見出し画像

最新|セレンと乳がん予防:血中濃度とHRG遺伝子型を追った研究


乳がんは、いま世界的に増え続けているがんの一つです。女性のおよそ8人に1人が生涯のうちに経験すると言われ、その背景には食事やライフスタイル、遺伝的な要因が複雑に関わっていると考えられています。

こうしたなかで、微量ミネラルの一つであるセレンが、乳がんをはじめとするがんの予防に関わる可能性が、あらためて注目を集めています。

2026年3月、ポーランドの研究チームが学術誌『International Journal of Molecular Sciences』に発表した研究は、家族性乳がんの家系を持つ女性を長期間にわたって追跡し、血液中のセレン濃度とがんの発症・死亡との関係を調べたものです。

しかもこの研究では、腫瘍の成長を後押しするとされる遺伝的な因子「HRG」のレベルが高い女性に対しても、セレンが守る役割を果たすのかどうかが検討されました。

血液中のセレンという、ふだんあまり意識しない指標が、乳がんのリスクとどう結びついているのか。

この記事では、研究の中身を順を追って読み解きながら、セレンが体の中で果たしている役割と、日々の食事への活かし方までを見ていきます。

◼️記事の要点

  • 血中セレン濃度という、ふだん意識しない指標が乳がんとどう関わるのか。ポーランドで家族性乳がんの家系を持つ女性2,782人を約6年追跡した研究から考えます。

  • 腫瘍の成長を後押しする遺伝的因子「HRG」のレベルが高い女性に対しても、セレンは守る役割を果たすのか。この研究が注目される理由を見ていきます。

  • セレンは体の中でどのような働きを担い、なぜ多くのがんで予防的に働きうるのか。摂取量のめやすや身近な食品源とあわせて整理します。

2,782人の女性を追った前向き研究

ここから先は

3,482字 / 3画像

健康や栄養の情報は、調べるほど増えていきます。テレビで見た成分、SNSで流れてきた食べ物、サプリの棚…

最新の栄養健康関連情報プラン

¥500 / 月

フルアクセスプラン

¥800 / 月

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?