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考察は見ないで、物語にどっぷりと浸かってみる

考察、流行ってますね。

話題のドラマやマンガの考察を、以前にも増してよく目にするようになったように感じます。考察を生業とした動画配信者も多くいらっしゃるようで、それだけ世の中に需要があるということですね。

考察自体を否定するつもりはまったくないです。考察は、するのも見るのも楽しいよね〜と思っています。

でも最近は、考察をなるべく見ないようにしています。という、とても個人的な話を書きます。


『Tシャツが乾くまで』を観ています。

何話目かの頃に、「ああ、これ考察を見るのも面白いけど、スマホは置いて、どっぷりと物語に浸かったほうが、自分は楽しめそうな作品だな」と感じました。

この物語には、話が進むにつれて少しずつ明らかになる「謎」があります。

SNSで検索すると、「よくそこまで見ているなあ/考えているなあ」と感心してしまうような、たくさんの考察が流れてきます。

ただ個人的には、「真相がどうか」ということ以上に、キャストのみなさんの演技と表現がものすごくて、このドラマを見続けているところがあります。本当にすごくて、めちゃめちゃ引き込まれます。

特に、6話での咲子(蒼井優さん)の「怒り」と「安心」と「戸惑い」がごちゃまぜになったような表情とか声とか所作とか、全てがすごすぎて鳥肌がたちました。フィクションなのに、フィクションであることを忘れてしまうくらいに見入ってしまった。

充(松山ケンイチさん)も、咲子の好きな人フィルターを通していた充と、現実(もしくは視聴者フィルターを通しているのも)の充の演じ分けがものすごいのです。

真相を知るのは、物語の展開に沿って、適切なタイミングで教えてもらえたらそれでいいと私は思います。だって、それがプロの脚本家が考えた、いちばんおもしろいタイミングだから。


『Tシャツが乾くまで』のページを見ていたら、脚本の生方美久さんが「共感や感動を目指した物語ではないので、人間観察の感覚でお楽しみください。」とコメントをされているのを見かけました。

この「人間観察」というワードがものすごく腑に落ちました。

改めて思ったのですが、ドラマとか物語の登場人物って、自分の常識とか価値観を超えてくるから面白い。現実の世界に「まったく共感できない友人」がいたら困っちゃうけど、物語の中であればその「共感できなさ」が面白い。

謎に繋がる伏線を見逃さないことも大事だけど、登場人物たちが何を考え、どう動くのか。それを「共感」目的ではなく「観察」することが、この物語のひとつの楽しみ方なのかなと感じていたので、生方さんのコメントが腑に落ちたのです。

他にも今クールのドラマは『VIVANT』を観ていますが、こちらも(正直気になるけど)考察はなるべく避けて、乃木(堺雅人さん)の冒険を見守るスタンスで楽しんでいます。

真相も気になるけど、それよりも「こんなスケールのドラマ、なかなか観られないぞ!」と映像にかじり付いて観ています。


改めてにはなりますが、考察そのものを否定する意図は全くありません。

考察もおもしろいけど、前情報を入れず、純粋に物語そのものと向き合って、じっくりと味わう。そのためにもスマホは置いて、物語にどっぷり浸かる楽しみ方もやはりいいなと改めて思ったのです。




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