【観光旅行】山頭火のふるさとを訪れて
こちらの記事は、種田山頭火をメインにした観光旅行の内容を載せています。山口県防府市にある山頭火ふるさと館など、山頭火にゆかりある場所や句碑、グッズなどを紹介します。
今年の9月から、山頭火ふるさと館では、山頭火没後85年を記念した企画展が開かれています。こちらの企画展に、私の好きなゲーム『文豪とアルケミスト』も招いてくださったので、来館しました。
(* 防府駅を中心に観光地やお土産を紹介します。種田山頭火に関する観光地は、記事で紹介した場所以外にも防府市内にあります。
全ての情報は、2025年10月16日時点のものです。)
① 山頭火ふるさと館

防府駅・てんじんぐち から徒歩15分。
今回の観光旅行のメインです。
こちらは、2017年に建てられ、2019年から観覧料を無料化しました。
山頭火に関する展示資料を観覧できる上に、自由に利用できる休憩スペースが設けられています。こちらの休憩スペースは、観光客はもちろん、地元の人々からも憩いの場や活動の場所として愛用されています。
親子連れのなかには、山頭火の等身大の像に向かって「じいじ」と親しく呼ぶ子もいるそうです。
(自分が来館した時は、歌の稽古場として利用されていました。
また、地元の人は、この館を「山頭火」と呼んでいるようです。)
近くに住む人の中には、生前の山頭火の姿を見ていたり、また家族の者が彼と一緒に晩酌したりと、今も山頭火の思い出を語れる人もいるそうです。
この小さな館は、山頭火をよく知る人たちの大らかで温かな人情にあふれていました。



企画展に合わせて、山頭火のお酒も販売されています。
② 山頭火の小径

防府駅・てんじんぐち から 徒歩15分。
(* この記事では、小径の入り口を「種田山頭火生家跡」の近くとします。)
子どもの頃の山頭火が、使っていた小学校の通学路です。
現在は、「山頭火の小径」と名付けられました。歩いておよそ10分の距離です。
いたる所に、山頭火の句碑や豆知識が書かれた看板があります。
途中に、山頭火ふるさと館につづく道がありますので、ふるさと館に訪れる前にこの道を歩いたり、または帰りに利用したりしてください。
なお、この小径近くは、民家が立ち並んでいます。また、途中で車道に出ますので、周囲に気を付けつつ、安全に歩いてください。



③ 種田山頭火生家跡

防府駅・てんじんぐち から 徒歩15分。山頭火ふるさと館 から 徒歩5分。
山頭火の生家跡です。
過去には「大種田」と言われるほど、大きな屋敷を持つような酒造の名家でした。しかし、山頭火の祖父が亡くなってから、家庭は乱れ、家の収入源であった酒種を腐らせてしまったことをきっかけに、種田家は崩れ去ってしまいました。
のちに、ここは文化的価値がある場所として保護され、今では地元の人々や観光客の憩いの場として使われています。
中には、山頭火の句碑があり、ファンからの贈りもののお酒が置かれていました。

④ 護国寺

防府駅・てんじんぐち から 徒歩25分。山頭火ふるさと館 から 徒歩15分。
こちらのお寺の中に、山頭火のお墓があります。
彼のお墓のほかに、句碑もたくさん建てられています。お墓参りしたあとは、彼の句をぜひ詠んで行ってください。
山頭火の命日「一草忌(10月11日)」になると、墓前に集まって、彼を偲ぶ催しが行われるそうです。(住職に教えていただきました。)
こちらには、山頭火の展示資料室があるらしいですが、うっかりしたことに、住職に聞き忘れました。
これから訪れる人は、今も展示資料室があるかどうか、ぜひ聞いてください。
なお、山頭火の遺骨は、熊本県の安国寺にも分骨されています。
護国寺では彼の母親フサさんと、安国寺では妻サキノさんと一緒に眠っています。


⑤ 防府市立防府図書館

『ズッコケ三人組』の著者・那須正幹さんも防府にゆかりのある人です。
防府駅・てんじんぐち から 徒歩10分。
こちらの図書館は、複合施設「ルルサス」3階にあります。
防府にゆかりある人物の図書が豊富にあり、もちろん山頭火の資料もたくさんありました。
図書館入り口付近に、文アルとコラボした展示スペースがあります。
展示スペースの撮影は禁止だったので、実物を見に、ぜひ図書館に来てください。
(*以下のリンクは、防府市図書館のインスタグラムから引用しました。)
⑥ 山頭火像

防府駅・てんじんぐち から 徒歩5分。
こちらの山頭火像は、緑豊かな木々のなかにひっそりと建っています。
近くには、防府市内をめぐるキレイな水が流れています。1/fゆらぎの音を聞きながら、水が大好きな山頭火の像とご対面できます。

新山口駅南口(新幹線口) から 徒歩5分。
こちらの山頭火像は、人々に向かってあいさつするように建っています。防府駅の像とは違って、とてもカッコよく造られています。
どちらの像も、山頭火のお茶目な部分と文学者としての凛々しさを表現しています。
自分だけの推しの山頭火像に会ってきましょう!
⑦ 山口市小郡文化資料館

防府駅 から 最寄り駅 の 新山口駅 まで 電車15分。
さらに、新山口駅北口 から 徒歩15分。
こちらの文化資料館は、山頭火が一番長く住んでいた其中庵を管理しています。資料館の中には、其中庵に関する資料が展示されています。こちらも、ふるさと館と同様に観覧は無料です。
事務所には、小郡時代の山頭火に関する冊子や絵ハガキも販売しています。「うしろすがたのしぐれてゆくか」に添えられた彼の後ろ姿の写真もハガキに載っています。
なお、山頭火はハガキ魔だったらしく、つねにハガキを持ち、よく友人たちに送っていたようです。
絶食の日でさえも、ハガキを手放さずに友人に宛てていたらしく、山頭火にとって、仲間や友人と繋ぐものとして愛用していたのでしょう。
(参考資料:『新編山頭火全集 第8巻』春陽堂書店出版)

⑧ 其中庵

山口市小郡文化資料館 から 徒歩10分。
新山口駅北口 から 徒歩15分。
小郡文化資料館の近くに其中庵までの道案内板があります。そちらに従っていくと、目的地までたどり着けます。
案内板には、山頭火の句もあれば、ふるさと館で開かれている「山頭火ふるさと館自由律俳句大会」の受賞・入賞作品の句も飾られています。
文化資料館から其中庵の道中には、閑静な住宅街や急な坂道がありますので、騒音や足元に気をつけて歩いてください。
其中庵は、指定された時間内であれば、自由に出入りできます。
庵内も入れますので、其中庵で過ごした山頭火に想いをはせながら、四季折々の草花を楽しんでください。


キレイ好きな山頭火を思ってか、丁寧に清掃されていました。

⑨ 金光酒造

新山口駅から 最寄り駅 の 上嘉川駅 まで 電車10分。
さらに、 上嘉川駅 から 徒歩10分。
こちらで、山頭火ふるさと館の記念展示に紹介されたお酒を造っています。
種田家は、酒造ができなくなってしまった後、大林酒造に引き取られました。更にその後、金光酒造と合併して今に至ります。
およそ45年以上も山頭火の名が入ったお酒を販売して、ふるさと館やオンラインショップでも購入できます。
366種類のラベルがある「日々の酒 三六五句」は、山頭火の句を添えた清酒です。一日一句添えられて、酒造の公式ホームページの説明には、その日の山頭火の日記を引用して紹介しています。
自分や相手の誕生日に、こちらの清酒をプレゼントに購入してはいかかでしょうか。
ほかにも、山頭火の名を冠したお酒が売られています。日本酒が好きな人におすすめです。
なお、山頭火の名が入ったお酒の企画について、考案した人は、彼の友人である大山澄太さんらしいです。
ファンから、山頭火が造ったお酒を飲みたかったと悔やまれる声が多々あったようで、金光酒造はその願いを叶えてくれました。
(*考案の諸説は、ふるさと館の受付の人から聞きました。)
⑩ 種田酒造場跡

防府駅 から 最寄り駅の 大道駅 まで電車5分。
さらに、大道駅 から 徒歩30分。
(*防府駅から出ている秋穂漁港入口行のバスに乗車し、「新館」に下車すれば、およそ25分で着く予定です。
ただし、確実な情報ではありませんので、もしバスを利用して訪れたい人は、ご自身で調べてくださるようお願いします。自分は徒歩を利用しました。)
こちらは、種田家の酒造場跡です。
上記の金光酒造でも説明したように、種田家の酒造を、大林・金光酒造が引き取ってくれました。大林酒造でも山頭火のお酒を販売していたようですが、現時点では販売されていないようです。
跡地は民家として使われているようなので、訪れる際は近くに住む人たちに配慮して観光してください。
近くには海に流れる佐波川が見られますので、青色がよく映える海と山を眺めに、ぜひとも訪れてください。


なお、自分と同じく徒歩で行く予定の人に、電車の待ち時間として、こちらのカフェをぜひご利用ください。
今年の11月にグランドオープンする、「カフェ ハナリノ」です。
大道駅は、コンビニさえもない質素な場所です。店主さんいわく、都会から離れた静かな場所で、日々の疲れを癒してほしく、この場所を古民家カフェとして営業すると決めたようです。
小麦粉と米粉をブレンドしたクレープがイチオシのスイーツです。追加注文でトッピングもつけられて、自分好みのクレープに仕上げられます。
大道駅まで来た際は、ぜひこちらのカフェで一服してください。

○ 番外編『全国山頭火句碑集』
こちらは、ふるさと館の受付の人にとてもおすすめされた書籍です。
山頭火を愛してやまない著者が、およそ15年もかけて全国にある山頭火の句碑を写真に収めました。2007年時点の情報なので、現在では見られない句碑も、この本に大切に収められています。
山頭火の句碑は、北海道から鹿児島県まで点々と建てられています。中には、彼が好きすぎて個人宅に句碑を建てるファンもいました。
また、山頭火の姪の夫も彼の句碑を建ててくれました。
(* この姪のお父さんは、山頭火に妻のサキノさんと離婚するように迫った人です。)
著者の田原覚さんは、山頭火ファンの人脈をたどって、個人宅の句碑も写真に撮ってくれました。句碑ひとつひとつに、建てた人のドラマがうかがえて、実に興味深く、もっと山頭火のことを知りたくなる一冊です。
句碑マップ以外にも、山頭火の旅路や俳句、人脈の地図も載っています。彼について事細かく調べているので、小郡文化資料館にはこちらの著書にある人脈地図を展示しています。
全国あらゆる場所に山頭火のファンが彼の句碑を建てたので、中には「山頭火のふるさとが、どこなのか分からない」とぼやいてしまう人もいるそうです。
山頭火の句碑は、おもに彼が行乞流転の旅で通った場所にあります。
山頭火は、行乞流転の旅をふるさとに見立てて、失ってしまった種田家の代わりになる ふるさとを探し求めて、何度も旅を繰り返しました。
彼の旅路が、今ではふるさとの一部となっているようで、山頭火のふるさとは、日本全国どこにでもあると言っても良いのでしょう。
山口県内には、なんと160以上の山頭火の句碑があり、また防府市内にも句碑がたくさんあります。
ふるさと館では、防府市内の句碑マップを配布していますので、彼の句碑をめぐりたい人はぜひ活用してください。

⑪ おわりに
山頭火めぐりの旅に、この記事が少しでも役に立てたら幸いです。
彼のうしろすがたをたどりながら、すてきな旅を体験してください。
改めて、山頭火ふるさと館の皆さまに感謝を申し上げます。
山頭火がコロリ往生をして85年が経った記念に、文アルも招待してくださり、ありがとうございます。
おかげさまで、山頭火はもちろん、山口県の魅力をもっと知ることができました。

ほんのり酒粕が香って美味しかったです。
