本気で遊ぶ父は、信用されるらしい 第27話「一緒に笑った数は、裏切らない」
子どもとの思い出って、
何が一番残るんだろう。
旅行。
遊園地。
誕生日。
クリスマス。
もちろん、
そういう特別な日は覚えている。
写真も残っているし、
「あそこ行ったね」
って話にもなる。
でも、
不思議なことに、
何年経っても覚えているのは、
もっとどうでもいい瞬間だったりする。
家の中で、
意味もなく追いかけっこした日。
布団に潜って、
なぜか全員で笑いが止まらなくなった夜。
くだらないダジャレを言ったら、
子どもがツボに入って、
何度も同じことを言わされた時。
変な顔をしたら、
「もう一回やって!」
と言われて、
調子に乗って何回もやった。
今考えれば、
何がそんなに面白かったのか分からない。
でも、
その時は本当に笑った。
子どもも笑っていた。
私も笑っていた。
たぶん、
それだけだった。
親になると、
つい、
「思い出を作らなきゃ」
と思うことがある。
どこかへ連れて行こう。
何か体験させよう。
特別なことをしてあげよう。
もちろん、
それも素敵なことだと思う。
でも、
思い出って、
作ろうとして作ったものだけじゃない。
むしろ、
何でもない日に突然できる。
夕飯の時。
お風呂の時。
車の中。
寝る前。
公園から帰る途中。
そんな普通の日に、
なぜか全員で笑った。
それだけのことが、
後になって、
妙に残っていたりする。
子どもが小さい頃、
私は遊ぶ時、
いつも本気だった。
鬼ごっこでも。
相撲でも。
ゲームでも。
子ども相手だからって、
わざと負けたりはしない。
普通に勝ちにいく😂
「パパ大人げない!」
と言われても、
こっちは本気。
だって、
こっちが手を抜いたら、
たぶん子どもにも分かる。
だから、
勝ったら本気で喜ぶ。
負けたら本気で悔しがる。
すると子どもも、
「もう一回!」
って笑いながら向かってくる。
そして、
また本気でやる。
何の役にも立たない時間だった。
勉強になるわけでもない。
将来に役立つわけでもない。
でも、
今振り返ると、
ああいう時間って、
意外と大事だった気がする。
一緒に笑うって、
たぶん、
「あなたといると楽しい」
って伝えることなんだと思う。
言葉にしなくても、
笑っているだけで伝わる。
子どもからすると、
大好きな大人が、
自分と同じことで笑っている。
それだけで、
ちょっと安心する。
「ここにいていいんだ」
「自分は受け入れられている」
そんな気持ちになるのかもしれない。
もちろん、
その頃の私は、
そんなことまで考えていなかった。
ただ、
面白かったから笑っていただけ。
でも、
それでよかったんだと思う。
親子だから、
いつも仲良しだったわけじゃない。
叱った日もある。
ケンカした日もある。
言い過ぎた日もある。
疲れていて、
全然遊べなかった日もある。
でも、
その間に、
何度も笑った。
くだらないことで。
意味もないことで。
同じことを何回も繰り返して。
たぶん、
その笑った時間が、
少しずつ積み重なっていた。
貯金みたいに。
子どもが大きくなると、
一緒に遊ぶ時間は減っていく。
追いかけっこもしない。
変な踊りをしても、
昔ほど笑ってくれない。
むしろ、
冷たい目で見られる😂
それでも、
昔の話をしている時、
「あれ覚えてる?」
と聞くと、
意外なことを覚えている。
私が忘れていたことまで、
覚えている。
そして、
その多くが、
何かを買った話ではなくて、
一緒に笑った話だったりする。
だから今は思う。
子どもとの時間で、
何をしてあげればいいか分からなくなったら、
とりあえず、
一緒に笑えばいい。
高い場所へ行かなくてもいい。
特別なイベントじゃなくてもいい。
豪華なプレゼントもいらない。
くだらないことで、
本気で笑う。
その時間は、
たぶん無駄にならない。
笑った回数を、
子どもが数えているわけじゃない。
親だって数えていない。
でも、
その積み重ねは、
ちゃんと残る。
私は、
そんな気がしている。
子どもと一緒に笑った数は、
目には見えない。
写真にも全部は残らない。
でも、
親子の間には、
ちゃんと残っている。
だから、
一緒に笑った数は、
たぶん、
裏切らない。
そして今日も、
子どもがくだらないことを言ったら、
私は笑ってしまうと思う。
たとえ、
同じネタを10回聞かされても。
……11回目くらいからは、
ちょっと厳しいけど😂
▶ 次回予告
第28話「叱った日より、遊んだ日の方を覚えている」
親は、
「あの時、怒りすぎたな」
「もっと優しくすればよかったな」
と、
失敗した日のことを意外と覚えている。
でも、
子どもに聞いてみると、
覚えているのは別のことだったりする。
親が覚えている後悔と、
子どもが覚えている思い出は、
案外違うのかもしれない。
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