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見守り隊の正体

子供の小学校は、PTAの見守り隊と言って、朝黄色いタスキを掛けて30分立つ。
私は家の前がポイントだ。

横断歩道のない道路。

子供が来るたびに、

車来てないかな?

と思いながら、おはよう、いってらっしゃいと声を掛ける。

私は正直、こういうのが苦手だ。

元気よく挨拶したり、親同士で話したり。

そんな親御さん達を見ると、
すごいなぁと思う。

私もあんな風にしたらいいんかな?
とも思う。

でも私は、それ以上に、

もし目の前で子供が轢かれたら。

そんなことを考えてしまう。

常に最悪を想定する癖があるからだ。

道路を子供が横切る。

車は待ってくれている。

渡り切ったあと、思わず頭を下げる。

すると運転手さんも軽く手を挙げてくれる。

あれ?

私、頭下げるほどでもない?

いや、でも待ってもらったし。

そんなことまで考えてしまう。

私の頭の中は忙しい。

立つ前から、

日が当たったら日焼けするな。
日傘さそうか?

いや、状況を見るのに邪魔か。

サングラス?

子供怖いよな。

暑いから扇子は持っとこう。

8時30分までだけど、出勤あるし、10分前には歩き出していいんかな。

考えは浮かんでは消え、 浮かんでは消える。

ところが実際は、

立つ場所は日陰。

風もある。

扇子いらない。

傘もいらない。

8時25分過ぎにタスキを返しに行ったら、
半分以上の人が既に帰っている。

……。

私、考えすぎか。

笑える。

面倒くさいタイプだわ。

しかもその日。

朝の準備が遅くなり、
髪を洗ったのに乾かす時間がなかった。

見守り隊なのに、
私は半乾きの髪で立っていた。

日焼けや扇子や傘を心配する前に、
まず髪を乾かせよ、という話だ。

ところが、その日は風が心地よくて。

30分後には自然乾燥でちょうど良くなっていた。

心配していたことは何一つ起きず、

想定していなかったことだけが起きる。

人生、案外そんなものなのかもしれない。

でもその日、少し思った。

見守り隊って、子供を見守る活動だと思っていたけれど。

私の場合は、

「未来を心配している自分」を見守る時間なのかもしれない。

大丈夫かな。

こうした方がいいかな。

失敗しないかな。

頭の中で忙しく動き回る私を、

へぇ、また始まったなぁ。

と眺めている。

昔なら、
こんな自分を直そうとしていた気がする。

でも今は、

考えすぎるのも私。

先回りして心配するのも私。

そして結局、思ったほど何も起きないことを知っているのも私。

面倒くさいけど、

それを含めて私なんだなと思った。

そんな初夏の朝だった。


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#妻のやらかし

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