為替介入か?ドル円5円超の円高へ

為替介入か、ドル円一気に5円の円高へ
昨晩の7月FOMCを受けてドル売り気味ではありましたが、7/30㈭の高市首相の消費減税会見開始頃から、ドル売り円買いが加速、22:30以降のNY時間になってズドンと円高となりました。この値動きは為替介入があったっぽいですね。

日足でみると、、、200EMA(ピンクのライン)が割れないとまた元の木阿弥という気もしますが、この下落のインパクトはすさまじい。介入でもなければこのような下落にはならないと思われます。

しかし、なぜこのタイミング?日銀の政策発表を明日に控えていますね。
FOMC受けてのドル全面安のタイミングを狙ったか
7/30-31の日銀の金融政策決定会合開催中の介入があるとは誰も予期していませんでした。しかも足元のドル円上昇はどちらかというと原油高、米金利高の影響が強く、介入しても焼け石に水と思われていた側面も強かった。ただし、その米国側と協調していたというなら話は変わってきます。
まず、介入と思われるドル円急落の時間。初動は7/30の18:00過ぎ。本格下落は22:30過ぎでNY時間です。東京時間での介入ではなかった。これは米国側の了承を得ていた、とみることができます。
協調介入とまではいかないでしょうけれども、少なくとも米国側の理解を得られない中で、あの時間での介入は難しいと思います。
日米が実際に両当局とも自国勘定で出動した協調介入は1998年6月17日が最後です。この時はアジア通貨危機でしたね。世界の危機でした。現在は別段米国の危機というわけでもないのに米国がドル売り介入に動くとは思えません。しかし、了承は得ていたはずです。
【米国側の理解】
振り返れば2025年9月の日米財務相共同声明で、過度な変動への対処手段として介入を容認する文言がありました。
三村財務官は7月1日のブルームバーグ単独インタビューで、日米の連携は「最も緊密」、4月末以降の介入に米側からの異論は一度もない、と発言していましたね。
米財務省は最新の為替報告書で円の大幅な過小評価に言及していました。(7/23公表)「為替操作監視対象」には前回の報告書同様に、中国、日本、韓国、台湾、タイ、シンガポール、ベトナム、ドイツ、アイルランド、スイスの10カ国・地域を掲載した。日本は5期連続の監視対象です。
また、日本の通貨当局がこのタイミングを狙ったのはFOMCの結果を受けて、だと考えられます。
今回のFOMCでは一部に利上げ観測がありましたが、(30~40%程度の折り込みでしたが)利上げは見送られました。
9対3で5会合連続の据え置き、FF金利誘導目標3.50〜3.75%
反対はハマック(クリーブランド)、カシュカリ(ミネアポリス)、ローガン(ダラス)の3総裁で、いずれも0.25ポイントの利上げを主張しました。同一方向に3人が反対票は2016年9月会合以来ということがフォーカスされますが、このメンバーはタカ派3兄弟ですので驚きに値しません。
ウォーシュ議長は物価抑制への強い意思を示す一方、利上げは「唯一の解決策ではない」と煮え切らない姿勢、というか会見がわかりにくいとの声多数。何を言いたいのか釈然としないグリーンスパン時代に戻ったとの指摘も。。。安田佐和子氏は、要するに利上げしたくないのでは、とまとめていますね。
金利の反応ですが30年債利回りが2007年以来の高水準に上昇、しかし2年債利回りは低下しています。9月利上げ確率はスワップ市場でおよそ60%に後退、12月利上げは完全に織り込んでいます。2年金利がFOMCの政策をもっとも反映しますので足元での急落はFOMCがハト派的だったとの解釈でしょう。

30年債19年ぶり高水準・2年債低下というベアスティープは、政策金利差ではなく財政・インフレのプレミアム由来の長期金利上昇です。この形の金利上昇を根拠にした円売りは、「金利差で説明できる円安」とは主張しにくい。当局にとって介入を正当化しやすい構図ともいえます。
通貨インデックスを見ると、介入の可能性ということで円が急伸していますが、円以外の主要国通貨も軒並み上昇しています。つまり、ドル独歩安なんですね。このドル安は日本の通貨当局にとっては絶好の機会となったということでしょう。

ただし、ウォーシュFRB議長はインフレ抑制姿勢自体は明確であり、米国のインフレが加速するようだと米国の年内利上げの可能性は残ります。現時点でも12月利上げは完全に織り込まれています。年内利上げ路線が生きている以上、金利差という円売り要因は残るわけで、この効果の持続性には懐疑的な向きが、新たにドルロングを仕込む可能性はあるでしょう。
今夜発表の米4-6月期GDP速報値とPCE

米4-6月期のGDP速報値ですが予想を大きく下回りました。ヘッドラインだけを見ると弱いのですが、個人消費は旺盛です。輸入が大きく増えたことでGDPが押し下げられたという内訳。
◆主な押し上げ要因は、
GDPの役7割を占める個人消費(前期比 3.2%増)
設備投資(前期比 8.4%増)~高い伸びを維持も前期の勢いからやや縮小
住宅投資(前期比 1.5%増)~プラス成長へと転換。
◆主な押し下げ要因
輸入(前期比 11.5%増)~大幅増加
政府支出(前期比 0.8%減)~戦略石油備蓄(SPR)放出の影響
輸出(前期比 4.5%増)~プラスは維持したものの、伸び率縮小
見かけの成長率を大きく押し下げたのは、景気の悪化ではなく「AIブーム」によるもの。企業のAI(人工知能)向けデータセンター投資が旺盛で、半導体チップやIT機器の輸入が11.5%も増加したことが背景です。個人消費も旺盛、AI投資も旺盛ということで米景気の底堅さが指摘されています。
そしてPCE

総合PCEの急低下は主にエネルギー価格の一時的な下落によるものです。食料とエネルギーを除いたコア指数は、4ヶ月連続で3.3%〜3.4%の高止まりが続いています。
所得の伸び(+0.2%)以上に消費(実質+0.4%)が勝っています。これは消費者がこれまでの貯蓄を切り崩して購買を維持していることを意味しますので、どこかの時点で息切れすると思われるのですが、少なくとも現時点では購買意欲が続いています。
ただし今回の結果でインフレ急加速の懸念は和らいだため、早期の追加利上げの確率は低下する方向に動きました。
明日の日銀金融政策決定会合は・・・
前回6月に約31年ぶりの水準となる1.0%程度への利上げを決定したばかりですので、今回は据え置き予想が大勢。市場の関心は「展望レポート」の内容と、病気療養から2会合ぶりに復帰する植田和男総裁の記者会見でしょうか。
展望レポートでは実質GDP成長率が上方修正されるとみられています。展望レポートが年内の早期利上げ観測を強めるかどうか。
市場では次回の追加利上げ時期を「10月」または「12月」とする見方が大勢を占めています。これまで市場は半年に一度の利上げがあるというのがコンセンサスでしたが、これが早まる可能性を織り込み始めています。植田総裁が利上げペースの加速を示唆するかなどが注目です。
FOMC受けての米金利低下で米株全面高
このところ軟調だった米国株、今夜は全面高。

下段 NASDAQ ラッセル200 ダウ輸送株
このところ軟調だったハイテク株ですが、今夜はMicrosoftが強い。4〜6月期決算でクラウド基盤「アジュール」などの成長率が市場予想以上に伸びたことと7〜9月期の成長の加速見通しが示されたこと、さらに27年6月期通期のフリーキャッシュフローが黒字を維持するとの予想を示ししたことが好感されました。Google決算ではフリーキャッシュフローの赤字転落で売られましたが、Microsoftは黒字が続くことが好感されたと思われます。市場全体にAIの巨額の設備投資への過度の懸念が後退しているようです。
日経平均先物も大きく上昇中。7/30東証クローズは61,867.43でしたが、夜間取引で63680円まで上昇しています。円高でも株高、好循環です。


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