脳汁が出るほど美味かった!横浜でぶっ飛んだ、思い出のミートボールとIPA。自宅でオマジュる
旨い。
粗挽きのミートボールをひとつ頬張って、IPAを流し込む。
肉の脂とスパイスの香りが残る口の中へ、鮮烈なホップの香りと苦味が飛び込んでくる。
また肉を食べる。そしてビール。
いささか品のない言い方だけれど、これはもう、
「脳汁が出るほど旨い」
という表現がいちばん近かった。
そして、この組み合わせを僕は以前にも知っていた。
横浜だ。
東京に住み始めて、横浜が散歩圏になった
東京で暮らし始めた頃、横浜がずいぶん身近になった。
それまでは「横浜へ行く」という感覚だったのが、電車に乗れば気軽に遊びに行ける街になった。
桜木町で降りたり、関内をぶらついたり、観光地を順番に巡るというより、特に目的も決めずに街を歩くのが楽しかった。
そんな横浜歩きの中で知ったのが、
THRASHZONE MEATBALLS
クラフトビールとミートボールを楽しめる店だった。
ここで僕は、「IPAと肉って、こんなに合うのか」ということを知った。
ホップの強烈な香りと苦味。
そこへ肉々しいミートボール。
肉の脂をIPAが切り、また肉が食べたくなる。
ビールを飲めば、また肉。
実に危険な永久機関だった。
残念ながらTHRASHZONE MEATBALLSは、現在はもう営業していない。
でも、そこで覚えた味は残っていた。
淡路島で見つけた、お気に入りのスパイス
今回ミートボールを作るのに使ったのが、淡路島で知った「淡路島オニオンスパイス」。
淡路島産の玉ねぎを使った万能スパイスで、これが気に入っている。
ミートボールの作り方は、いたって単純。
粗挽きの肉にオニオンスパイスを加えて、丸める。
そして焼く。以上。

いつも食べてるイシイのミートボールのようにソースでの煮込みタイプではない。
パン粉や卵を使ってふんわり仕上げるというより、今回はとにかく「肉を食べる」ミートボールにしたかった。
焼き上がると表面は香ばしく、中には肉の旨味と脂。
オニオンスパイスの旨味と香りも加わる。
これだけでも十分旨い。
だが、この日の主役はもう一本あった。
ブルックリンのIPAを開ける
合わせたのは、アメリカのBrooklyn Breweryが造る、
Brooklyn Defender IPA

缶を開けて飲んでみる。
ホップの香りが鮮烈だ。
柑橘やトロピカルフルーツを思わせる香りがあり、そこからしっかりとした苦味。
そして後口はドライ。
飲んだ瞬間に僕が思ったのは、「なんだか、アメリカ西海岸っぽい」だった。
ブルックリンはニューヨークだから、思いっきり東海岸なのだけれど。
ただ、僕がイメージするアメリカンクラフトビールらしい、ホップを前面に出した豪快さがある。
そこで、焼き上がったミートボールを食べてみる。
そしてDefender IPAをひと口。
……これだ。
肉、IPA、肉、IPA
粗挽き肉を噛む。
肉の旨味と脂が出てくる。
オニオンスパイスの香りが鼻へ抜ける。
そこへDefender IPA。
ホップの柑橘系の香りがスパイスと重なり、強い苦味と炭酸が肉の脂を洗い流していく。
すると口の中がリセットされて、また肉が食べたくなる。
肉。
IPA。
肉。
IPA。
横浜のTHRASHZONE MEATBALLSで覚えた、あの感覚だった。
そりゃ脳汁も出る
横浜と淡路島とブルックリンが、一皿に集まった
考えてみると、不思議な食卓だった。
IPAとミートボールの組み合わせを知ったのは横浜。
ミートボールに使ったオニオンスパイスと出会ったのは淡路島。
ビールが生まれたのは、アメリカのニューヨーク・ブルックリン。
それぞれ別の場所で出会ったものが、何年も経って自宅の食卓でひとつになった。
旅というと、どこかへ出掛けて景色を見たり、名物を食べたりすることを考える。
でも、旅先から持ち帰っているものは、それだけではないのかもしれない。
「これとこれを合わせると旨い」
そんな小さな味の記憶も、ちゃんと持って帰っている。
THRASHZONE MEATBALLSは、もうない。
それでも粗挽き肉を焼いて、苦いIPAをひと口飲めば、桜木町や関内をぶらぶら歩いていた頃の横浜を思い出す。
旅先で覚えた味は、何年経っても舌のどこかに残っている。
そして、ときどき思いがけないところで蘇る。
今回はそれが、ブルックリンのIPAと、自分で丸めたミートボールだった。
いやあ、旨かった。
脳汁が出るほどに。
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