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すいとんは祖母の味 五感で綴る5行エッセイ


つやつやつるん。
見た目そのままの食感は、噛めばもっちりグルテンのうまみ。
でも飲み込む時はやっぱりつるり。
母が作る「すいとん」は、祖母の味。
親族全員の大好物。


(78文字)

#五感で綴る5行エッセイ



喜木凛さんの企画に参加です。
note5周年おめでとうございます。


すいとんって、みなさまご存知でしょうか。
小麦粉を練って寝かしたものを、ぐらぐら煮立つ醤油味の出汁に薄く伸ばして入れて火を通したものです。
出汁は煮干し。そのまま具になります。
味つけは醤油。
根菜、きのこ類、筍、キクラゲ、ナス、じゃがいもなど具沢山。肉類は入らない。

もともとは戦時中の食糧難の時代に、食べられていたもの。薄い醤油の汁に薄いすいとんだけが浮かんでいて、具なんて入っていなかったそうです。
スプーンで掬って出汁に落とすダンゴ汁とは、ちょっと違う。
戦争中の食べ物がない時代。少ないものをできるだけたくさんにする工夫だろうと想像します。

お盆の帰省最終日に作ってもらったすいとん。

もともとは母方の祖母が作る料理でした。
祖母のところへ行くと、皆が作ってと頼むので、祖母は大鍋に山盛り作ってくれました。
翌日の、出汁を吸ってふにゃふにゃになったすいとんもまた、出来たてとは違った美味しさがあって、翌朝のお楽しみでした。

「ばあちゃんのちゅるちゅる、美味しいね」

兄弟の子供たちが小さい頃、よくそう言って、母が作ったすいとんをもりもり食べていました。

帰省すると誰もが食べたいという、実家の味です。

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