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UXリサーチャーがn8nでアンケート管理ワークフローを作ってみた

こんにちは!スマートバンクのUXリサーチャー、Harokaです。
スマートバンクでは、エンジニア組織の中に委員会制度があり、中でも投資委員会が全社のAI活用・推進を担っています。

今回のブログでご紹介するのは、カスタムワークフロー自動化ツール、n8nのリサーチ業務への活用事例です。

巷で使っている方を見聞きするようになったのと、リサーチ活動の定型業務で人間が対応するがゆえの課題もいくつか感じていたこともあり、EM
mitaniさんに相談。すると、「投資委員会で対応します!」と快いお返事をいただき……8月現在、ワークフローを自力で作れるようになりました🎉

このブログでは、n8nを触ってみたいけどどんなツールかな?と気になっている方や、定型業務があり効率化したい・AIに任せて質を担保したいと考える方に向けて書いています。
具体例として、Slackで担当者にタスクを通知するアンケート業務ワークフローを紹介しているので、よかったら参考にしてみてください☺️


n8nとは何か?

n8nは、カスタムワークフローを作成できる自動化ツールです。
異なるWebサービス同士を連携させ、データを自動的に移動・操作するなど業務を自動化できるため、繰り返しの作業を代わりにこなしてくれるアシスタントのような存在とも言えます。

連携できるサービスは、Notion、Slack、Gmail、Google Sheetsなど。日常業務でよく使うツールがほぼ網羅されている印象です。

トリガーとなるツールを選ぶ時の画面。見慣れたツールがたくさん

個人的には、プログラミングコードを書かなくても、視覚的にサービス間の連携フローを作成できるところもわかりやすいと感じます。
後述しますが、生成AIにプログラミングコードを書いてもらったものをベースにワークフロー構築することもできるため、自分でプログラミングコードを習得しなくとも、やりたいことができるというのが正確な気づきかもしれません。

🪢n8nでできることイメージ
・興味ある分野で新しい記事が出てきたらSlackに通知する
・Notionでチェックボックスが更新されたら、自動的にSlackに通知する
・Googleフォームに回答があったら、自動的にスプレッドシートに整理してメールを送る
・お客様からの問い合わせを適切な担当者に振り分ける…etc

ユーザーが作ったテンプレートも参考にできる(ダウンロードして使える🎁)ので、どんなものかイメージするとき役立つかもしれません。

RAG Chatbot for Company Documents using Google Drive and Gemini
(引用:https://n8n.io/workflows/2753-rag-chatbot-for-company-documents-using-google-drive-and-gemini/)

n8n勉強会に参加、ツールの操作に慣れる

投資委員会から、tanihiroさんをアサインいただき、勉強会の実施や、各種ワークフロー作成時の相談対応など進めてくださいました。

マーケターやエンジニア、BizDevなど職種混合で、まずはツールそのものの使い方を学んでいきます。

tanihiro先生による勉強会✏️ 「n8nと仲良くなる会」良い!

勉強会では、n8nを操作する上での基本的な考え方を習得しました。
まず、取り扱うワークフローについてです。

tanihiro先生のわかりやすい説明
ちなみにこのスライド、Claude Codeに作成してもらったそうです

「一連のタスクを順序立てて実行する」流れですが、ここで、2つのアプローチを意識すると、後の設計に役立ちます。

既存業務をタスクに分解したあと…

  1. 人間が進めるやり方(従来のやり方)でタスクを並べる

  2. AIにすべて進めてもらうと仮定して、タスクを並べる

    1. タスクを達成する目的から逆算して、再構築する

まずは1で既存業務を言語化し、その上で、AIを主語にして同じ業務を進める場合どうなるか?を考えます。

人間の場合、休日や深夜帯に稼働しない・並行して対応するには負荷が大きい業務は避ける等の事情を考慮してワークフローを組むことがありますが、AIにはそういった制約はなさそうです。すると、意外と順番を組み替えたり、今とは別のツールを使う気づきが生まれます。

n8nを使う時のコツ

n8nでワークフロー設計する時に注意しないといけないのが、図にある「左のタスクからInputを受け取り、右のタスクへOutputを渡す」考え方です。

実際の画面では、こうなっています。

そのため、前のタスクで出力されていないデータは受け渡しできないことに留意する必要があります。
出力されていないデータは引っ張ってこられないという仕様を踏まえて作っていきましょう(私はこれに気づくまで、たくさん失敗…👻)

操作画面はこんな感じで、つなげたいツール(ノード)をドラッグ&ドロップで配置し、ノード内の設定を進めていきます。

ノード一覧から選んでキャンバスに追加
実際にみんなでn8nを触って試してみます

一通り、n8nでできそうなところを学べたので、早速リサーチ業務でn8nが向いていそうなところを洗い出していきます。

[Tips] Human in the Loopを取り入れてワークフローを検討する

ワークフローの基本的な考え方を踏まえ、リサーチ業務において、定型業務はあるものの、“システムで一方通行できる業務”と“人によって対応を変える業務”の2種類に区分できそうだと感じました。

💫 システムで一方通行できる業務
・毎回同じパターンの作業(メール送信、データ転記、通知など)
・リマインダー、フォローアップなど
・複数のツールをまたがる情報更新

🛑人によって対応を変える業務
・例外的なケースへの対応
・その人の状況に応じた適切な連絡
・感情的な配慮が必要なコミュニケーション

特に、人によって対応を変えるところをどう折り合いをつけるか悩ましかったのですが、tanihiroさんから、途中で人間の判断を挟み、引き続きワークフローを続ける考え方(Human in the Loop)を教わりました。

Human in the Loopを上手に使ってワークフローを構築する

ワークフローは、自動化できると効率化・省力化できる良さがある一方で、人間が最後まで主導権を握る構造にしておく必要があります。特にリサーチ業務は相手が存在することもあり、直接的な信頼関係に影響しかねません。

AIがどこで何を間違えたか、どこを直すと解消できるか人間がわかるようにする

仮にワークフローがうまく動かなかったとしてもリカバリーできるような領域、処理状況がわかる領域から始めると良さそうかな?と思って自分のチームに持ち帰って検討を進めました。

インタビュー連絡、アンケート業務推進の2つにフォーカス

勉強会を受けて、私がn8nが活用できそうと思ったのは、以下2つの領域でした。

1. インタビューの連絡まわり
2. 非リサーチャーと進める際のコミュニケーション補助
(特にアンケート調査)

スマートバンクでは、調査手法の中でも、インタビューが多く、お聞きする人数が増えれば増えるほど対象者への連絡タスクが重くなります。
同日に複数回のインタビューが実施される場合、お名前や開始時間など間違えてはいけない情報を取り扱うのですが、人間が目で見て入力するため、ケアレスミスが起きてしまう可能性があります。

「対象者の方ごとに正確に対応ができたらなあ…🧐」と思って色々触ってみた結果、インタビューの進行状況に応じて、異なる対応が必要になる場面について、「もしxxなら〜する」条件分岐処理もn8nでできるとわかりました。

対象者ごとに対応が変化するケース、例えば金曜日の夜にインタビューを実施、謝礼のお渡しが経理都合で翌週にまわる場合など、条件分岐処理を挟んで連絡メールを送るといった細かなフォローアップも組み込めそうです。

まず自分の業務を全て言語化するところからスタート
リサーチ業務全てを上記の表にまとめ、AIツールが活用できるか検討を進めた

本件に関しては、インタビュー日程調整完了の予定から対象者へのメール送信、Notionのデータベース更新を連携させた事例を、TECH Street様の記事でコード含めご紹介しています。ぜひご参考になさってください。

【活用事例】アンケート周りの職種間連携

もう一つ、私が考えたのがアンケートタスクを非リサーチャーと進める際のコミュニケーション補助でした。

スマートバンクでは、PM、マーケター、広報などの職種が既存ユーザー向けにアンケート調査を企画する際、リサーチャーが相談役を担ったり、実際に設計を進めています。

🌀職種間連携時の悩み

数万件単位でアンケート配信する場合、エンジニアに配信担当をアサインしてもらう・対象者条件に合う方を抽出してもらうなどのやりとりが必要となります。一定の時間を要するため、前もって相談しておかないと、希望の日程で配信できない可能性もあります。

以下の図にまとめ、アンケート業務の全体像が見えるよう整備していたのですが、いつのタイミングでどの職種に声をかけるといいか?何を伝えるといいか?が慣れていないとわかりづらく、連携がうまくいかないケースがありました。

スマートバンクで実施しているアンケートフロー
https://smartbank.co.jp/recruit/research-culture-bookより引用

連携漏れをなくすよう、リサーチャーがタスク状況を逐次確認し、後続の関係者にメンションして知らせていました。しかし、リサーチャーが休暇中の場合はどうしたら…🧐

📦アンケート業務の中で、「職種間の連携」が必要なコミュニケーションに着目して整理

これらの悩みを解決すべく、各職種間の連携の中でも、どのタイミングで何のタスクを誰に伝えておくべきか?という観点で整理しました。私の動きをAIに代替できないか?という問いです。

着目したのは、Slackでの連絡内容。これまでは、私が企画者をCCに入れる形で、適切なSlackチャンネルでお声がけしていました。

声かけしていた内容を収集し、どのタイミングで声をかけているかMermaid
図で整理しました。(全てのSlack投稿をコピペしてcursorで流れを整理してもらいました!)

Slackの投稿から分析し、タスク化したもの

ここから、Slackで声かけしているタイミングが7つに分解できることがわかりました。

7つの主要ステップを経てアンケート企画が進む
1. 調査概要作成・リサーチャー相談
2. エンジニアへの配信担当者相談
3.SREチームへの負荷相談・関係者告知
4. アンケート内容(設問・フォーム)作成
5. エンジニア配信
6. 配信完了・回答監視
7. 分析・レポーティング

🤖AIが「リサーチャーの代わりにガイドする」設計に

「企画者が次に何をすべきかタスクを確認し、企画者がタスクを終えたら関係者にメンションして知らせるよう導く」と再整理することで、AIがリサーチャーの代わりにガイドできるようになりそうです。

企画者の立場で考えると、これまで進めてきた流れをベースに、以下を満たすと負荷が少なく進められると考えました。

  • Slackを見れば次やることがわかる

    • 次に何をすべきかタスクが確認できる

  • 更新先のページは一つで、それを元に各職種と連携が取れる

    • 調査概要やメール本文など伝えるべき内容がすべて書かれている

ガイドするだけなら、Slack通知で完結できる?と考えましたが、調査概要のページでタスクの進み具合によってガイドを出しわけたり、現状どういうステータスになっているかをわかりやすく表示するために、Notionページの情報を取得・更新できるn8nが向いていそうでした。
※n8nの方が、Slack投稿文の編集も太字や囲み字、ブロックで書けるなど柔軟性が高い印象💭

🔧進捗管理しつつ、次のタスクを明示する

更新先のページは一つで、それを元に各職種と連携が取れる」について、調査概要ページだけを更新して進めるよう整備しました。
負担も極力少なくなるよう、ボタンを押すと手順が明記された調査概要ページが作られるようにしています。

実際のアンケート配信ページ。7つのステップを紹介
Slackのボタンを押すと、Notionステータスラベルが更新される

上記7つのステップを進捗管理のステータスラベルに変換し、企画者のアクションと完了定義を明記しました。
このラベルを起点に、メッセージを出し分けていきます。

作業ページには、以下の画像のように、各ステップごとのタスクをチェックボックス形式で書き、✅が全てついたら次に進むことを明示しています。
作業ページのテンプレートを用意し、デフォルトで追加されるようにしておくと安心です。

01_企画中のステータスの時は、プロパティの更新と調査概要の入力がタスク
終わったらSlackボタンで知らせる流れ

タスクが終わったら、Slackで「完了」ボタンを押したら次のステップへ。調査概要ページの作業手順と対照させたメッセージが届く、今自分がどこにいるか・何をすべきか調査概要を見るとすぐわかります。

企画者は、ボタンを押したらSlackでやることが届くので、それに沿って対応を進めるだけになりました。

実際に届くSlackメッセージ。調査概要の作成・相談完了ボタンを押すと、
2つ目のタスク(エンジニアへの工数相談)ステップに進みます。

n8nワークフローを取り入れた結果、業務フローがずいぶんスッキリしました🎉

改善したAfterはこんな感じ。複雑な職種間連携をn8nが担うようになった

👩‍💻実際に構築したワークフロー(コード付き)

実際に作ったn8nのワークフローの概要です。
基本的な構成としては、Slackで完了ボタンを押す→Notioの進捗管理のプロパティを更新→Slackで次のタスクを通知 となります。

トリガーは、Slackで完了ボタンを押した時(Webhookノード)

ワークフローのサンプルコードを以下に示します。
ダウンロード→n8nキャンバスの右上にある三点リーダー→import from fileでお手元のn8nキャンバスで再現できます💪

ワークフロー構築時のポイント

上記ワークフローを構築する際、気をつけたのは情報共有の観点でした。アンケートタスクは、短期間で複数の職種と連携・調整することがあり、かつ、タスクが完了していないと次のタスクに進めない性質のものを取り扱います。

そのため、ワークフローでSlack通知される際、関係者をメンションしておくと現状誰がどのボールを持っているかわかりやすくなると考えました。

進捗の見える化👀
・プロジェクトの進行状況がSlackで共有される
・作業内容と期限が明確に示される
・チーム全体で進捗を把握できる

普段チームメンバーが目にするSlack通知をn8nワークフローの肝に据えることにより、必要十分な情報がリアルタイムで確認しやすいように工夫しています。

今回はアンケート業務で使いましたが、他の業務においても、以下のような特徴があれば、n8nを使って考えるとうまく進むかもしれません💡

  • タスクの順番が決まっている

    • タスクAが終わってからでないと、タスクBに進めない

    • 関係者が多岐に渡り、情報共有しながら進める必要がある

  • 情報管理をNotionやスプレッドシートで行い、管理先を更新する

    • その状況に合わせて動的にワークフローを変える

AIツールによって、リサーチ業務をより効果的に進められる可能性が増えてきたと実感しています。
これからも色々トライしてアップデートを進めていきます!


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