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空にある森

きょうの一曲:Popol Vuh - Aguirre I

こんばんは。夜11時、FM八丈島。始めていきましょう。

夜、家の窓から八丈富士を見上げました。星空を切り取るように、巨大な三角形の黒い影が浮かんでいます。

きれいな円錐形をしたこの山。その頂上が大きく口を開けていることを、登ったことのある人は知っています。

カルデラです。山のてっぺんがすり鉢状に窪んでいて、その底には鬱蒼とした森が広がっています。そしてその深い森の中には、小さな神社がひっそりと鎮座している。

下界からは絶対に見えない、空に浮かぶ森。そこは風の通り方も時間の流れ方も、麓とはまるで違います。霧が溜まりやすく、常に湿っていて、シダ植物が背丈よりも高く茂っている。

僕たちがこうして寝静まっている間も、頭上の遥か高いところで、あの森だけがざわざわと揺れている。そう想像すると、なんだか不思議な気持ちになります。そこは人間のものではなく、雲や、鳥や、神様のための聖域なのかもしれません。

黒いシルエットを見上げながら、その内側に隠された誰にも見られない森の呼吸を感じてみる。それはとても静かで、厳かな夜の遊びです。

今夜は、そんな天空のサンクチュアリに捧げる音楽を。天国的な美しさと、人を寄せ付けない厳しさが同居するシンセサイザー。「緑の砂漠」を漂うような、幻想的な一曲です。

さて、そろそろお別れの時間です。山も眠っています。私たちも、静かな夢の火口へ降りていきましょう。

それではまた明日、この場所でお会いしましょう。おやすみなさい。

(2023.2.21 OA)

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