「コウノドリ」を観て、私は妊活を始めた。
ある夜、Amazonプライムで「コウノドリ」を観ていました。

何気なく見始めたはずでした。
でも、気づけば涙が止まらなくなっていました。
赤ちゃんが生まれること。
当たり前だと思っていた「出産」が、実はたくさんの奇跡の積み重ねであること。
画面の中の夫婦や家族を見ながら、胸の奥がぎゅっと締めつけられました。
そして、ふと思いました。
「私も、この人との子どもが欲しい」
それまで、私は本格的に妊活をしたことがありませんでした。
「いつか子どもができたらいいな」
そのくらいに考えていました。
後日、一緒にお酒を楽しんでいるとき、隣にいた夫に、
「私、子どもが欲しい」
と、切り出してみました。
夫は少し考えてから、受け入れてくれました。
ただ、夫は以前からこう言っていました。
「子どもができなくても、2人で生きていけばいいと思ってる」
その言葉は優しいものでした。
だからこそ、私は思いました。
この人との子どもを、本気で望んでみたい。
こうして、私たちの妊活が始まりました。
初めての「生理が来ない」
まずは、タイミングをとるところから始めました。
そして迎えた、初めての生理予定日。
予定日が近づくにつれて、自分のお腹の変化に敏感になっていたときのことです。
急に、腹痛がありました。
「もしかして……」
頭の中に、何度もその言葉が浮かびました。
妊娠できた? 赤ちゃんが来てくれた?
期待してしまいました。
時期的に早いとは分かっていても、ドラッグストアで妊娠検査薬を購入。
結果は真っ白。
「時期が早かっただけ、まだ望みはある」
と、検索魔と化していたときのこと。
生理は少し遅れてやってきました。
「やっぱり違ったか……」
がっかりしながらも、どこかで納得していました。
ところが、私はこの腹痛に、少しだけ違和感を覚えていました。
妊娠ではないなら、この痛みは何なのだろう。
そう思い、近所の内科を受診しました。
そこで、いくつか検査を受けることになりました。
そして、思いもよらないものが見つかりました。
膀胱炎。
そして、
大腸ポリープ。
妊娠しているかもしれない。
そんなことばかり考えていた私にとって、予想もしなかった結果でした。
妊活をしていなかったら、気づかなかった
もちろん、病気が見つかったことは嬉しいことではありません。
でも、ふと思いました。
もし、妊活を始めていなかったら?
あの腹痛を「生理前だから」と、そのままにしていたら?
病院に行かなかったら?
もっと後になっていたかもしれません。
そう考えると、
「妊活を始めたからこそ、気づけた」
そんなふうにも思えました。
不幸中の幸いだったのかもしれません。
人生は、本当に何がきっかけになるかわかりません。
そして私は「妊活モード」に課金しました 病気の治療を終えた後に私が頼ったのが、アプリの「ルナルナ」です。 ついに有料プランに切り替え、本格的に使い始めました。
婦人用体温計を購入して、毎朝寝起きに測ってスマホに自動転送。
排卵日をアプリに予測してもらい
毎月カレンダーをチェックしました。
排卵日が近づくと、夫と予定を合わせようとしました。
「排卵日はこの日だから●日と●日、どう?」
そんなやり取りをするようになりました。
でも、ここにも思わぬ壁がありました。
夫から、
「緊張して、うまくいかない」
と言われることが増えました。
妊娠するために。
排卵日に合わせなきゃ。
今月こそ。
そう思えば思うほど、自然にはいかなくなっていきました。
妊活って、もっと単純なものだと思っていました。
排卵日を調べて、タイミングをとる。
そうすれば、いつか妊娠する。
そんなふうに考えていました。
でも、現実は違いました。
半年経って、初めて「不妊治療」を意識しました
妊活を始めて、半年。
なかなか結果が出ません。
「まだ半年」
そう思う自分もいました。
でも、年齢を考えると、
「このままでいいのかな」という気持ちも、少しずつ大きくなっていきました。
そんなある日、子宮頸がん検査のために、近所の婦人科を受診しました。
そこで思い切って聞いてみました。
「不妊治療を考えているのですが……」
先生に相談すると、意外な答えが返ってきました。
その婦人科では、人工授精までしか対応していないとのことでした。
そして、
「もう少し先の治療まで考えるなら、専門の病院に行ったほうがいいですよ」
と、近くの不妊治療専門病院を紹介されました。
Googleマップを開いて、手が止まりました
帰宅して、さっそく病院名を検索しました。
Googleマップの口コミを見ると、
「とにかく待ち時間が長い」
「予約していてもかなり待つ」
「でも、先生の腕はいい」
「ここで妊娠できました」
良い口コミと、そうではない口コミ。
評価は、かなり分かれていました。
私はスマホの画面を見つめながら、
「ここに行くのか……」
と複雑な気持ちになっていました。
いよいよ、私も「不妊治療専門病院」に行くのか。
それまで私は、
「妊活をしているだけ」
だと思っていました。
でも、その病院を目の前にした瞬間。
初めて、自分が「不妊」という言葉を意識しました。
少し怖かったです。
でも、同時に思いました。
怖いからこそ、行ってみよう。
まだ、何も始まっていません。
そう思っていた私の妊活は、ここから少しずつ、
「妊娠するための治療」へと変わっていくことになります。
そして、この先。
私は自分が思っていた以上に、長い道のりを歩くことになるのです。
