【奈良】VILLA COMMUNICO宿泊記|薪火料理を実食レビュー
奈良・若草山の麓にあるオーベルジュ「VILLA COMMUNICO」に宿泊しました。
この宿の大きな特徴は、奈良の食材と薪火を軸にした料理です。発酵や熟成も取り入れながら、土地の食材を一皿に仕上げていきます。
実際に宿泊すると、ディナーだけでなく、食事前のラウンジでの過ごし方や客室、朝食まで含めて、一般的なホテルとは少し違う宿でした。
一方で、駐車場の分かりにくさや客室の清掃、接客など、気になったところもあります。
今回は、実際に宿泊して食べた料理を中心に、VILLA COMMUNICOでの滞在を紹介します。
VILLA COMMUNICOは若草山の目の前にあるオーベルジュ

VILLA COMMUNICOがあるのは奈良市雑司町。奈良公園を抜け、若草山の麓まで上がった場所にあります。

2018年に奈良・東生駒で始まったレストラン「communico」から発展し、2024年夏にVILLA COMMUNICOとしてオープン。堀田大樹シェフは、2022年・2023年のミシュラン奈良特別版で一つ星を獲得しています。



客室は全部で5室。
それぞれ「火・水・土・風・木」をテーマにしており、35〜40㎡台を中心とした比較的コンパクトなつくりです。
大規模な高級ホテルというより、少ない客室数で静かに滞在しながら、食事を楽しむオーベルジュと考えた方がイメージしやすいと思います。
客室は落ち着いたつくり。ただし清掃は気になった

客室は派手な装飾を抑えた落ち着いた空間です。
若草山や奈良公園の自然と馴染む雰囲気で、宿全体の世界観ともよく合っています。
一方、実際に泊まった客室では清掃が少し気になりました。
床などに前の宿泊者と思われる毛髪が複数残っており、細かな部分まで清掃が行き届いているとは感じにくい状態でした。
また、館内にエレベーターはありません。
荷物についてはスタッフが運ぶのを手伝ってくれたので、大きな荷物があってもその点はサポートしてもらえました。










ディナーの前にラウンジへ

VILLA COMMUNICOでは、いきなりレストランの席について食事が始まるわけではありません。
当日は18時の食事開始前に一度ラウンジへ集まり、そこで料理について簡単な説明を受けました。
これがなかなか良かったです。
これからどんな食事が始まるのかを聞いてからレストランへ向かうので、自然と期待感が高まります。
ラウンジではビールやスパークリングワインなども楽しめました。
宿泊した日は、子連れのファミリーが1組とこちらの1組。客数も多くなく、静かな雰囲気で食事が始まりました。
奈良の食材を薪火で仕上げる

レストランには大きなオープンキッチンがあり、昔の日本家屋の台所「おくどさん」をイメージした空間になっています。
VILLA COMMUNICOの料理で中心になるのが薪火です。
主な熱源として薪を使い、さらに発酵や熟成を取り入れながら料理を組み立てています。
公式サイトでは、ローカルな食材とこれらの技法を組み合わせ、「過去と現在を共存させ、未来に向けた一皿」をつくることを料理のコンセプトとして掲げています。
食材を選ぶ際には、生産現場へ実際に足を運び、生産者とも交流しているそうです。
実際に食べてみても、単に「薪の香りをつけた料理」という印象ではありませんでした。

実際に食べたVILLA COMMUNICOのディナー

最初に印象に残ったのが、生まれたてのモッツァレラとキャビア。

作りたてのモッツァレラは食感と風味が良く、余計な味をつけすぎていない自然なおいしさがありました。
続いて、鰹・モロヘイヤ・オクラ。

鰹には薪の香りが入り、素揚げしたモロヘイヤとオクラを合わせています。鰹特有の生臭さは感じず、薪の香りも強すぎません。
牡蠣・松の実・ニラでは、松の実の香ばしさが印象的。
牡蠣の濃厚さに香ばしさが加わり、食べやすい一皿になっていました。

ビワマス・道安宝珠喜・カレンデュラは、ビワマスの食感と脂の乗りが良かった料理です。

倭鴨・南瓜・トリュフも続きます。

特に印象に残ったのが、赤ハタ・万願寺唐辛子・足赤海老。

赤ハタは比較的淡白な魚ですが、海老のスープを合わせることで旨味に深さが出ていました。
肉料理は、サカエヤの経産黒毛和牛サーロイン。

ドライエイジングらしいナッツのような香りがあり、肉自体はかなりおいしかったです。一方で、この一皿は少し塩味が強く感じました。
最後は無花果・ブルーベリー・ジュニパーベリー。

一皿ごとに使う食材も調理方法も変わり、最後まで単調にならないコースでした。


薪火でも店内や服は煙臭くならない
薪火料理で少し気になるのが煙です。
薪を使うレストランによっては、食事を終える頃には服や髪にBBQのような臭いがついてしまうことがあります。
VILLA COMMUNICOでは、その心配はほとんどありませんでした。
グリルの吸気がしっかりしており、店内に煙が充満することもなく、食後に衣服へ強い臭いが残ることもありませんでした。
これは実際に食事をしてみて分かった、地味ながら良かったところです。
ワインはボトルで注文。ノンアルコールペアリングもある
食事では14,000円のペアリングも案内されました。
今回は自分たちのペースで飲みたかったため、ペアリングではなくワインをボトルで注文。
ワインの価格は、このクラスのレストランとしては比較的頼みやすいと感じました。
また、アルコールだけでなくノンアルコールのペアリングが用意されているのも珍しいところです。
料理を中心に楽しみたい人や、お酒を飲まない人にも選択肢があります。
朝食は大和ポークのローストビーフやキッシュ

翌朝の朝食には、大和ポークのローストビーフやキッシュなどが並びました。
以前の口コミでは茶粥について書かれているものもありますが、今回宿泊した際には茶粥は出ていません。
内容自体は悪くありませんでしたが、ディナーと比べると朝食はかなりシンプルです。
特に気になったのがボリューム。
量は少なめで、朝からしっかり食べたい人なら物足りなく感じると思います。実際、朝食については「もう少し量があってもいい」と感じました。
コーヒーについても、砂糖やミルクを用意していないのか、希望すれば出してもらえるのか説明がなく、そのあたりは少し分かりにくかったです。


駐車場は場所が分かりにくく、スペースも狭い
車で訪れる場合は、駐車場について事前に知っておいた方がいいと思います。
公式には無料駐車場が5台あります。
ただし、実際に訪れたときは鹿の侵入を防ぐため入口が閉じられており、最初は駐車場だと分からず一度通り過ぎました。
駐車スペースそのものもかなり狭めです。
場所が分からず電話で「駐車場はどこですか」と確認した際にも説明が分かりにくく、到着時には少し戸惑いました。
若草山周辺は鹿も多いため入口を閉める必要があるのは理解できますが、初めて訪れる場合は少し分かりづらいと思います。
料理の満足度と接客には差を感じた
今回の宿泊で最も満足度が高かったのは、やはりディナーです。
堀田シェフの料理は、一皿ごとの組み立てや薪火の使い方まで含めて印象に残りました。
その一方で、宿泊施設として見ると接客には少しばらつきを感じました。
駐車場の案内や朝食時の説明など、「もう少し案内があれば迷わないのに」と感じる場面がいくつかあります。
反対に、階段での荷物運びなど、きちんと気を配ってもらえたところもありました。
そのため、スタッフ全体の対応が悪いというより、サービスの細部で差があるという印象です。
VILLA COMMUNICOに宿泊して感じたこと
VILLA COMMUNICOは、客室の豪華さや館内設備を目的に泊まるホテルというより、奈良の食材を使った料理を目的に訪れたいオーベルジュでした。
特にディナーは、この宿に泊まる大きな理由になると思います。
薪火をただ強く効かせるのではなく、鰹には香りを加え、淡白な赤ハタには海老の旨味を重ね、熟成させた牛肉では香りそのものを楽しませる。
一皿ごとに使い方が違うので、「薪火料理」という一言だけでは説明しきれない面白さがありました。
料理の完成度は一級品。奈良には、他にも高級宿のグループがいくつか進出していますが、私は断然、こちらの宿を推したいと思います。
奈良公園や東大寺、春日大社から近く、目の前には若草山。
奈良観光と組み合わせながら、夜はゆっくり薪火料理を楽しみたい人には、ほかのホテルとは少し違った滞在になる宿です。
VILLA COMMUNICO(ヴィラコムニコ)の写真




スパークリングワインとビールは飲み放題でした
VILLA COMMUNICO(ヴィラ・コムニコ)基本情報
所在地:〒630-8211 奈良県奈良市雑司町486-5
電話番号:050-3176-1787
アクセス:近鉄奈良駅から車で約8分
立地:若草山の麓
駐車場:あり(隣接:事前連絡がおすすめ)
客室:確認できた客室は38.37㎡、セミダブルベッド2台
施設タイプ:オーベルジュ
料理:奈良の食材を中心に、薪火・発酵・熟成などを取り入れた料理
ディナー時間:18:00開場、18:30一斉スタート
定休日:なし
