最新 | セレンが薬剤耐性乳がんに新たな光をもたらす : 微量栄養素の抗がん作用と精密医療への応用
乳がんの治療は近年大きく進歩し、化学療法、ホルモン療法、分子標的薬、抗体医薬の組み合わせによって多くの患者さんの予後が改善してきました。
それでも依然として大きな壁となっているのが、薬剤耐性の問題です。最初は効いていた薬がやがて効かなくなり、再発や進行を許してしまうケースは少なくありません。
日本でも乳がんは女性のがん罹患数の中で最も多く、罹患者数は年々増加しています。再発予防や治療抵抗性への対策は、研究現場でも臨床現場でも切実な課題です。
そんな中、必須微量栄養素であるセレンを活用したアプローチが、薬剤耐性乳がんに対して有望な可能性を示すレビュー論文が発表されました。
ポーランドのウッチ医科大学の研究チームによる総説で、20年以上にわたるセレン化合物の抗がん研究を整理した内容になっています。
◼️記事の要点
セレン化合物は、アポトーシス誘導や活性酸素のバランス撹乱など複数の経路で同時に作用するため、薬剤耐性化したがん細胞にも有効性が期待されています。
低用量では抗酸化、高用量では酸化促進という濃度依存的な二面性を持ち、がん細胞に選択的なストレスを与えることで細胞死へ導く特徴があります。
セレンナノ粒子の開発により、副作用を抑えながら標的部位へ精密に届ける送達技術が進み、既存治療との併用による再感受性化も研究されています。
乳がんと薬剤耐性:今そこにある課題
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