どこかに所属したいと思う日の日記。
わたしの記憶が正しければ、昨夜まだ21時台のうちに眠りについたと思われる夫。早く寝たから早く起きてくれるかもとほんのり期待していたが、いつもの7時を過ぎても起きてこない。何時間睡眠なんだ。うちの夫は大谷翔平なんか?結局7時30分くらいに、まだ全然寝足りないという顔で起きてきた。「9時間以上寝てたんじゃない?」と少しトゲトゲしながら聞くと、「8時間40分ですけど!」と返ってきて、そっか8時間40分しか寝てないからまだ眠いんだね。とはならなかった。
夫は午前中、会社の部活に出かけた。部活のあとは、仲間たちとラーメンとかハンバーグとかを食べて帰ってくることが多い。羨ましい。会社、仲間、部活、ラーメン、ハンバーグ、全部羨ましい。
わたしは最近、というかもうここ何年も、「どっか所属したい…」が口癖である。諸事情により、一応フリーランスとなって仕事をしたりしなかったりの数年間であったが、結構早い段階から、寂しいかも、えええ寂しい、ひとり向いてない…と自覚しはじめた。いいご縁があってゆるめの雇用形態で会社でたまに働かせてもらっていた時期もあるのだが、その会社も状況が変わったようで今後も復帰する日はこないだろうなあ。なんだかもう何年もずっと、今後どう働いていくか、みたいなことを考え続けている。
今わたしが特に力を注ぐべきことは、子を守り育てること。家事をそれなりにすること。そしていい文章を書くこと。書かなきゃいけないって、嘘みたいにありがたいことである。文章を書くことはたのしいことだし、本当にがんばるぞと思っている。けれど書くことは時々、そればかりに没頭すると自分を必要以上に孤独に追いやってしまうから気をつけないといけない。
今さら気づいたのだが、わたしにとって会社のすばらしいところは、みんなが失敗をたくさん見せてくれるところだった。こんなしょうもないミスしましたよ、恐ろしいメールが届きました、締め切りに間に合いそうにありませんやばい、それをみんなで笑い合ったり慰め合ったり助け合ったりしながらどうにかするのが会社員生活だった。みんな完璧じゃないから何かしらやらかすし、それを見せてくれるから、自分も少々ミスっても平気、と多少は大らかに構えられていたところがある。
しかし毎日家にいて、さほど大人とも話さず、夜な夜なひとりで書いたりする生活をしていると、人の失敗を目にする機会がほぼないので、世の中の人がみな完璧で、締切を守り、素早い返信をし、的確なことを言って、正確な書類を作り、お金の管理もきっちりできて、すこやかなメンタルを保ち、身だしなみに気を遣い、良好な信頼関係を築きながら生きている人ばかりに思えてくる。自分だけがヘマをしているように思え、そのヘマを拡大解釈してはダメなやつだと自分を責め立ててしまう。本当はそんなことはないはずなのに。やはりわたしは、失敗を見せてもらえ、また見せることのできる何か組織に所属すべきなのだと思う。欲を言えば書くこととは全く関係のない何かがいいなあ。地元のモルックチームに入って大会を目指すしかない気がしてきた。
夜、家にカメムシが出た。騒ぎながら夫を呼びに行き、なんとかしてくれと要請する。夫もあまり虫は得意ではないのでとても渋い顔をして、うえぇ…と嘆きながらティッシュでカメムシを捕まえ、外へ逃してくれた。そのとき夫が、「ひろゆきぃ…」と、一人の男の名をつぶやいた。夫が大学時代に所属していたサークルの友達の名前ある。夫はどうやら、大学時代に家に大きな虫が出たら、ひろゆきを呼んで退治してもらっていたらしい。やはりどこかに所属して頼れる人を見つけておくことは大切だと思う夜である。
おわり
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