REDMAGIC 11 Pro、ベンチマーク不正疑惑が浮上──スマホ業界の闇に切り込んだ検証が話題
REDMAGIC 11 Proに、看過できない疑惑が浮上した。
ガジェット系YouTubeチャンネル「さいちょう」が1ヶ月以上かけて行った検証で、REDMAGIC 11 Proがベンチマークアプリを検知した瞬間だけ、通常では出せない性能を叩き出す「ベンチマーク・ブースティング」を行っている可能性が極めて高いという結果が出た。しかもこの検証、3DMarkを提供するUL Solutionsに協力を要請し、ステルス版アプリや業務用分析ソフト「PerfDog」まで自腹導入して行ったという本気度だ。
そもそもベンチマーク・ブースティングとは
AnTuTuやGeekbench、3DMarkといったベンチマークアプリは、スマホの性能を数値化して比較するためのツールだ。スペックレビュー記事でよく見かけるあのスコアのことで、多くの人が機種選びの参考にしている。
ベンチマーク・ブースティングとは、スマホのOSがベンチマークアプリの起動を検知した瞬間だけ、通常の実使用では出せないような「限界超え」の性能モードに切り替えてスコアを水増しする行為だ。マラソンの途中だけ短距離走の選手に切り替えるようなもので、3DMarkを含む多くのベンチマークソフトは規約でこの特別動作を明確に禁止している。
検証で何が起きたか
検証のきっかけは、水冷のオン・オフによるベンチマークへの影響を調べようとした際の「おかしな挙動」だった。
水冷をオフに設定した状態でベンチマークアプリを起動すると、設定に関わらず強制的にファンと冷却液が全速力で回り出す。 3DMark・Geekbench・AnTuTuで同様の現象が確認された。
そこでUL Solutionsに協力を要請。OS側にベンチマークとして認識されない「ステルス版」アプリを入手し、通常版と同じ条件で比較した結果がこれだ。
Wild Life Extreme Stress Testの結果
通常版(ベンチマークと認識される):平均38.47 FPS
ステルス版(ベンチマークと認識されない):平均23.61 FPS
ステルス版が通常の実使用に近い動作であるため、ベンチマークスコアが実態より大幅に盛られていることになる。
本体温度も衝撃的だった。ステルス版は終了時点で約40度だったのに対し、通常版は最高55度、プロセッサー真上は60度近くに達した。GPU温度は100度に張り付くような推移を示し、約14分後に強制電源オフという結末を迎えた。スマホのGPUが100度になってそのまま落ちる、というのは正直引いた。
問題の本質はREDMAGICだけじゃない
この検証が指摘しているのは、REDMAGIC 11 Proだけの問題ではない。
ベンチマーク・ブースティングはスマホ業界に長年蔓延してきた慣行で、過去にはSamsungやOnePlusなども同様の指摘を受けたことがある。構造的な問題として「スコアが高いものが売れる」という市場の期待感が真面目に作っているメーカーをも追い詰め、不正に走らせてしまう側面があるという指摘は鋭い。
レビュアーがこの工作に気づかず無自覚に拡散してしまうという問題も深刻で、AnTuTuスコアや3DMarkのスコアをそのまま鵜呑みにして機種選びをしている人には、頭に入れておいてほしい情報だ。
結論:REDMAGIC 11 Pro、買っていいのか
正直に言う。ベンチマークスコアを理由にREDMAGIC 11 Proを買おうとしているなら、一度立ち止まってほしい。
今回の検証で明らかになったのは、公表されているスコアが実使用とかけ離れた数値である可能性が高いということだ。GPU100度・強制電源オフという結果は、ベンチマーク中に無理な性能を絞り出した末の限界を示している。つまりAnTuTuで見た「あのスコア」は、実際のゲームプレイでは再現されない数字だ。
ただし動画でも言及されていたように、モノ自体の完成度は本物だ。水冷システム・完全フルスクリーン・Snapdragon 8 Elite Gen 5といったハードウェアのポテンシャルは確かにある。ベンチマークスコアではなく、実際の使用感や機能面で評価するなら話は変わってくる。
129,800円という価格を出すなら、スコアではなく実機の使い勝手で判断することをおすすめする。
この記事はYouTubeの自腹レビュー動画による検証内容をもとに作成しています。
情報は2026年3月時点のものです。
