最新|21のRCT・1,610人を統合した:セレンを補った橋本病の人ほど甲状腺の自己抗体が下がった
疲れが抜けない、体が冷える、体重が変わりやすい、気分が晴れない。こうした不調が続くとき、その背景に甲状腺のはたらきの低下がひそんでいることがあります。
とくに橋本病(慢性甲状腺炎)は、女性に多く見られる自己免疫の病気で、免疫が甲状腺を少しずつ攻撃してしまう状態です。
橋本病では、血液検査で甲状腺の自己抗体、とくに抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPO抗体)の値が高くなります。この抗体は、免疫が甲状腺をどれだけ攻撃しているかを映す指標のひとつです。
ホルモン薬で不足したホルモンを補う治療が中心になりますが、抗体そのものにどう向き合うかとなると、日々の食事や栄養の役割が気になるところです。
そこで注目されてきたのがセレンという微量ミネラルです。2025年8月にMedicine誌へ発表された、21件の臨床試験・1,610人分をまとめた解析では、セレンを補った橋本病の人で、この自己抗体がはっきり下がっていたことが示されました。
今回は、セレンと甲状腺の関係を、この最新の統合解析から見ていきます。
記事の要点
橋本病の患者を対象とした21件のランダム化比較試験・計1,610人を統合した解析で、セレン補充により甲状腺の自己抗体(TPO抗体)が3か月後にも6か月後にも有意に低下したと報告されました。
もうひとつの自己抗体(サイログロブリン抗体)も3か月後に低下し、甲状腺刺激ホルモンTSHは、ホルモン薬を使っていない人で6か月後に下がる傾向が見られました。
試験で使われたセレンは1日200μg程度が中心で、形としてはセレノメチオニンが最も効果的でした。かつお、まぐろ、卵、ブラジルナッツなど身近な食品にも含まれます。
不足しやすいのは、どんな場面か
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