2026年7月24日|原油92ドル・米金利4.7%で日経平均1,811円安。AI株売りに重なった世界経済のリスク|日本株・米国株のポイント解説と明日の展望
今日のマーケット情報を整理して、ポイント解説していきます。
1. マーケット情報
日本株(7月24日終値)
日経平均:64,611.15円(-1,811.45円/-2.73%)
TOPIX:4,011.31(-42.57/-1.05%)
東証グロース市場250:686.12(-13.40/-1.92%)
米国株(前営業日・7月23日終値)
S&P500:7,408.30(-90.66/-1.21%)
NASDAQ:25,137.69(-553.21/-2.15%)
NYダウ:51,711.65(-506.93/-0.97%)
FANG+:16,948.49(-329.33/-1.91%)
SOX指数:12,343.84(-66.83/-0.54%)
金利・為替・商品
米10年金利:4.695%(+0.041ポイント)
ドル円:163.77円(+0.45円/円安)
WTI原油:92.19ドル(+5.36ドル/+6.17%)
金先物:4,050.20ドル(-2.5%)
今日の市場をひとことで言うと
今日の日経平均は1,811円安となり、64,611円で取引を終えました。
朝から売りが先行し、一時64,201円まで下落しました。終値では安値から約410円戻したものの、65,000円は回復できませんでした。
ただ、1,811円安を見て「日本企業全体の業績が急に悪化した」と考えるのは早いです。
日経平均の下落幅のうち、
アドバンテスト:約448円
ソフトバンクグループ:約336円
東京エレクトロン:約331円
キオクシアホールディングス:約138円
ファーストリテイリング:約70円
の5銘柄で、合計約1,323円を押し下げました。
日経平均の下落幅全体の約73%です。
日経平均は株価水準の高い銘柄の影響を受けやすいため、値がさAI・半導体株への売りが指数の下落を大きくしました。
では、実際の地合いは強かったのでしょうか。
そうとも言えません。
東証プライム市場では値上がり632銘柄に対し、値下がりは877銘柄でした。33業種のうち上昇したのは11業種にとどまり、東証グロース市場250も1.92%下落しています。
指数寄与度は5銘柄へ集中していましたが、リスクを減らす動きは市場全体にも広がっていました。
AI需要が強いのに、なぜ売られたのか
前日の米国市場では、Alphabetが7.13%、Teslaが14.52%下落しました。
両社に共通していたのは、AI需要の弱さではありません。
AlphabetのGoogle Cloud売上高は前年同期比82%増えました。Teslaも売上高が26%増えています。Intelは取引終了後の決算で、データセンター・AI部門の売上高が59%増えたことを示しました。
需要と売上は伸びています。
それでもAlphabetとTeslaが売られたのは、設備投資、研究開発費、減価償却費が急増し、投じた資金をいつ利益とフリーキャッシュフローへ変えられるのかが問われたためです。
これまでのAI相場では、
大手テクノロジー企業が設備投資を増やす
→ 半導体・データセンター関連の受注が増える
→ AI関連株全体が買われる
という流れが強く意識されてきました。
しかし、市場の評価軸は変わり始めています。
設備投資額が大きいかではなく、投じた資金をどれだけ早く売上・利益・現金へ変えられるのか
が問われる段階です。
この評価変化を受け、日本株ではアドバンテスト、東京エレクトロン、キオクシアホールディングス、DISCO、ソフトバンクグループなどに売りが集中しました。
原油高と金利上昇も、相場を重くしました
相場をさらに重くしたのが、WTI原油の92ドル台への上昇と、米10年金利の4.695%への上昇です。
原油高は燃料費、電力費、物流費、原材料費を増やします。企業が販売価格へ転嫁すれば物価が上がり、転嫁できなければ利益率が下がります。
インフレが再加速すれば、FRBは景気を支えるために金利を下げたくても動きにくくなります。
高金利が続くほど、将来の利益を高く評価されているAI・グロース株には負担です。
ドル円も163円台後半まで円安が進みました。
円安は海外売上の多い企業には追い風ですが、原油や原材料を輸入する企業にはコスト増加となります。原油高と円安が同時に進む現在は、円安を日本株全体の好材料として単純に扱えません。
一方、医薬品、鉱業、保険、海運、陸運には買いが入りました。
海外AI株との連動が比較的小さい企業、金利上昇を運用収益へつなげやすい企業、原油や運賃の上昇を利益へ変えやすい企業へ資金が移っています。
今日の市場をひとことで言えば、
AI需要が消えたのではなく、設備投資を利益と現金へ変えられる企業を選び直すなか、原油高と金利上昇も重なり、値がさ半導体株を中心にリスクを落とした一日
です。
僕は、日経平均1,811円安だけを見てAI相場が終わったとは判断しません。
ただし、以前のように「設備投資が増えればAI関連株はすべて上昇する」と考えることも難しくなりました。
次に確認したいのは、
Intelの決算が7月24日の通常取引でも評価されるか
SOX指数が12,300を維持できるか
WTI原油が90ドル方向へ落ち着くか
米10年金利が4.70%を明確に超えるか
日経平均が64,000円を守り、65,000円を回復できるか
値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を上回るか
日本企業の決算で、受注だけでなく利益率とキャッシュフローを確認できるか
です。
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