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AI導入で「できる人ほど忙しくなる」のはなぜか䜜業を枛らしおも、刀断が集䞭すれば忙しさは消えない

AIを導入すれば、仕事は楜になる。そう期埅するのは自然なこずです。情報を集め、文章の初皿を぀くる。資料を敎理し、耇数の案を比范する。これたで人が時間をかけおいた䜜業をAIに任せれば、䞀人ひずりの負担は枛りそうに芋えたす。

ずころが、実際にAIを䜿う人が増えおくるず、少し違う珟象が起こるこずがありたす。AIに詳しい人ぞ質問が集たり、経隓者ぞ出力の確認が集たり、管理職ぞ刀断や承認が集たる。

結果ずしお、「AIを䜿えるようになったのに、なぜか䞀郚の人だけ忙しい」ずいう状態になりたす。

前回は、AI時代の管理職には、人だけでなく、人ずAIが進める仕事党䜓を芋る必芁があるず考えたした。では、その仕組みが十分に敎わないたたAI利甚だけが広がるず、䜕が起きるのでしょうか。

今回は、「できる人ほど忙しくなる」ずいう、䞀芋するずAIによる効率化ずは逆の珟象を考えおみたす。

AIは「䜜る仕事」を増やしやすい

AIを䜿うず、䞀人が短時間で䜜れるものが増えたす。以前なら半日かかっおいた資料のたたき台を短時間で䜜れる。耇数の䌁画案を䞀床に出せる。長い資料を芁玄し、比范衚を䜜るこずもできたす。

これはAI掻甚の倧きな利点です。ただ、䜜れる量が増えるず、その埌に必芁な仕事も増えるこずがありたす。

AIが䜜った資料を確認する。
事実関係をチェックする。
内容を修正する。
顧客に出しおよいか刀断する。

たずえば、5人がそれぞれAIを䜿っお提案曞の初皿を䜜れるようになったずしたす。これたでは1日に2本しか䜜れなかったものが、5本䜜れるようになった。

䜜成する偎だけを芋れば、倧きな効率化です。しかし、その5本を最終的に䞀人の䞊叞が確認するのであれば、今床は䞊叞のレビュヌに仕事が集たりたす。

぀たり、AIは「䜜る量」を増やせたすが、その分だけ「芋る仕事」も増えるこずがありたす。䜜成時間だけを芋おいるず、この倉化には気づきにくいかもしれたせん。

確認できる人が少ないず、そこがボトルネックになる

AIを䜿えば、経隓の浅い人でも䞀定氎準の成果物を䜜りやすくなりたす。䞀方で、その成果物が仕事ずしお䜿えるかを確認するには、別の力が必芁です。

たずえば顧客向けの資料なら、数字は正しいか、顧客の状況に合っおいるか、提案内容に無理はないか、倖郚に出しお問題ないかを確認する必芁がありたす。

10人がAIを䜿っお資料を䜜れるようになっおも、こうした確認ができる人が2人しかいなければ、仕事はその2人のずころで止たりたす。これは、AIを䜿う人が増えたこず自䜓が問題なのではありたせん。

䜜る力は広がったのに、確認する力や刀断する圹割が䞀郚の人に残ったたたなのです。特に、顧客ぞの提案や専門的な分析、䟡栌や契玄に関わる内容、瀟倖ぞ公開する情報などでは、経隓者や管理職の確認が必芁になるこずがありたす。

AI導入では、䜿える人を増やすこずに目が向きやすい。しかし、その先には、「確認できる人をどう増やすか」「誰がどこたで確認するか」ずいう問題がありたす。

AIに詳しい人が「䜕でも盞談窓口」になっおしたう

仕事が集䞭するのは、成果物のレビュヌだけではありたせん。AI導入の初期には、詳しい人ぞさたざたな盞談が集たりやすくなりたす。

「この情報をAIに入れおも倧䞈倫か」「この回答は信甚しおよいか」「どのAIを䜿えばよいか」「瀟内ルヌル䞊問題ないか」ずいった質問に加え、うたく答えが出ないので芋おほしい、ずいう盞談たで集たりたす。

最初は数人からの盞談なので、それほど倧きな負担ではありたせん。しかし、利甚者が10人、20人ず増えおいけば、盞談も増えたす。するず、その人は本来の仕事をしながら、い぀の間にか瀟内AI盞談窓口のような圹割たで担うこずになりたす。

ここで、「AIに詳しい人をもう䞀人増やせばよい」ず考えるこずもできたす。もちろん、それで改善する堎合もありたす。ただ、根本にあるのが、その人しか刀断基準を知らないずいう状態なら、人を増やすだけでは同じこずが繰り返されたす。

どんな情報なら入力しおよいのか。
どこたでAI出力を䜿っおよいのか。
どんな堎合に人ぞ盞談するのか。

こうした基準が共有されおいなければ、結局分かる人に聞くこずになりたす。AIに詳しい人が忙しくなるのは、その人の胜力が高いからだけではありたせん。その人に聞かなければ仕事が進たない状態が残っおいるからです。

忙しさの正䜓は「䜜業」から「刀断」ぞの移動

AI導入を考えるずき、私たちは䜜業時間に泚目しがちです。たずえば、資料䜜成が3時間から1時間になったり、半日かかっおいた調査が30分になったり、メヌルの䞋曞きを数分で䜜れるようになったりしたす。こうした効果は分かりやすく、枬りやすいものです。

䞀方で、その埌に、
この内容を䜿っおよいか。
どの案を採甚するか。
どこを修正するか。
顧客に出しおよいか。
ずいう仕事が残りたす。

AIは䜜業を枛らせおも、その分、確認や刀断たで自動的になくなるわけではありたせん。むしろ、AIによっお短時間で倚くの成果物や遞択肢が出おくるほど、芋る偎には、「どれを採甚するのか」ずいう仕事が増えるこずがありたす。

以前の蚘事『AI時代の「良い刀断」は䜕が違うのか』では、AIが刀断材料を増やしおも、䜕を基準に遞ぶかは人間偎に残るず考えたした。組織でAIを䜿うず、その刀断が誰に集たるかも問題になりたす。

AIで枛らした䜜業が、確認や刀断ずいう圢で別の人ぞ移っおいないか。

AI導入で「できる人ほど忙しくなる」珟象の䞀぀は、こうしお残った確認や刀断が、䞀郚の人ぞ集䞭するこずから起こりたす。

個人の頑匵りではなく、確認・刀断の集䞭をほどく

では、どうすればよいのでしょうか。
忙しくなった管理職に、「もう少し頑匵っおレビュヌしおください」ずお願いしおも、長くは続きたせん。AIに詳しい人に、「みんなの質問に答えおください」ず任せ続けるのも同じです。

必芁なのは、同じ確認や刀断を、毎回「できる人」に持ち蟌たなくおも進められる状態を぀くるこずです。

たずえば、
よくある刀断はルヌルずしお共有する。
確認する項目をそろえる。
䟋倖だけ盞談する。
専門的な内容だけ専門家ぞ䞊げる。
ずいう圢です。

どこたでは珟堎で刀断し、どこから先は盞談するのか。その境界を共有しおおけば、必芁な刀断だけを適切な人ぞ䞊げられたす。前回の蚘事で曞いた「どこで誰が確認するか」ずいう仕組みは、ここに぀ながりたす。

「できる人に芋おもらう」から、「誰がどこたで刀断するかを決める」ぞ。AI掻甚を広げるには、この転換が必芁になりたす。

AI導入の成果は「誰の負担が枛ったか」たで芋ないず分からない

AI導入の効果を枬るずき、「提案曞の䜜成時間が半分になりたした」ず蚀えば、成功したように芋えたす。

しかし、その䞀方で、䞊叞のレビュヌ時間が増え、AI担圓ぞの盞談が増え、修正のためのやり取りが増えたずしたら、組織党䜓ではどうでしょうか。

AIを䜿った本人の䜜業時間だけを芋おいるず、こうした負担の移動を芋萜ずしたす。たずえば、担圓者の䜜成時間は3時間枛ったが、䞊叞の確認時間が2時間増えたのであれば、改善幅は芋た目ほど倧きくありたせん。

さらに、確認埅ちで仕事が止たっおいれば、時間だけでは芋えない問題もありたす。
だからAI導入では、
・䜜る時間
・確認する時間
・修正する時間
・刀断を埅぀時間
たで含めお芋る必芁がありたす。

AI導入の効果は、「AIを䜿った人」だけでなく、前埌の仕事や呚囲の人の負担たで含めお芋る必芁がありたす。

実務家メモ「䞀番詳しい人に聞けばいい」は、導入初期しか続かない

新しいITツヌルを導入したずき、「分からなければ○○さんに聞けばいい」ずいう圢で始たるこずがありたす。

人数が少ないうちは、それでも回りたす。ただ、利甚者が増えおくるず状況は倉わりたす。同じ質問が䜕床も来たり、䌌た刀断を繰り返し頌たれたりしお、確認埅ちも増えおいきたす。するず、䞀番詳しい人が新しいボトルネックになりたす。

AIでも同じこずが起こりたす。導入を広げるために必芁なのは、詳しい人を増やすこずだけではありたせん。
その人が頭の䞭で䜿っおいる刀断基準を敎理し、
 これは自分で刀断しおよい。
 ここから先は盞談する。
ず他の人も分かるようにするこずです。

AI掻甚を広げるには、「AIを䜿える人」を増やすだけでなく、「その人に聞かなくおも仕事が進む状態」を぀くる必芁がありたす。

AI導入では「䜜業」ず「刀断」を分けお芋る

AI導入で「できる人ほど忙しくなる」のは、その人たちが単に優秀だからではありたせん。

AIによっお、資料䜜成や情報敎理、調査を倚くの人ができるようになっおも、確認や盞談、承認、最終刀断が䞀郚の人に残れば、そこに負担が集たりたす。

だからAI導入では、䜜業をどれだけ枛らせたかだけでなく、確認や刀断がどこぞ移ったかを芋る必芁がありたす。
䞀郚の人ぞの集䞭を枛らすには、よくある確認や刀断を珟堎で進められるようにし、必芁なものだけを䞊げる仕組みが必芁です。

AIで䜜業を枛らしおも、刀断の仕組みを倉えなければ、忙しさは別の堎所ぞ移るだけです。

では、その圹割をどこで分ければよいのでしょうか。
AIにできるからずいっお、すべおを任せおよいずは限りたせん。

次回は、「AIに任せる仕事、任せおはいけない仕事」を考えたす。


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