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【発達凸凹キャリア論】その「厄介な才能」、高く売れる場所がある――あなただけが持つ「価値」を見極め、「市場」と「加工法」を選ぶ3ステップ

僕には、物事を深く考えすぎるクセがある。

頭の中で、問いが勝手に枝分かれしていく。

なぜそうなるのか。
どこでズレたのか。
この仕組みの奥には何があるのか。
別の見方をするとどうなるのか。

一度気になり始めると、なかなか止まらない。

これは、かなり厄介だ。

日常生活では、考えすぎて動きが遅くなる。
会話では、返事の前に前提を確認したくなる。
仕事では、表面の依頼より奥の構造を見に行ってしまう。
周囲から見ると、面倒な人に見えることもある。

でも、このクセが人の役に立つこともあった。

友人の悩み相談に乗って感謝されたことがある。
地元の知り合いのビジネス相談に乗ることもある。
オンラインのプログラミングスクールで、キャリア相談に関わっていた時期もある。
地域の役員会でも、いつの間にか相談役のような位置に座っていることがある。

自分では厄介だと思っていたものが、誰かにとっては助かるものになる。

この差が、ずっと不思議だった。


技術ブログは、ほとんど稼げなかった

かつて僕は、この「考えすぎるクセ」を、分かりやすいスキルに変えようとしていた。

当時の僕が持っていた分かりやすいスキルは、プログラミングだった。

高校を卒業してから、ずっとソフトウェア業界で働いてきた。
だから、自分の価値はプログラミングスキルにあると思っていた。

そこで、技術ブログを書いた。

専門的で、ニッチで、自分なりにはかなり丁寧な記事を書いた。

これだけ質の高い情報を出せば、きっと評価されるはずだ。

そう思っていた。

でも、現実はかなり冷たかった。

管理画面に表示される収益は、月に数百円だった。

その数字を見たとき、僕は自分の才能そのものに値札を貼られたような気がした。

自分の考えすぎるクセ。
技術への執着。
分かりにくいものを分解する力。
それら全部が、月数百円。

もちろん、今なら分かる。

ブログ収益だけで才能の価値は測れない。

でも、そのときの僕には分からなかった。

「これだけやっても、この程度なのか」

そう思って、かなり削られた。

個人開発アプリにも逃げた

技術ブログがうまくいかないと分かると、次は個人開発アプリに目が向いた。

自分で何かを作り、それを売る。

うまくいけば、会社に依存しない収入になる。

そう考えた。

でも、ここでも別の問題が起きた。

僕は、一つのプロダクトに長くコミットし続けるのがかなり苦手だった。

不特定多数の人が使うアプリを出すということは、作って終わりではない。

アップデートする。
問い合わせに答える。
バグを直す。
UIを磨く。
ユーザーの要望を聞く。
長い関係を維持する。

その全部が、僕には重かった。

作ること自体はできる。

でも、プロダクトを育て続けることには向いていなかった。

僕はまた、こう思った。

「やっぱり、自分には商売になる才能なんてないのかもしれない」

今思うと、これも雑な結論だった。

問題は、才能がないことではなかった。

僕は、自分の才能を置く市場と、加工法を間違えていた。

僕は魚ではなく、缶詰を売ろうとしていた

ある日、テレビで漁師のドキュメンタリーを見た。

腕のいい漁師は、自分が獲った魚の価値をよく知っている。

そして、その魚がいちばん高く評価される市場へ運ぶ。

同じ魚でも、港が違えば値段が変わる。
同じ魚でも、刺身にするのか、干物にするのか、缶詰にするのかで価値が変わる。

その話を見たとき、僕の中で何かがつながった。

僕が間違えていたのは、ここかもしれない。

僕はずっと、自分の価値を「プログラミングスキル」だと思っていた。

でも、それは魚そのものではなく、加工品だった。

僕の中にあった魚は、たぶん「物事の構造を考えすぎるクセ」だった。

その魚を、会社員として使いやすい形に加工したものが、プログラミングだった。

技術ブログも、個人開発アプリも、その魚を別の缶詰にしようとしていただけだった。

でも、魚そのものに目を向けると、可能性は変わる。

構造を考えすぎるクセは、プログラミングだけに使えるものではない。

相談にも使える。
文章にも使える。
教育にも使える。
ビジネスの整理にも使える。
人がうまく言葉にできない違和感を、構造として見せることにも使える。

僕は、缶詰だけを見ていた。

魚を見ていなかった。

厄介な才能は、場所を間違えるとただの厄介さになる

ここで大事なのは、才能をきれいごとにしないことだ。

「あなたの欠点は全部才能です」

そう言われると、僕は少し身構える。

欠点は、実際に困る。

考えすぎるせいで疲れる。
確認しすぎて相手に面倒がられる。
一つのことに深く潜るかわりに、切り替えが遅くなる。
構造が見えると、表面的な話に乗れなくなる。

それは、たしかに厄介だ。

でも、厄介さは場所によって意味が変わる。

大量の情報に気づきすぎる人は、雑に流す職場では疲れる。

でも、リスクを拾う仕事では価値になる。

本質まで掘らないと気が済まない人は、早く数をこなす場では遅い人に見える。

でも、方針を整理する場では深い人になる。

空気より構造を見てしまう人は、場の流れを壊す人に見えることがある。

でも、誰も言語化できない詰まりを見つける場では助かる人になる。

厄介な才能は、どこに置いても輝く魔法ではない。

場所を間違えると、ただの厄介さになる。

でも、場所と加工法が合うと、ちゃんと値段がつくことがある。

この記事の有料部分では、その見つけ方を具体的に書く。

自分の魚をどう見つけるか。
どの市場に持っていくか。
どう加工すれば価値として伝わるか。
どの市場からは離れたほうがいいか。
最初の小さな実験をどう作るか。

才能を信じよう、という話ではない。

自分の魚を、どこへ運ぶかを決める話だ。

魚に名前をつけるところから、980円です

場所と加工法が合えば、値段はつく。ここまでは、方角の話だった。

買わない人にも、一つだけ問いを残しておく。

あなたが「欠点」だと思っているものは、誰かに感謝された場面では、何として働いていただろうか。

その答えの近くに、魚の正体がある。

ただ、正体が見えたあとで、ほぼ全員が同じ場所で詰まる。その魚を、スキル名で呼んでしまう。

調べるのが得意。細かい。粘り強い。こう名乗った瞬間、魚は市場にいくらでもある安い切り身になる。本当は誰も読み切れない資料を最後まで読める人なのに、「リサーチが得意」と書いた時点で、同じ棚の何百人と並ぶ。名前のつけ方だけで、値段が変わってしまう。

たとえば、この先ではこう名付け直す。

「調べるのが好き」ではなく、「誰も最後まで読まない資料を、読み切れる」

同じ魚だ。変えたのは加工法のほうになる。

この先で持ち帰ってもらうのは、才能を褒める言葉ではない。魚を名付け直し、運ぶ港を選び、合わない市場から降りるための地図だ。980円をつけたのは、この名付け直しのところになる。

この記事は、有料マガジン「発達凸凹のキャリア設計—「頑張ってるのに報われない」を変える」にも収録しています。

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会社員、副業、フリーランス、リモートワーク、AI活用、値付け、売り込みへの抵抗まで、DASHI自身の経験と構造思考で整理した記事を25本収録しています。この記事単体ではなく、働き方全体の詰まりをまとめて見直したい人は、マガジンで読むのがおすすめです。

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