全てが凶器になる
カリスマ漫画原作者
昭和後期、マンガ原作者の小池一夫氏の講演を聞きに行ったことがあります。
劇画村塾のイベントでした。当時の福岡では、まだこういったマンガ関係のイベントは珍しく、純粋な興味で足を運びました。
フクニチ新聞
募集記事は、確か地元のフクニチ新聞の広告欄に載っていたと記憶しています。会場は渡辺通にある電気ビルだったと記憶しています。
フクニチ新聞(福岡日日新聞)。今はもう無い新聞ですが、「サザエさん」が最初に掲載された媒体であり、うえやまとち先生が「クッキングパパ」以前に4コマでデビューしていたりと、4コママンガに関しては妙に先見の明があった新聞だったのかもしれません。
キャラを立てよ!
講演の中で小池氏は、とにかく「キャラクターを立てろ」と繰り返していました。
キャラさえ立てば、ストーリーは勝手に進む。
そのことに、ほとんどの時間を費やして語っていたのが印象的でした。
月収4000万円
他にも印象に残っている話はいくつもあります。
月収が4000万円あるという話。
「ゴルゴ13」の初期にブレーンとして関わったものの、20年経ってもゴルゴの服装や靴が変わらないという話(そして、それからさらに30年以上経っても変わっていない気がするのは、さすがというべきか…)。
海外に行くときはスタンガンを常に携帯している、日本人は体が小さいのだから当然の権利だ、という持論。
そして、話は「武器」に移っていきました。
全てが武器になる
小池氏はこう言いました。
「自分は、どんなものでもマンガの中で凶器にすることができる」
日常にあるものすべてが、演出次第で“武器”になる。
それは単なる物理的な話ではなく、発想の話でもあります。
しかし――
そんな小池氏にも、「どうしても凶器にできなかったもの」があったそうです。
それが、牛乳瓶のふたを止めている、あのビニール。
口に押し当てて窒息させるなど、いろいろ考えたものの、どうしても様にならなかったとのことでした。
※現在では瓶入り牛乳は少ないため、ピンとこない人もいるかも。
どんなものでも凶器にできる。
けれど、どうしてもできないものがある。
その話を聞いたとき、妙に印象に残りました。
まとめ
創作とは、何でもできるようでいて、実は「できないこと」との戦いでもあるのかもしれません。
そして、その境界線こそが、リアリティや説得力を生むのだと、今になって思います。
