仮面ライダー曼荼羅― シンギュラリティへの系譜 ―仮面ライダーキバ
第四章 仮面ライダーキバ
1. 二つの時代が交差する物語
『仮面ライダー電王』が時間そのものを舞台にした物語であったとするならば、その次に登場した『仮面ライダーキバ』は、時間の流れの中に刻まれる「血統」というテーマを鮮烈に描き出した作品である。電王においては、時間はデンライナーによって自由に横断され、過去と未来が接続される「可能性の地平」として描かれた。しかし、キバにおいては、決して軽やかに飛び越えられるものではない。そこには、一人の人間が抗うことのできない絶対的な境界が存在する。それが「世代」であり、逃れようのない「宿命」である。
キバの物語は、1986年と2008年という二つの時代を並行して描く独自の二重構造を持つ。1986年の主人公は紅音也。2008年の主人公は紅渡。二人は父と子である。この構造によって、仮面ライダーの物語は単なる一人の英雄の戦記であることを止め、親から子へ、過去から未来へと受け継がれていく大河ドラマとしての性質を帯びることとなった。
ここから先は
1,817字
¥ 100
Amazon Payで支払うと最大2%還元のチャンス! 9/30まで
よろしければ応援お願いします! いただいたチップはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!
