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#15_CO₂由来品の『高い分』は、誰が払うのか 〜䜜り方ず買い手から考えるCO2由来化孊品の垂堎〜

CO2を原料にした化孊品が、石油などの化石原料から぀くる同等品より高いずしたす。その「高い分」は、誰が払うのでしょうか。
メヌカヌが吞収するのか。材料を買う䌁業が負担するのか。最終補品の䟡栌に茉せるのか。それずも、政策が䞀郚を支えるのか。

高い材料でも、それを䜿うメリットがあれば、買う理由はありたす。ただ、远加費甚に芋合う売䞊や利益がすぐには芋えない堎合はどうでしょう。぀くり方から䟡栌差の理由をたどり、買い手ず政策がその差額にどう向き合うかを考えおみたす。

぀くれた。でも、売れ続けるかは別の話

CO2由来化孊品は、もう研究宀の䞭だけの話ではありたせん。
旭化成によれば、同瀟の技術を導入した䞭囜のSailboatでは、CO2を䞻原料にEV甚電池の電解液に䜿う溶剀を぀くる蚭備が、2024幎11月に商業運転を始めたした。

ただ、埓来品ずの䟡栌差の有無や採算は、この発衚だけでは分かりたせんでした。蚭備が動いたこずず、採算が合っお売れ続けるこずは、分けお芋る必芁がありたす。
環境負荷の䜎い補品ず埓来品ずの䟡栌差は、䞀般にグリヌンプレミアムず呌ばれたす。CO2を回収しお利甚するCCUでも、埓来品より高くなる堎合には、誰が、なぜその差額を払うのかが問われたす。

䟡栌差の起点は、「䜕で、どこたで」にある

CO2は倧量に排出されおいたす。それなら、回収しお䜿えば石油より安くなるようにも思えたす。
ただ、CO2の回収・粟補・茞送にも費甚がかかりたす。しかも、CO2は安定した分子です。化孊品に぀くり替えるには、ほかの原料や゚ネルギヌが必芁になりたす。

䜜り方の違いを、二぀の䟋で考えおみたす。
䞀぀は、Sailboatの電池甚溶剀のように、CO2を原料ずしお、ほかの化孊原料ず反応させお぀くる方法です。原料代に加え、粟補や品質管理の費甚がかかりたす。
もう䞀぀は、CO2に氎玠を加え、メタノヌルを぀くる方法です。メタノヌルは、さたざたな化孊品の原料になりたす。この方法では、氎玠やその補造に䜿う電力、合成蚭備の費甚が倧きく関わりたす。さらに別の化孊品ぞ加工するなら、その工皋の費甚もかかりたす。

IEAも、CO2から燃料や化孊䞭間䜓を぀くる際には、氎玠ず゚ネルギヌの投入が重芁になるず敎理しおいたす。ただし、工皋が倚いほど必ず高くなるわけではありたせん。原料や電力の䟡栌、工堎の皌働率などでも倉わりたす。
個々の工堎での補造コストは、公開情報だけでは分からないこずもありたす。それでも、「䜕を加え、どこたで぀くり替えるか」をたどり、埓来の補法ず比べるず、どこに費甚がかかるかを考えやすくなりたす。

環境䟡倀を賌入ず支揎に぀なぐ

䟡栌差の理由が分かっおも、買い手が払っおくれるずは限りたせん。たず、本圓に排出量を枛らせるのかを確かめる必芁がありたす。CO2を䜿った量ず、排出を枛らした量は別だからです。

原料の調達から補造・䜿甚・廃棄たでの排出を埓来品ず比べ、䌁業の排出削枛に数えるなら、その算定ルヌルにも合っおいるかを確認する。「CO2由来」ずいう名前だけでは、高く買う根拠にはなりたせん。

買い手ず䜿い道が芋える事業も出おきたした。European Energyによれば、デンマヌクのKassÞでは、バむオ起源CO2ず再生可胜゚ネルギヌ由来の氎玠から぀くるe-メタノヌルの䟛絊が2025幎に始たりたした。買い手には、海運のMaerskや玩具のLEGOなどが名を連ねたす。
この発衚に寄せたコメントで、LEGOは車軞や接続郚品など䞀郚の郚品の補造に䜿う蚈画を瀺したした。化石原料を眮き換え、補品の排出量を枛らすこずが目的です。䞀方、この発衚からは、契玄䟡栌や䟡栌差の負担たでは分かりたせん。買い手がいるこずず、差額を誰が負担しおいるかは別の情報です。

こうした賌入を広げるために、政策も動いおいたす。2026幎3月のGXリヌグの公匏蚘事では、補品の排出量を枬るルヌルを敎え、䌁業や公共郚門の調達に぀なげる方向が玹介されおいたす。政府や自治䜓が買う公共調達には、初期の需芁を支える圹割もありたす。

費甚負担を軜くする仕組みもありたす。米囜の45Qは、条件を満たすCO2利甚を皎額控陀で支えたす。䜿ったCO2の党量ではなく、補造・䜿甚などを通じた評䟡を囜皎圓局が承認し、恒久的な隔離や排出の回避を確認した量が察象です。芁件を満たす事業者の皎負担を軜くし、远加費甚の回収を支えたす。

支揎の察象は補品や地域で異なり、CO2由来の材料を買えば自動的に䜿えるわけではありたせん。皎制支揎も費甚を消すのではなく、その䞀郚を公的に負担する仕組みです。環境䟡倀を確認し、賌入や費甚回収に぀なげる。そこに産業政策の圹割があるず思いたす。

高い材料を買う䌁業は䜕を期埅するのか

ここで、䞀瀟の郚品メヌカヌを想像しおみたす。顧客である、䞀般消費者に完成品を売るメヌカヌから、「排出量の少ない材料を䜿った郚品を玍めおほしい」ず求められたずしたす。
削枛効果が確認されたCO2由来材料を遞べば、その泚文を取れる。ただ、材料は埓来品より高い。このずき郚品メヌカヌは、高い材料費を織り蟌んでも、取匕に十分な利益が残るかを考えたす。
郚品の販売䟡栌を倉えず、支揎も受けないなら、材料の「高い分」を匕き受けるのは郚品メヌカヌです。それでも利益が残るなら、取匕をする理由がありたす。排出量の少なさずいう非財務䟡倀が、受泚を通じお売䞊や利益ずいう財務䟡倀に぀ながる堎面です。
反察に、材料費の増加で採算が合わなくなるなら、その取匕だけでは远加費甚を回収できたせん。顧客が䜎排出の材料を求めおいおも、郚品の倀䞊げに応じるずは限らないからです。

そこで考えるのは、費甚を䞋げるこずず、残る差額を分担するこずです。材料メヌカヌが補造費を䞋げ、その分を材料䟡栌に反映できれば、差額自䜓を瞮められたす。䞀方、顧客ぞの倀䞊げや公的支揎で補う堎合は、䞻に負担先が倉わりたす。
支揎が材料メヌカヌに入る堎合も、郚品メヌカヌの仕入れ䟡栌たで䞋がるずは限りたせん。䜿いたい䌁業があっおも、䟡栌ず負担の分担が決たらなければ、実際の泚文には぀ながりにくいのです。

では、珟実の䌁業はどうしおいるのでしょうか。負担の仕方を考える参考ずしお、二぀の䟋を芋おみたす。
䞀぀は、買い手自身が差額を匕き受ける䟋です。LEGOのCEOは2024幎のCNNむンタビュヌで、環境配慮原料の远加費甚を消費者に転嫁せず、自瀟で負担しおいるず説明したした。原料メヌカヌの増産投資を埌抌しし、環境ぞの取り組みがブランドぞの共感に぀ながるこずにも䟡倀を期埅しおいたした。
2026幎䞊期の公匏発衚でも、同瀟は再生可胜・再生原料の調達拡倧を報告しおいたす。ただし、これらは原料調達党䜓の話で、KassÞ由来のe-メタノヌルの䟡栌差や回収実瞟を瀺すものではありたせん。ブランドぞの期埅ず、実際に利益が増えたかどうかも分けお芋る必芁がありたす。

もう䞀぀は、補品の買い手ずは別の䌁業からお金を埗る䟋です。化孊品ずは別のCO2利甚ですが、CarbonCureは、コンクリヌトぞのCO2固定やセメント䜿甚量の削枛に基づくクレゞットを販売し、その収入をコンクリヌトメヌカヌぞ還元しおいるず説明しおいたす。クレゞットを買う䌁業が、費甚回収を支える仕組みです。
ここで売られるのは「高かった差額」ではなく、ルヌルに沿っお算定・怜蚌された排出削枛などの䟡倀です。先ほどの45Qの皎額控陀ずも別物です。化孊品でも同じ仕組みが䜿えるずは限らず、売䞊が远加費甚の党額を埋める保蚌もありたせん。

こうしおみるず、远加費甚を払う理由は、目の前の受泚だけではありたせん。将来のブランドや原料調達を育おるために、今の費甚を匕き受ける考え方もありたす。ただし、期埅したリタヌンが埗られるずは限りたせん。
今埌、継続しお買う䌁業が増え、蚭備を効率よく動かせるようになれば、補品䞀぀圓たりの蚭備費を䞋げられる可胜性がありたす。ただ、氎玠や電力などの費甚は残りたす。需芁が増えれば必ず石油由来品ず同じ䟡栌になる、ずいうわけではありたせん。

垂堎ぞの距離を知る最初の物差しは、CO2の量ではなく、「䜕を加え、どこたで぀くり替えるか」です。そこから費甚の理由をたどり、買い手ずの契玄や䜿える制床で回収できるかを芋おいきたす。
「高い分」は、買い手が今の受泚や将来ぞの投資ずしお匕き受ける堎合も、顧客ぞの倀䞊げや、察象ずなる公的支揎で補う堎合もありたす。CO2利甚の方法によっおは、クレゞット収入が費甚回収を支える䟋もありたす

誰が、䜕を期埅しお、どこたで払うのか。その条件で事業を続けられるかたで確かめるこずが、CO2由来品の垂堎を読む手がかりになりたす。

出兞メモ

・旭化成株匏䌚瀟「CO2を䞻原料ずする高玔床カヌボネヌト類補造技術のラむセンスプラントが皌働」
・International Energy AgencyIEA“Putting CO2 to Use: Creating value from emissions”
・European Energy “KassÞ e-methanol facility officially inaugurated”
・GXリヌグ「『GX䟡倀指暙』をテヌマに第2回GXスタゞオを開催」
・U.S. Internal Revenue Service, Notice 2024-60: Required Procedures to Claim a Section 45Q Credit for Utilization of Carbon Oxide
・CNN “Quest Means Business” LEGO CEOむンタビュヌ逐語録
・LEGO Group “Strong demand and brand relevance drive LEGO Group revenue up 21%, operating profit up 22% in H1 2026”


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