八丈島を、照らすもの
きょうの一曲:MONO NO AWARE "そこにあったから"
こんばんは。夜11時、FM八丈島。始めていきましょう。
この島では、暮らしがひとつの大きな円のように、つながっている。 ふと、そう感じ入ってしまう瞬間があります。
本土の大きな街では、何もかもが匿名です。自分の暮らしが、どれほど多くの見えない誰かによって支えられているか、僕たちは想像することしかできません。そして、日々の喧騒の中で、時にそれを忘れてしまいます。
でも、この島では違います。 この島では、支えるという営みに、ちゃんと顔があります。
まだ星が残る暗いうちに漁に出る、あの人の顔。その魚をさっと捌いていつもの笑顔で渡してくれる、あの人の顔。本土でも食べられないような最高の中華そばを出してくれる、あの人の顔。 島の未来である、子供たちと向き合う、あの人の顔。
台風が近づく夜に、インフラを見守り、夜を明かす人たち。その人たちがいるから今夜も僕たちは、こうしてラジオの小さな光を灯すことができています。
誰かひとりが欠けても、この島の安心は、簡単に揺らいでしまう。その細く、けれど確かなつながりを、誰もが知っている。だからみんな、自分の持ち場を静かに守る。それは、ヒーローとかプロフェッショナルといった言葉ではありません。 僕たちがここで感じ静かに守るこの尊い何かに、その言葉は少し強すぎるし、派手すぎる気がします。
たぶんそれは「信頼」と呼ぶべき、とても静かで、温かい光です。誰かが今日も、自分の場所を守っている、という確信。それこそがこの隔絶された島を、ひとつの共同体として成り立たせている本当の力なのだと僕は思うのです。
今夜はそんな、顔の見える日々に、捧げたい歌を。旅路を行くすべての人を、照らす光の歌です。
さて、そろそろお別れの時間です。あなたの、その静かな日常が、きっとどこかで誰かの信頼の光となっています。
それではまた明日、この場所でお会いしましょう。おやすみなさい。
(2021.10.3 OA)
※ 八丈島は令和7年 台風22号・23号で大きな被害を受けました。現在東京都や各団体にて義援金を受け付けています。

