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「次世代のインフラをつくる」挑戦に、取締役CFOとしてコミットする理由

「次世代のインフラをつくる」を理念に掲げる株式会社グリーングロース(以下、グリーングロース)。再エネを単なる発電設備にとどめず、企業や地域の競争力を支えるインフラへと進化させる。その壮大な挑戦のただ中に、2025年11月、執行役員CFOとして参画し、2026年3月1日付で取締役に就任したのが橋爪祥太です。
大和証券のリテール営業、投資銀行、そしてスタートアップCFOを経てきた彼は、なぜ今、創業4期目のグリーングロースを次なる挑戦の舞台に選んだのか。そこには、専門職の枠を超えた「真の経営者」を目指す覚悟と、経営陣との深い共鳴がありました。戦後最大の転換期を迎えるエネルギー市場で、彼がいかにして企業価値の最大化に挑むのか、その青写真に迫ります。


株式会社グリーングロース 取締役CFO 橋爪 祥太
慶應義塾大学商学部卒。大和証券株式会社にて資産コンサルティング営業および投資銀行(M&Aアドバイザリー)業務に従事。その後、株式会社MICIN(ヘルスケアスタートアップ)で経営企画室の立ち上げメンバーとしてガバナンス体制構築・資金調達(約40億円)を推進。株式会社SPACER(スマートロッカースタートアップ)の取締役CFOを経て、2025年11月に株式会社グリーングロースへ執行役員CFOとして参画。2026年3月より現職。 

(1)経営者を志して歩んだキャリア

-新卒では大和証券にて営業職に従事していたのですね。その経緯や概要を教えてください。

新卒の就職活動では、若手のうちから成果を出せば報われるような仕事、経営に近い領域に関われるような仕事、といった軸で複数社の選考を受けておりました。いつかは経営者になりたい、そして優れた経営者は例外なく営業に強い、との考えのもと、営業職を中心に受けていました。こういった志向もあって、結果として大和証券にご縁をいただき入社しました。

最初は大阪の京橋支店配属となり、資産コンサルティング部門にて新規開拓営業をしていました。テレコールと飛び込み営業を繰り返す毎日で、最初は全く成果も出ずかなり辛かったですが、名刺1枚で富裕層や経営者の方々に会えてしまうのがこの仕事の醍醐味でした。この時代に、信頼関係の構築や「自分を選んでいただく」といった営業パーソンとしての基礎動作や、株式市場のダイナミクスを学ぶことができました。

-その後、投資銀行部門に異動されたのですね。

はい。入社3年目から、希望していた投資銀行本部のM&Aアドバイザリー部門に異動になりました。FA(フィナンシャルアドバイザー)として株式の譲受・譲渡やTOB、株式移転等の様々なスキームのエグゼキューションを担当しました。営業の時と全く違う頭の使い方、知識量・仕事量の膨大さに非常に苦戦しましたが、優秀な上司や同僚に辛抱強くサポートしていただきながらキャッチアップしました。
また、意外にも営業時代に培った信頼関係を構築する能力は助けとなりました。プロフェッショナルな顧客や関係者、上司・同僚に育てていただき、ファイナンスや会計税務・法務の知識と実務経験を積むことができました。

-そんな投資銀行でのキャリアを歩んでいた中、MICINに転職していますよね。どのような経緯だったのですか?

30歳の頃、経験値もある程度増え、コンフォートゾーンに入ってきつつありました。アドバイザーとして業界にインパクトを与える仕事ができている実感はありましたが、経営者になりたいという当初の志を思い出し、今後のキャリアを考え始めました。
そして、これまで自分が得てきた知識や経験と経営を結びつけるのは「CFO」という役割ではないか、そして経営や事業の現場に近づくことができるのはスタートアップではないか、と結論づけました
こうして、ヘルスケアスタートアップであるMICINの経営企画室に参画しました。 

-アドバイザーから事業会社の当事者へ、大きな転換だったのですね。MICINではどのような役割を担っていたのでしょうか。

MICINは、オンライン診療事業を祖業とし、DCT(臨床開発のDX)やDTx(医学的エビデンスを有する治療アプリ)、保険事業と複数の事業を展開する会社です。
同社では、予算策定と予実管理を中心としてガバナンス構築、株主対応や資金調達を担当しました。

初めての転職では、なかなか苦労しました。出身業界の違いによるミスコミュニケーションや、自らのやり方が本当に正しいのかの判断がつかない等、様々な点でつまずきました。何より難しかったのは、証券会社でのアドバイザーの立場から、スタートアップでの一当事者の立場への適応でした。
「単なる批評家にならず、実行まで考えてやりきる事が重要だ」と頭では分かって覚悟していたはずでしたが、実際にはなかなか自分の動きが伴わず苦労しました。
試行錯誤して実行までやりきる感覚は今でも非常に大事にしています。この時から自分の中で「ではどうする、だからどうする」と問い続ける事が癖になりました。

また、限られたランウェイの中でのエクイティストーリー作成、資金調達活動は非常にプレッシャーがかかる仕事でした。結果的にはシリーズCとして約40億円の資金調達に至りましたが、失敗すれば倒産もありえた重責を耐えきったことは、あくまで業務担当者の立場ではありましたが、その後の人生において大きな経験になりました。

-MICINではかなりストレッチしていたのですね。その後、SPACERにて管理部長・CFOに転身されましたよね。

MICINで資金調達に成功した際、プレッシャーから解放されたせいもあってか燃え尽き症候群のような状態になっていました。
以前のようなパフォーマンスを出すには環境を変えた方がよいのではと思ったことに加え、改めて自分が経営者になったらどこまでやれるかを試したいと考え、転職を決意しました。

2023年11月からスマートロッカーのベンチャーであるSPACERに経営管理部長として入社し、後に取締役CFOに就任しました。SPACERは、コインロッカーのDXサービスを提供する会社です。伝統的なコインロッカーの収益基盤をベースにしながら、物流業界の大きな課題に新しい切り口からアプローチするビジネスモデルに可能性を感じ、参画しました。

前職でも経営陣への提言や事業部と経営陣の橋渡しを担っていたことから、環境と立場が違えど、意思決定する立場も再現性をもって担えるだろうと考えていましたが、物事はそんなに甘くはありませんでした。
前職の経営企画から管理部門全体へと管掌範囲が拡大したことで、実務経験がない領域でも意思決定し続けなければならない状況に、非常に戸惑いました。
試行錯誤を要しましたが、判断に必要な評価基準やその材料を引き出すための問いの立て方を身に着け、未知の領域で判断する感覚を養うことができました。

-前職の時以上に、より広い範囲で、意思決定が求められる立場になったのですね。どのような役割を果たしていたのですか?

私が入社した頃は、業務フローが属人化している事の非効率が目立ち始めていたフェーズだったため、業務フローの全体最適の推進と標準化が大きなミッションでした。この中で、一人一人の社員を「組織」として同じ方向に動かすためには、各自にとっての動機・利害を満たすオペレーションでないと機能しない、ということを痛感しました。 
また、同社でも資金調達が重要なミッションでした。エクイティ調達の環境は決して良好ではない中でしたが、スタートアップ向けの融資といった多様な調達手段が出始めていたため様々な手法を駆使してランウェイを確保していきました。

(2)なぜ今、グリーングロースへの参画なのか

-大和証券からキャリアが始まり、スタートアップ2社で成果を出してこられたのですね。そんな中、なぜグリーングロースへの入社を決めたのですか。

CFOになるというスタートアップ転職時の目標を前職で叶えました。しかし、「経営者」としての役割を果たすという観点でみると、自分の実力不足を痛感し続けていたのが正直なところです。
コーポレート機能の構築や資金調達は必死にやってきたものの、事業成長には貢献できない自分にもどかしさを覚えていたのです。
事業とコーポレートおよびファイナンスは両輪の関係にありますが、企業価値の最大化にコミットするのがCFOの役割でありながら、片側しか担えていないのでは本当の意味では経営者たりえないのではと葛藤していました

そんな中、当社の経営陣である河野、福永の両名と出会いました。
彼らとディスカッションしていく中で、グリーングロースが取り組む課題の壮大さと意義の大きさに共感しました。大きくは次の3点です。

  1. エネルギー・電力業界はインフラ産業特有の業界構造を維持しつつも、国内外の情勢変化によって、戦後最大の転換点を迎えていること

  2. 特に再エネ領域は、「公的な支援による導入期」から「市場原理に根ざした自立期」へと移行する過渡期にあり、単なる「環境政策」の枠を超えて、「経済合理性」と「エネルギー安全保障」を両立させるフェーズへと突入したこと

  3. 市場のルールが書き換わりつつある中で、持続可能なインフラとしての再エネを、未来に向けて実装する牽引役をグリーングロースが果たしていくこと

また、業界とビジネスモデル上、私の一連のファイナンス能力が非常に活かしやすいのではと考えました。
まず再エネ業界では、複雑な政策動向を数理的に解釈し、ビジネスモデルへ落とし込むことが非常に重要であり、ここに投資銀行時代から培ってきた財務モデリングのスキルを活用できる可能性を感じました。
そして資本集約型のビジネスであるため、ファイナンスの執行能力が事業成長に直結します。これまでのコーポレートファイナンスを担う中で得たファイナンスのスキルが、グリーングロースでは事業を成長させるための重要な機能になると感じました。
さらに、数多の太陽光発電所が少数のプレイヤーへ集約されていく未来を見据えた際に、M&Aを推進する知見を活用しうると感じました。

以上のように、私の得てきたファイナンスの知見が、会社と事業の両方に大きく貢献しうるという予感がして非常にわくわくしました
代表の河野が持つ事業開発能力と再エネの専門性に、私のファイナンス能力を加える事ができたら、当社が再エネ業界発展の一端を担える可能性が見えました。

また、最後の決め手は河野、福永との間にあった深い価値観の共鳴です。
偶然ながら育ってきた環境や生い立ちに共通点が多く、それが仕事に対する矜持や人生観においても共通する土台となっていました。
単なる「気が合う」という次元ではなく根底にある哲学が一致していると感じ、このチームであれば、非常に難しく壮大な課題であっても突破していける。そう確信し、入社を決断しました。

(3)入社して見えた、会社の魅力と強さ

-深い共感と確信を持って入社されたのですね。入社して4カ月が経過しましたが、現在の率直な感想をお聞かせ下さい。

入社を決めた当時の確信すら上回るくらい楽しく働いております(笑)
資本政策や中計を策定したりコーポレート機能の構築をしていったりといった、これまで担ってきたCFO機能はもちろんのこと、最近では事業部サイドのシミュレーションや提案資料作り、新規事業開発やファイナンス関連のプロジェクトにも関わっております。
自身のスキルの活用可能性の仮説は正しかったと感じています。
あとは、実際に収益を生み出せるところまで遂行しきることが目下の目標になります。

グリーングロース忘年会にて余興を行う橋爪(左)

-手応えを感じているのですね。一方で、難しいと感じる部分もあったのでしょうか。

とにかく政策・制度が複雑で、キャッチアップするのに相当苦労しています。
現時点の政策・制度をスナップショットで見てもその趣旨を理解する事は難しいため、これまでの歴史的経緯と将来的な目標を把握し、その移行に向けて今はどのステージなのかといった文脈を読み解きながら徐々に腹落ちしている最中です。
ただ、理解が進むほどに再エネ業界は面白いと感じています。ビジネスチャンスが広大な領域だなと改めて思います

-業界そのもののポテンシャルも十分にあるということですね。続いて、グリーングロースの組織についてもお聞かせください。どんな方が働いているのでしょうか。

入社してから社員のみなさんともお会いしましたが、とても高い能力と知見をお持ちの方々で、業界未経験の私にとっては非常に心強く感じています。
また、社会人・組織人・ビジネスパーソンとしての成熟度も非常に高いメンバーが揃っています。
情報連携や知見共有の感度の高さはもちろんのこと、優先順位や時間軸、数字感を持った議論が当たり前にできる等、ビジネスコミュニケ―ションのレベルが高いと思います。
スタートアップのスピード感と、組織として行動できる成熟さがいいバランスで揃っているなと思います。非常に強いメンバーに支えられた会社であることを誇りに思っています。

-グリーングロースは事業拡大に向けて採用活動も強化していますが、どのような方がグリーングロースにフィットすると思いますか。

今回は特に、異業種からの転身が多い「事業開発(BizDev)」のポジションを念頭にお話しします。事業開発と一口に言っても、当社では大きく顧客やパートナーと向き合いながらビジネスをつくっていく営業系と、案件を設計して推進する企画・プロジェクトマネジメント(以下、PM)系の役割があります。実際に活躍しているメンバーの多くも、いずれかのバックグラウンドを持った方になります。

まず、コンサルティングファームや投資銀行、あるいは事業会社の企画職などで戦略立案や業務改革、投資の上流工程を担ってきた方々は、そのご経験で培った思考力を活かしていただける場面が多々あります。再エネ業界および当社のビジネスは、複雑な制度動向をリサーチし、数字とロジックをベースにソリューションを定義し、仮説検証と改善を繰り返すプロセスが中心です。
これまでの高度な思考力や、プロフェッショナルとしての所作がダイレクトに活きる環境です。それでいて、構想に留まらず、自らの手で事業を動かしていく手触り感が得られる機会が数多くあります。

一方で、金融や不動産、無形商材などの領域で、複雑なステークホルダーを巻き込みながらソリューションを提案してきた、案件組成型の法人営業の方にも非常にフィットする環境だと思います。 当社のビジネスは、単に提案して契約を結べば終わりではありません。その後の実行フェーズにおける伴走支援や、長期にわたる顧客の経営課題解決など、地に足の着いた実務も担います。顧客と深い信頼関係を築き、最後まで泥臭くやり抜く実行力は、事業を牽引する大きな武器になります

つまり、当社は「高い抽象度の思考力」と「現場で泥臭くやりきる力」の両方を高いレベルで求められる稀有な環境です。企画・PM系の方であれ、営業系の方であれ、ご自身の能力を活かしながら、「事業家」としてストレッチすることができます。

加えて、業界全体が過渡期にあり、解決すべき新しい論点やビジネスチャンスが次々と生まれる絶好のタイミングでもあります。壮大な社会課題に向き合いながら、スケールの大きな事業開発に挑戦したい方にとって、非常に面白い機会があると確信しています

(4)「グリーングロース取締役CFO」としての決意

-その後、当社の取締役に就任されました。

はい。前述のとおり、前職でCFOになって以降、何度も、自分がその重責を担うに足る人間であるかを自問自答し続けてきました。
そんな中で河野・福永と出会い、その才気とエネルギー・電力・再エネ業界変革への熱意を目の当たりにし、「もう一度チャレンジしてみたい、彼らとならやれる」と確信して当社へ参画しました。

入社後は自分自身のスキルや経験を存分に活かせており充実した毎日を送っておりましたが、そんな折に両名から取締役就任の打診を受けました。
入社してからこれまで、「業界の課題・あるべき未来の姿とそれに対してグリーングロースが何を成せるか」「グリーングロースだからこそできる事は何か」「登り方はどうあるべきか」を喧々諤々と議論してきました。
その中で、河野と福永が描いてきたグリーングロースのミッションが、いつしか私自身のミッションにもなっていきました。私も本気で「次世代のインフラ」をつくりたいと思っています
この感覚があったからこそ、取締役という重責を引き受ける覚悟を決めることができました。

-覚悟をもって就任を決められたのですね。これからの3年でどんなことに取り組んでいきたいですか。

まずはこれから2~3年かけて、「●●といえばグリーングロース」と第一想起を取れるポジションを確立していきたいです。
「再エネの参謀」「社外再エネ事業部」「再エネのかかりつけ医」・・・今の時点でもいろんな標語で自社を表現しておりますが、それが本当の意味で顧客や関係者のみなさまにも認知いただき、「相談するならグリーングロースだ」と思っていただけるように成長していきたいです。

そのためには、資本政策の策定と執行は不可欠です。まずは足元の1年間で、財務基盤の強化を目指します。必要な将来資金を確保し、事業成長に専念できる環境を整えたいです。

また、事業戦略の言語化・可視化も随時進めていきます。投資家や社員のみなさまに、当社が目指しているものや足元の事業群の位置づけなどを理解いただけるようにしなければならないと考えています。

加えて、M&A事業の確立も目指していきます。商談の中で太陽光発電事業の買収・売却ニーズをヒアリングすることも多いため、当社としてお役立ちできるように事業開発を進めていきます。

最後に、急激な成長が予想されるため、コミュニケーションコストの最適化や効率的な組織運営を可能にするコーポレート体制の確立も急務です。
事業部の方々が専念すべき業務に専念できる環境を作るとともに、経営陣がタイムリーに会社の状況を把握できる仕組み作りを進めていきます。

-グリーングロースの成長を支えるだけでなく、その先の産業変革まで見据えた構想だと感じました。今後の挑戦に注目しています。


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