フランスの石鹸の歴史は1200年以上!?国が認めたマルセイユ石鹸を紐解く🌈
今から1200年ほど前、地中海沿岸にあるマルセイユ(フランス)やサボナ(イタリア)で始まった、本格的な石鹸づくり。
この二つの地域は、石けんの材料となる『オリーブ油』や『海藻』が豊富に採れる地域で、この二つを焼いて作られる『ソーダ灰』を原料とした石鹸づくりが、今でも盛んに行われています。
これは、古代ローマの時代から行われていること。
石鹸には、想像以上に古い歴史があったんです。
石鹸が使われるきっかけになったのは、古代ローマの公衆浴場。
通称『バルネア(balnea)』や『テルマエ(thermae)』と呼ばれるところで、映画『テルマエロマエ』の舞台になったのもこの時代です。
古代ローマの人々にとって、お風呂は、とても重要な場所。
1日の大半をお風呂で過ごし、日によって、一日中いることもあったそうです。
裕福なローマ人が複数人の奴隷を引き連れてやってきた。料金を支払った後、熱い床から足を守るためにサンダルを履き、服を脱ぐ。奴隷は、主人のタオルを運び、飲み物を取ってくる。
入浴前には運動を行う(ランニング・軽いウェイトリフティング・レスリング・水泳など)。
運動後、奴隷が主人の身体に『オイル』を塗り、(木製または骨製の)肌かき器でオイルとともに汚れ(穢れ)を洗い流す。
このときのオイルが、後の石鹸の原料となる『オリーブ油』。
ただ石鹸の原型が生まれたのは、さらに前のこと。
当時のローマには、『サポー(Sapo)』と呼ばれる風習がありました。
サポーとは、丘の神殿で羊を焼いて、神に捧げる風習。
このとき、
「羊から出てくる脂と木の灰が混ざり合い、石鹸のようなものができた」
それまでは、灰汁を使ったり、水洗いで洗濯をしていました。
「汚れを落とす不思議な力を持つ土がある」
この土を使って、衣類の洗濯をし始めたのが始まりです。
ちなみに、英語の『ソープ(Soap)』は、この丘の名前に由来します。
つまり、石鹸は、偶然の産物で生まれたものだったんです。
石鹸が本格的に作られるようになったのは、
「草や海藻を焼いた灰に含まれる『アルカリ成分』と『油脂』が反応すると、石鹸ができる」
この原理が分かってから。
8世紀頃のエスパニア(現在のスペイン)やイタリアでは、動物性脂肪と木や海藻の灰を混ぜた『軟石鹸(軟らかい石鹸)』が作られるようになります。
ただ、かなり匂いがきつい石鹸だったようです。
そこから、12世紀に入り、現在の石鹸に近いものが登場します。
地中海沿岸で採れるオリーブ油と海藻の灰を原料に作られた『硬石鹸(硬い石鹸)』です。
硬石鹸は、今の石鹸に近いもので扱いやすく、軟石鹸とは異なり、嫌な臭いもしなかったため、ヨーロッパで高い人気を博します。
この硬石鹸の製造が盛んに行われたのは、フランスの『マルセイユ』やイタリアの『サボナ』や『ベネチア』。
ちなみに、サボナは、
「フランス語で石鹸を意味する『サボン(savon)』の語源になった地域」
そこから、特にフランスのマルセイユは、石鹸工業の中心地として栄えます。
ここで作られ、日本でも昔から使われている『マルセル石鹸』は、
・特産のオリーブ油と海藻灰を主原料にしている。
・品質に優れている。
・水に溶けやすい。
そのため、生糸の精練、絹や毛織物の洗濯などに使われていました。
そこから時は流れ、16世紀初頭、フランスでリネン(亜麻)工業が盛んになり、石鹸の需要が拡大。
17世紀に入ると、フランスは、高級石鹸の産地として確固たる地位を確立します。
しかし、同時に、マルセイユ石鹸の名を冠した模造品も多く作られるようになります。
それを知った(当時の)フランス国王ルイ14世は、1688年に厳しい製造基準を設け、次のような王令を発します。
「暑さにより石鹸の密度が損なわれる6・7・8月の石鹸製造は禁止」
「5月1日以前はオリーブの実が未熟すぎるため、最終搾りのオリーブ油のみを使用する」
「オリーブ油以外の原料油脂を使うことを禁止する」
「違反者は石鹸を没収する」
最終的に国が認め、「王家の石鹸」とも呼ばれるまでに至った『マルセイユ石鹸』は、品質の高さも相まって、貴族や上流階級の人たちに愛用され、今でも、その品質は担保されています。
そんなマルセイユ石鹸は、現在、ネットでも購入することができます。
この機会に、皆さんも、マルセイユ石鹸を使ってみてください😌
最後まで読んでいただきありがとうございました🌈
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