ] パールシルバー 】
【 アクリリックカラー [ヘビーボディ] パールホワイト 】
【 アクリリックカラー [ヘビーボディ] パールレッド 】

左:色付き 右:角度で色が変わる
🌈「角度で色が変わる」きらきら「アクリル絵具」
【 アクリリックカラー [ヘビーボディ] パールイエロー 】
【 アクリリックイリデッセンス クロマパールイエロー 】
【 アクリリックイリデッセンス クロマシャイン®イエロー 】

左:2色 中:3色以上、透明 右:3色以上、不透明
(混ぜるとどうなる?)「角度で色が変わる」きらきら「アクリル絵具」
【 アクリリックイリデッセンス クロマシャイン® 】
【 アクリリックイリデッセンス クロマパール 】
【アクリリックイリデッセンス クロマシャイン®】同士を混色してみると、光輝性を持ったグレーになります。これはこれでかっこいいです🪩

クロマシャイン® の顔料は、基材が不透明なシルバーであり、
その周りに薄膜(コーティング)が施されています。

この薄膜(コーティング)の厚さを調節することで、
「光干渉」という現象を起こし、いろいろな色に発色することができます。
しかし、複数色のクロマシャイン®を混ぜると、有彩色の光が打ち消しあって見えなくなり、
基材自体のシルバーの色や輝度が分かるようになるのです。
(ちょっと難しい話ですが…💦)
「光干渉」についてはこちらの記事で解説しています!👇
【アクリリックイリデッセンス クロマパール】同士も混色してみました。
有彩色の光が打ち消しあって遠目では白っぽく見えますが、
顔料粒子が大きめなので、近くで見るとそれぞれの色が見えます!

⚫「シルバー」と名前のついた「油絵具」
【 油絵具 シルバー 】
【 油絵具 シルバーホワイト 】

Silver Whiteは炭酸鉛を使用した白色の絵具です。
まとめ "輝きの理由" を知ると絵具選びが楽しくなる
きらきら顔料は、単なる「光を反射するもの」ではありません。
表面の状態や材料の特徴よって、見え方に違いがあることが分かりました。
❓どうして強く光っているのか
(大きさ?つやつや?平ら?金属?マイカ?ガラス?)
❓光干渉で色が変わるか
❓透明感があるか
❓下地を隠すか
こうした違いを理解すると、絵具選びが一気に楽しくなります✨
絵具を使うときに、「この輝きは?」を意識してみてください。
きっと、今までとは違う見え方になるはずです😊
ホルベインラボでは、
今回ご紹介したそれぞれの顔料の特徴を見極めて、
最大限活かせる絵具レシピでお届けしていきます!
