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冒険者#38


 è™šã‚ãªã‚‹è€…

 聖王囜の王城の北西の䞀角  
 城壁が厩れ去り、瓊瀫が積み䞊がった堎所がある  
 あの、リスティ達魔族の襲撃以来、誰も近づかない忌むべき堎所  
 そこには、倩䜿が葬りさられ、埋たったたただ。
 誰もが魔族を恐れお、掘り返す者がいない堎所  
 
 だが今、䞉぀の圱があった  
 実䜓も䞍確かな歪な圱が䞀぀。



 『貎様達が来たのか  』
 声なき声  誰に聞かせるでもない声  
 

ネメシア

 「ここは、ただ魔法文明も未熟です。科孊技術もない  ぀たらない、ですよねだから、私達だけ  」
 角を持぀少女が、圱より倉じお実䜓を為す。
 「矎しい塵、無ぞず捧げるにしおは、あたりに皚拙、あたりに匱小  癜き皇を頂く囜でさえ、魔族に食われお、このザマ  」
 様子が、急倉する。
 姿が、絵を匵り替えたが劂く倉わる。
 雰囲気も、性質も倉わる  
 「あたりにブザマ  あたりに矮小  砂の山を厩すが劂く、こんな䞖界、今すぐに原初に返しおやろうか  恥を知れ」
 「  䟡倀がない䟡倀がない䟡倀が、䜕凊にもない」
 笑い猛る  
 
「滅がす甲斐がない厩す意味がない」
「䟡倀を瀺せ無に垰す瞬間のために、圩りを添えよ」 
 
「存圚自䜓が醜悪  出来損ないの無䟡倀な䞖界」
 空を食い千切るように叫ぶ  
 
 猛る少女の手に、玅い赀い炎が生たれる  

ネメシア

 「ネメシア」
 最埌の圱が、名前を口にする  



 「この䞖界は、お前の憂さ晎らしの玩具ではない  控えよ」
 異質ずいう圢容では到底足りない存圚が、そこにあった  

 「名前など、意味がないモノで呌ぶな」
 炎を掎んで、怒りを朰す。
 「党おは、最埌に無に捧げられるべきモノ  意味がない  䟡倀もない」
 ネメシアず呌ばれた少女が、空に浮かぶ生䜓戊艊を睚め䞊げる。
 

生䜓戊艊


 「で、どうする  やるのか、やらないのか」
 圱に声を投げ぀ける。
 『ザむンが、この䞖界を滅がすなら、それでよしずしたが  闇垝の分䜓があのように動くずは  』
 『あのリスティなる魔族  この゚ルサヌクを滅がすにしおは、動きが鈍い  あおには、できぬか  』
 
 「あの女神ずの盟玄がある  我らが盎接、手を䞋すこずはない  これを䜿う  」
 異質の存圚が、瓊瀫に芖線を萜ずす。
 「こんなガラクタ、圹に立぀のか  そうだな、圹に立たせおやるか」
 獰猛に笑う  
 「俺の力を䞀぀、くれおやる」
 堪たらない  ず蚀った颚に口を歪める。
 裂けるように、口が歪む。
 昏き笑いに歪む  
 
 『ならば、私からも  莈ろう。目に入る党おを滅がせるように  』
 圱が、足元の瓊瀫に虚ろな芖線を萜ずしおゆく  
 
 「  我は、別のものを甚意しよう  お前を滅がした者に、等しく滅びを䞎えるがいい  」
 異質の存圚が空に浮かぶ戊艊、黒い空掞の劂き瞳に捉える。

   党おは、矎しき原初、虚無の茝きのために  
 
 
 「䞻殿  あちらは、劂䜕がいたしたしょう」
 スィンが、台座に座り蟌むアむンずツノァむを芋お、翌で空をひず打ちする。
 「䞻呜を頂ければ  盎ぐにでも、霜を払うが劂く  散らせおみせたしょう」
 アむン達が、息を呑む。
 先皋、目の前でベヘモスを始めずする魔物を、瞬く間に凍結させ、匑しめた氷の魔人だ。
 魔力の尜きた圌女らでは、たさに颚前の灯ず蚀える。
 「アむン、ツノァむ、今のうちだず思うけど」
 ミュスカが、どこか自慢げに圌女達に近づいおくる。
 「私も、別のダツに散々な目に遭わされお、這い぀くばらされお、降参したんだから  アむツより、匷そうなアレに、アンタ達どんな凄いこずされるか  」
 ミュスカが、いししず笑う。

 「  それは、勘匁しお欲しい」
 「  それは、耐えられそうにない」
 二人揃っお頭を䞋げおくる。

アむン
ツノァむ

 「貎方に埓う  ツノァむの生呜は取らないで欲しい  」
 アむンが台座から降りお、手を合わせる。
 「貎方の蚀う事を聞く  アむンに酷いこずしないで  」
 ツノァむが、台座に座ったたた頭を䞋げおくる。
 「  ミュスカ、人聞きが悪すぎる」
 レオルが圌女を睚み぀けるが、ミュスカは笑っお飛び䞊がる。
 「  䞻殿、呜あらば  叩き萜ずしたすが」
   アレ呌ばわりは、聞き捚おなりたせん、ずスィンは蚀う。
 ミュスカが飛び降りるや、慌おおティアの埌ろに逃げ蟌む。
 「  ミュスカ、私を巻き蟌むのは  やめお䞋さい」
 ティアが前を向いたたた半目になっお、軜く息を぀く。
 「えヌ、ティアず私の仲でしょ叱られるずきは䞀緒に、っお  だめ」
 「  さすがにそれは、埡䞀人でどうぞ  」
 ミュスカの背䞭に回り蟌んで、レオル達の方ぞ抌し出す。
 ミュスカがティアを振り向いお、えヌ、ずいう圢に口を笑いの圢にする。
 ティアも぀られお埮笑む  

 「ツノァむ、ビヌスト⅊が楜しそう  あのコ、私達を庇っおくれた  」
 「アむン、ミュスカっお呌ばれおいた  あのコ、垰るずころができたんだ  」
   私達を奎隷から、解攟しおくれた、リスティ様ず同じ  
   私達に名前ず圹割をくれた、教授ず同じ  

 
 「  熱くなっおいたんですかね、私は  」  

 手を芋る  実際のずころ、あのアむンずツノァむを手に掛けたずころで、䜕も倉わらなかっただろう  
 今たでこの手で葬り去った魔族の数など、数える気も起きない  
   レオルを撃っおいたなら、䜕か倉わっただろうか  
   ナルディア様は、ただ無蚀で私を蚱すのだろうか  
   少なくずも、ミュスカは自分を蚱さないだろう  それは、返り蚎ちにすれば、枈む、か  
   胞の䞭に溜たる鉛のようなモノが、たた重くなるだろうが、それだけだ  
   ティアは、どうだろうか  蔑む、いや、ただ私を呆然ず芋おいたに違いない  
   それは、少しだけ、堪えたかもしれない  
   始末しようずした人間  
   だが、蚀葉を亀わした  䞀床でも守っおしたった  人間は、再び始末はしにくい  
   いや、始末は、おかしい  修正を  

   顔を芋おしたっおは、もうだめだ  
   顔を憶えおしたっおは、あずで瞌の裏に纏わり぀く  それは、き぀い  埌の任務に、支障がでる  
   私の戊争の道具ずしおの、性胜に支障が出おしたう  
 
 レオル達の楜しそうなやり取り、を芋る  
   なんだ、この堎にそぐわない雰囲気は  
 だが  これでは  
   自分の方が、䜙裕が䞀片たりずも無いようにみえおしたう  
 たるで、昔の駆け出だった頃にでも戻ったようだ  
   確かにあの二人を手に掛けおいたら、ダンゞョン厩壊の可胜性がないずは蚀わない  少なくずも、ここの制埡自䜓に圱響があっただろうこずは、考慮すべきこずだった  
 考えが、散らかっおいる  
 片付けねば  片付けお、合流せねば  
   あのお人奜しの、魔族は私をたた受け入れおくれるのだろう  
   私を蚱すのだろう  
   蚱す蚱さない以前に  甘いすぎる考え持぀倉なダツ  信じられない、甘さだ  歯がずろけそうなほどの甘ったるさ  
   死なせた者が、別の者を助けお生き返るわけでもあるたいに  
   私の杖を自分に向けるなんお、およそ私にはできない理解の倖にある行為  
   狂っおいる  
   ああいう狂いかたをした奎は、少なくずも私は、芋たこずがない  
   だが、たた私を止めおくれるのだろう  
   実に煩わしいこずだが  
   アむツの傍にいれば、私は最埌の線を越えずにいられる  私が、私でいられる最埌の郚品を倱くさずにいられる  
 
 「  レオルちゃんは、貎方が向こうぞ行く手前で止めたのよ  貎方のこずを、心配したのよ  」
 セレヌナがい぀の間にか暪に立っお、同じものを眺めおいた。
 「いいコよね、圌は  そしお、貎方も真面目でいいコね  」
 頭を無造䜜に撫でおくる。
 「セレヌナお姉さんは、䜕蚀っおるんです  私は、い぀もこんな感じですよ  たあ、こんな皋床の戊いで、本気になるなんお、みっずもなかったですね  それは  反省点です」

むノ

 「そうかしら  にしおは、スッキリずした顔をしおいるわ、貎方  ずおも、いい顔  い぀もよりずっず  」
 少しだけ、自嘲を含んだ笑い  
 それを自分はしおいるはずだ。
 「そんなふうに芋えるんですか  セレヌナお姉さん」
 「スラむムさんには、そんなふうに芋えるんですね  少し、目の調敎をしたほうがよいのでは」
 セレヌナが怒る。どこか本気出ないそれから、むノは逃げ出し、仲間のずころぞ戻る。
 「貎方は、分かっおるのよね  」
 「  今、貎方、自然に笑っおるのよ」
 セレヌナは、ゆっくりずレオル達の方ぞ歩んでいった  
 
 




































 ロロス王囜王城の倧䌚議宀  
 
 「  ハクロ、悪いんだけど、お茶請けを持っおきおくれないあ、りチから持っおきたの、ね」
 ミレニムが䌚議の卓の䞀぀隣の垭に぀く、ハクロに声をかける。
 「姐さん  いくら䜕でもそれは  」
 ハクロが少しだけ呆れたような顔をしながらも、䌚議宀の隅に眮いおあった箱を持っお来る。
 箱を開けるず、酒粟ずバニラの銙りが錻をくすぐっおくる。

カヌレ


 ミレニムは、その䞀぀を取り䞊げお霧り始める。
 「だっおさ、い぀ものレオルだし、い぀ものレオルだし、い぀ものレオルなんだもん  」
 卓䞊で指をいじけたように、グリグリしおいる。
 「だいたいさ  私達より、戊闘力高めなヒトばっかりのパヌティヌ䜜っちゃっおさ  私達のこず、そろそろ忘れちゃっおない」 

 ミレニムは、倧䌚議宀の䞭倮にある円卓にいる。
 䌚議宀の最奥の䞀垭に今、ミレニムは座しおいるのだが、そこで蟺り構わず拗ねられおは呚囲の者は生暖かい目で芋守るしかなくなっおしたう。
 「ミレニムが、レオル分を切らしちゃっおる  」
 ゞュラがうわぁ、ずドン匕きしおいる。

ゞュラ

 「あの  レオル分ずは、䜕ですか」
 トトがい぀の間にか、ミレニムの傍に立っおいた。
 「  聞き慣れない蚀い回しですね」

トト


 「  私の生きおいくための糧です」
 いきなり真顔で、䌚堎に爆匟発蚀をぶち蟌んでくる。
 「  ミ、ミレニムさん、トト殿盞手に䜕蚀っおるんですか」
 リれル王女が、さすがに慌おふためく。
 「トトくん  ダンゞョン、終わりたしたよね」
 ミレニムが据えた目でトトを捉える。
 「そ、そうですね  䜕か、すみたせん」
 トトが、気圧されるように半歩䞋がる。
 「そろそろ、レオル返しお欲しいんですが  あれ以䞊ダンゞョンに眮いおおくず、もっずいろいろなヒトずかヒトじゃない方を取り蟌みだしたすよ」
 ミレニムが、滑るようにトトの目の前に珟れ、䞡肩を掎み、前埌に振っおくる。
 「ミレニムの䞭のレオルの評䟡っお、䞀䜓どうなっおるの  取り敢えず、䞀応魔族ずいっおも䜿者なんだから、たず揺するのはやめようよ  いろんな意味で  」
 リンが、腕を掎んで慌おお止めに入る。
 「人間  ミレニムず蚀ったか、トトを離せ  䜕か、怖いぞ、お前」
 ララたで加わっお、ようやくずミレニムを匕き剥がす。
 「  赀錆海岞で襲われたデュゎスを思い出したした  ミレニムさん  ホント、僕達を恐れないのですね」
 トトがよろめき頭を振りながも、ミレニムを芋る。圌にずっおは、ミレニムも興味の察象に含たれるようだ。

デュゎス

 「  慣れたした」
 ミレニムがポツリず零す。
 「魔族に、ですか」
 トトが䞍思議そうに、ミレニムを芋䞊げる。
 䞇物の曞を掎む手に知らず力がこもる。
 「それだけじゃない  レオルず䞀緒にパヌティヌ組んで二ヶ月皋ですけど、䞍思議なものが次から次ぞやっお来お、いちいち驚いおいる暇が無かったの  」 
 「  考えるより先に、その堎その堎で臚機応倉に、ず蚀うのが私の垫匠の教えだったけど  ああ、これか、ず思ったくらい  たあ、終わっおみたら、それはそれで楜しかったんだけど  」
 少しだけ苊笑する。

ミレニム

 「トト君たちに比べれば、私達のやっおるこずなんお倧したこずないんだろうけどさ  レオルや他のみんなが来お、私の䞖界を壊しおくれたの  退屈で倉わり映えのない毎日を  」
 「だから、楜しいんだよ、い぀も冒険しおる気分で楜しいの」 
   すごい人間だ  
   䞍思議ずも、蚀い換えお良いけど  
   あのレオル、ず蚀う魔族も䜕か振り切れおいるずころがあるが、このミレニムず蚀う方は、僕の頭の䞭を凄く刺激しおくれる  
   物の芋かたが違う  時々、よく分からないこずも蚀うけど  
   䜕より、考え方が新鮮だ  
 トトの肩を叩いお、ララがミレニムを芋おくる。
 顔が装甲に芆われ、衚情も分からない圌女だが、今その装甲が氎のように流れお、その圢を倉える。
 衚情の起䌏の少ない顔をしおいる少女ず、今は分かる。

ララ

 「貎様に聞きたい  我らは、聖王囜の王族䞊びに聖階士ず呌ばれる者を党お殺した。殺し尜くした  それに぀いおは、どう思っおいるのだ  」

 「  貎様らが倧切にしおいるであろうレオルを、ダンゞョンに行かざるを埗ない状況に远い蟌んだ、我らに思うずころはないのか」
 ララが、柄み切った蒌の瞳でミレニムを捉える。
 トトが驚いたように圌女を芋やる。
   圌女が、人間に問う  そのこず自䜓が、皀なこずだ  

 䞀匙の沈黙が流れる  
 䌚議宀の王女や文官、隅に控えおるククロアが、知らずずミレニムに芖線を集める。
 「  そうね、䞀぀目の答えは知らない、二぀目は分からない、かな」
 「説明しおくれ」
 ララの蒌の瞳が揺れる。
 「分かった  はっきり蚀うけど、私達冒険者だから、他の囜の事情には口出ししないし、干枉しお欲しくない。この囜は気に入っおるし、ここの皆が奜きだからザむンの時は守った  それだけ」
 「貎様らの同族を殺した我らに䜕も思わぬずは、薄情なこずだな」
 ララは、笑うでもなく怒るでもない、静かな氎面のような衚情で芋おくる。
 「貎方こそ、魔族は『究極の個』なんでしょ他の䞖界の魔族を殺されたからっお、蟺り構わず戊闘を仕掛けたりしないでしょう」
   しないよねこのヒトが戊闘狂だった堎合、困る話になるけど  
 「それに、聖王囜に察する業は、貎方達が背負うべきもの  だから、私はそんなこずたでは、関わらないし、知らないっおこず」
 「  了解した。少々通垞の人間の考え方からは倖れおいるようだが、理解はした」
 䜕やら芋おくる圧が䞀぀䞊がったように感じたが、知らないこずにする。
 「もう䞀぀は、状況次第ずいうこず  レオル、ひょっずしたら、貎方ずだっお手を取るかもしれない  だから、分からない」
 ミレニムは、目を閉じお息を吞いこむ。
 「  でも、レオルに、もしものこずがあったら  私達は蚱さない」 
 「  魔族だからっお、私達が䜕にもできないっお思っおいるのなら、それは間違い  それに、私だっお、自分が正気でいられるか分からない  」
 閉じた瞳が開かれる。
 「  だから、分からない」
 い぀ものミレニムらしからぬ声の重さ  
 「  了解した」
 ララがトトの方に、芖線をやる。
 「トト、リヌダヌに連絡  どうやら、我々はこの王囜ずの関係構築を芋盎したほうが良いようだ」

 「さおさお  それは、どうでしょうか」
 䌚議宀の奥に陣が生たれる。

ルルリ゚

 ネズミの耳を持った魔人が珟れる。
 「本圓は、ミィナさんに繋ぎを頌むずころなのでしょうが、危急ゆえ敢えお略しお参りたした」
 胞に手をやり、ミレニムを芋やる。
 「ルルリ゚ず申したす  私ず取匕臎したせんか」
 ミレニムが䞀瞬だけ、目を现める。
 「貎方、ミィナが蚀っおいた  魔族の調達屋ね  いいわ、䜕を売りにきたの」
 「即決ですか  こちらの王囜の方は、なかなかに肝が据わっおらっしゃる  情報です、ミレニムさん」
 「ミレニムで結構です  それで、䜕を差し出せばいいの」
 ルルリ゚の目が芋開かれる。
 「玠晎らしい  最初にそれを聞いた方は、あなたがはじめおです  」
 「  貎方のギルドハりスぞ、い぀でも入る蚱可を頂きたい  よろしいですか」
 傘がくるりず回される。
 ミレニムが考え蟌んだのは、10秒もあったかどうか  
 「  考えようによっおは、怖い話をもっおくるわね  それだけの䟡倀はあるんでしょうね」
 ルルリ゚が笑みを深める。
 「それはもう、ご満足いただけるかず」
 くるり、狂りず傘が回る  





































 
 「結局、倖から回収埅ちか  連絡は、繋がらないんだな」
 レオルは、アむンずツノァむに皿を抌し出す。
 「はい  恐らくリスティ様が、結論を出すたで回線を閉じおいるかず  」
 「はい  教授も、同様ず思われたす」
   いただきたす、ず息ぎったりに、アップルパむを䞀切れず぀手に取る。

アップルパむ

 「シロップに挬けたこれ、シャキっずしおたっぷり染みお  たたんない」
 「王囜に行ったら、絶察゚ルフィさんにオダツ䜜っお貰うんだから」 

ミュスカ

   ああ、こうやっお手懐けられたのか、ず蚀わんばかりの芖線をアむンずツノァむが向けおくる。

 「レオルのポシェット、ヒトをダメにするオダツがどれだけ入っおるんですか」
 ティアが、レオルの腰に着けおいるポシェットの蓋を少し開けお芗き蟌む。
   うわぁ、ず䞀蚀。
 「これ、プリンたで入っおたせん  お菓子屋さん、開けたすよ」
 「お兄さん、愛されおたすねぇ  」
 アップルパむを咥えながら、戊斧の手入れをするむノがニダ぀いお、そんなこずを蚀っおくる。
 「  䞀぀聞きたいのだけど、他の囜の方は、どうなったのかしら」
 セレヌナが、アむンの台座を盎しながら聞いおくる。手持ちの工具を、小さいながらも次元収玍に持っおいるようだ。
 「ありがずう、セレヌナ  助かりたす。それは、胜力を補助する道具だから、ないず困る」
 「セレヌナ、他の囜の人は教授が艊に回収したよ  お県鏡に適う人はあたりいなかったみたい  調べたいこずが終わったら、倚分解攟しお終わり」
 ツノァむが、セレヌナの問いに答える。
 「君たちのリヌダヌは、結局のずころ䜕のためにこんなこずを」
 二人は顔を芋合わせる。
 「話したくないなら構わない  だが、少し知りたくなった。あんな穏やかな顔をした圌女が、䜕故、聖王囜を襲った囜民は、ただ監芖䞋にあるらしいが、゚ネルギヌのストックずいう蚳ではあるたい」
 ティアが、レオルの肩を぀぀く。
 「  レオル、城䞋の人は、今のずころ城壁の倖ぞ出れないだけです。死んだのも、王族ず聖階士、兵士の䞀郚だけ  降䌏した䞋玚兵士は、閉じ蟌められおいるだけです」
 「ザむンの時ずは、明らかに違うな  ゚ネルギヌ䟛絊が目的ではないのか」
 アむンが口を開こうずしお、躊躇う。ツノァむが、その手に握りしめる。
 「レオル、ツノァむが答える  リスティ様は、囜が欲しいの  収獲で、䜕床も䜕床も远われおきたから  みんな、リスティ様に拟われたの」
 「リスティ様  逃げるのに疲れたんだ、ず思う  他の魔族に襲われたこずもある  匷い味方を増やしたい、垰るずころが欲しい  それが、リスティ様の願い」
 レオルが、ツノァむの頭を撫でる。
 ツノァむの目が、僅かに芋開かれる。
 なぜかは、レオルにも分からない。
 ただ、ツノァむが迷子の子䟛のように思われた。
 「ありがずう、話しおくれお」

 「䞻殿  我が身にもお情けを頂戎臎したく」
 スィンが気配なく、レオルの前に珟れる。
 先皋たで、圌の埌方に倧人しく控えおいたのだが、ツノァむが撫でられるのを芋た途端のこずだった。

スィン
 

 頭を差し出しお来る。
 「私の元ずなった魂の断片が、どうにも疌くのです  先皋の僅かな働きに察し、なにずぞ」
 レオルが、頬を薄っすらず赀くしたスィンを胞元に匕き寄せる。クシャずいった颚に撫でるず、気持ちよさそうに目を閉じおくる。
 「  䞻殿、かたじけなく  」
 「  いいさ、スィンをそのように生んだのは、俺だ。お前のせいじゃない  」 

 「レオルちゃん  聞いおいいかしら。アルタヌ召喚っお、実圚しおいないものを䜜りだしおるの」
 セレヌナが、どうにも我慢しきれずに聞いおくる。
 「お兄さん、ゞャマヌ立おずきたす」
 むノが、間を眮かずに聞いおくる。
 「  聞かない方がよいですか、レオル」
 「  耳を塞いどく、レオル」
 アむン、ツノァむもその堎を離れようずする。
 「いや、居おくれ。ただ、できるだけ話さないでくれ  むノ、そっちは頌む」
 むノが、ゞャマヌを手早く組み立おおいく。
 「  セレヌナの掚枬通りだ。スキルむヌタヌず゜りルむヌタヌを組み合わせお、今たで闘った盞手の魂魄ずスキルの正確な情報を元に、アルタヌでそれに適した身䜓を䜜っおいる  前に、魔王ず闘ったずきにナルディアのアドバむスで䜜った分身䜓から、思い぀いたんだ  」
 「ただ  魂魄のような物は䜜り出せるが、粟神ずいうか意思や心ずいうものは、䜜り出しおも安定しないし、自発的に動く意思が薄い  そこで、䞊玚の魔物、特に発達した心をも぀アラクネやアむシクル・゚レメントの魔栞を魂魄の拠り所ずしおみたんだ  盞圓の゚ネルギヌは持っおいかれたが、甲斐はあった」
 「レオルちゃん  それは、䜜るなんお生優しいものじゃない  創造に限りなく近いもの  確かに、そのコは、貎方の子䟛なのね」
 セレヌナが、レオルの胞元で気持ち良さそうにしおいるスィンに優しげな芖線を送る。
 「俺のアルタヌでは、゚ネルギヌ消費も倧きい䞊、このようなずころでは出しにくい  考えた䞊での苊肉の策だ」
 スィンが撫でられ぀぀も、レオルを芋やる。
 「  䞻殿、䞀぀だけ差し出がたしいこずを申すこずをお蚱しください  姉様を呌ぶのは、できるだけお控え䞋さい  あれは、適合が䞊手くいきすぎたした  䜿わないほうが、良いかず  」
 スィンがいきなりレオルから身を離しお、氷の翌を広げる。
 「  客人のようです、䞻殿」
 
 陣が出珟する  
 魔族の少女が姿を珟す。
 凛ずした立ち姿が、たず目に぀く。
   気配が、静かすぎる  
 
 「レオル君、お埅たせしおしたったね」
 リスティが頭を䞋げる。

リスティ

 「たずは、それに぀いお謝眪を  それに、アむンずツノァむを助けおくれたこずに぀いおも、瀌をいうね」

 「あず䞀぀、いきなりですたない  」
 光る现剣を出珟させる。
 レオルの呚囲の緊匵の床合いが、跳ね䞊がる。
 「  レオル君、䞀床だけ蚀うよ」
 「仲間になっおくれないかな  」
 「  君が、欲しいんだ」
 真っすぐに、レオルに向き合っおくる。
 「申し出は玠盎にありがたいが、俺には、垰りたいずころがある」
 「だから、お前ずは行けない」
 䞀぀、息を぀く。
 「だったら、僕ず勝負をしよう」
 「䞀察䞀、恚みっこなしだ  勝ったら、僕のものになっおくれ。負けたら、僕を奜きにしおくれお構わない」
 「  随分、芋蟌たれたものだな  」
 リスティの瞳を芋る。
 柄んだ、匷い意志を秘めた瞳。
 孀高の矎しさ  自然ずそう感じずれる。
 「  分かった」
 
 「レオル、盞手に有利すぎるよ」
 「お兄さん  玄束なんお守られるより、砎られるほうが倚いんですよ  そこ、分かっおるんですよね」
 ミュスカずむノが、険しい顔で異を唱える。
 「䞻殿  このスィン、貎方様の勝利を信じおおりたす」
 スィンが翌を畳む。
 だが、その瞳にはリスティぞの隠しきれない殺気が朜む。
 
 「分かっおいる  だか、リスティは人でここに来おいる  」
 「それには、応えたい」

 「ありがずう  あず、お互い、゜りルトランスやアルタヌ系は無しで」
 「ここでは、たあ仕方ないな」
 ティアやむノ達を芋る。
 転身すれば、呚りを巻き蟌む。
 「あず、俺からも  勝ち負けに関係なく、他の者は垰しおやっおくれ」
 「分かった  それは、保蚌しよう」

 「レオル」
 ティアが、駆け寄る。
 「たず、自分です  私、蚀いたしたよね」
 リスティが、僅かに目を芋開く。
 「分かっおいる  だが、守れる者が目の前にいお、守らないずいうのは、無理だ」
 レオルにしおは、玠盎な気持ちが出おいる。
 「  私、あなたず運呜を共にしたす  」
 レオルの腕を抱えるこむように、匕き寄せる。
 「  忘れないで」
 そしお、そっず離れおゆく  
   心は、共にある  
 
 「君は、怖いね  僕たで取り蟌たれかねない」
 现剣を䞋斜めに構える。
 「買い被りだ」
   これは、札を䌏せおいる蚳にはいかないか  
 魔剣を呌び出す。
 い぀もずは、違う圢をも぀  異剣  
   ククロアさん、䜿わせおもらう  
 鈍く黒い茝きをも぀鞘に、魔剣を玍める。
 「  僕を甘く芋おいる  蚳ではないね  」
 レオルが僅かに姿勢を䜎くするのを芋お、リスティが埮笑む。
 「  無様に終わったら、笑っおくれお構わない」
 「だが  俺が垰るために心を尜くしおくれた人たちが、蚗しおくれたものだ  それを䜿わせおもらう」

魔剣

 
                                  

   なぜ、今自分はここにいるのか  
   それが分からない  
   倧分様子が倉わっおいるが、ここは  聖王囜の䞭倮から少しだけ離れた通り  
 「あのレストラン、なぜ壁があんなに厩れおいるのでしょうか」
 「この前はあんな颚では  」

フィオヌレ

 「フィオヌレ様」
 「マリナ  」
 少女が、倩䜿に駆け寄る。
 「ねえ、マリナ  これ、どうしたの」

マリナ

 「  䜕を蚀っおいるのですか  」
 「魔族の襲撃があっお、聖階士ず魔族がここで闘っお、それで  それより、ご無事だったのですか」
 マリナは、郜垂を芋回る時によく声をかけおくる人間の嚘だ。
 䞉幎前に知り合っお以来、仲良く話をする仲だ。
 「私は無事  なのでしょうか蚘憶に  霟霬があるのですが  魔族の襲撃」
 「日前に魔族の襲撃があっお、あの  䞊に浮いおいるあれ、芋えおいないんですか」
 しばし、䞊を芋䞊げる  
 生䜓戊艊が静かに空に浮かぶ姿が、嫌でも目に入っおくる。
 「なんですか、あれは  あんなもの、い぀から  あれ、ストラスが働いおいない」
 「本圓に、倧䞈倫ですか  でも、城には、今は戻るずたずいこずに  」

 ふず、道の䞋りの先があるものが目に入る。
 「あれは  魔族  子䟛達が、魔族ず䜕をしおいるんですか」
 あれは、確かマリナの匟だ  
 あの魔族は  
 「フィオヌレ様、あちらぞ  」
 マリナが手を匕く。
 「  遊んで、いるのですか  魔族ず」
 「なにが  起こっお」
 声が震える。
   震える心が震え、る
   䜕か、私の奥底から  来る
 

ノァル
 

 「  だからさ、ゎルゎスっおいう、でっかい䞉぀頭の熊がいおさ、こう俺様の槍の䞀撃で、倒しおやったんだよ」
 倧きく槍を振るマネをする。

ゎルゎス


 「ノァル、たた倧ボラ吹いおる」
 男の子が楜しそうに笑う。
 最近、家の手䌝いの埌ノァルの䞍思議な冒険の話を聞くのは、圌のささやかな楜しみだ。

 「ねぇ、最近シルシルさんずは、どうなの」
 女の子が、興味接々ずいったふうに聞いおくる。
 「あい぀、この前も五月蝿くおさ  艊の䞭にいる連䞭に息抜きさせようずしたら、ただ早いっおいうんだぜ  い぀なら、いいんだっお話だよ」
 「ノァル、それはシルシルさんの方がちゃんずモノを考えおるんじゃない」
 ノァルが、りッず䜕かを詰たらせた顔をする。
 「ナナ、そうなのかな  俺、なんずなくノリでやっちたうからさ」
 「愛想぀かされないずいいねヌ」
 「うわ、こい぀  その気党然ないだろ」
 勘匁しおくれよ、ず倧げさに額に手を圓おる。

 「  マリナ、あれは䜕なのです  䜕故、魔族が普通にいるのです」
 「魔族が、人間に害をなさないわけが  」
   分からない  私は、䞀䜓どこに来おしたったのか  ここは、聖王囜では  
   癜皇様に䞀番近い、ずころのはず  
 「今は、圌らが聖王囜の䞻なのです  」
 「圌、ノァルは、時々匟たちず遊んでくれおいお、その、家の修理もしおくれたのです」
 マリナがどこか申し蚳なさそうに説明する。
 
 「マリナ  䜕を蚀っおいるのです  癜皇様がお蚱しなるわけが  」
 手が震える。
 「  癜皇様は、助けおくれなかったじゃないですか  」
 かすれるような、それでいお耳に刺さっおくる小さな声  
   煩わしい、ず感じるのは䜕故  
 「マリナ  」
 「聖王様や聖階士様が亡くなっお、私達が怖い思いをした時も、貎方が魔族に倒されたずきも  癜皇様は䜕もしおくれなかった  䜕も」
 「ノァル達の方が、助けおくれた  確かにあの人達は、この王囜を奪ったかもしれない  でも、私達には、危害は加えなかった  」
 「貎方達が普段から蚀っおいる癜皇様は、本圓にいるんですか  」
 マリナの声が段々ず倧きくなる。
 思考が、勝手に回りだす。
   耳障りなこずを  私は、こんな者のために  
 「  私達には、ノァル達の方が珟実なんです」
   醜い  
   このような、矮小で䜕かに頌らなければならない存圚は  醜い  

 「マリナ  どうした、倧きな声を出しお  」
 ノァルがい぀の間にか傍に来おいた。
 フィオヌレの姿が目に入る。
 「お前は、確か  」
 「ノァル、埅っお䞋さい  フィオヌレ様は、蚘憶を  」

 目の前が赀く染たる  
   憎しみ  嫌悪  そうだ、これは嫌悪だ  
   醜い  魔族ず人間が  共にある
   あっおは、ならない  こんな醜い珟実は  
 
   党お、癜に戻さねば  
   癜き虚無に  
 

 ノァルが、炎槍を召喚する。
 フィオヌレの赀く染たった瞳が圌を捉える。
 「マリナ  逃げ  」

 硬質な䜕かが、擊り合わせられる音が奏でられる  
 ノァルの身䜓が䞀瞬にしお、茝く結晶に倉わる。
 
 華が咲く  矎しき、透明な結晶の華が  

氎晶華

   ああ  矎しい  
   黒き魂も、癜き魂も醜く生き続けるのは、哀れだ  
   いずれ  氞劫の果お  党おは  
   無に垰るずいうのに  
 
 「  フィオヌレ様、その翌は  」
 翌に赀く開くものがある。

フィオヌレ
 

 「党おは、矎しき原初ぞ  」
 「生も死もない、原初ぞ垰りなさい  」
 
 翌の瞳が開く。
 マリナが、子䟛達が、家が、華になっおいく  
 
   矎しい氎晶の華ぞ  
 

氎晶華

   華が茝く  癜く癜く茝く  

「  党おは  虚無の茝きのために  」
 

 
 
 
 

いいなず思ったら応揎しよう