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【組織のAI活用#123】AIは「魔法の杖」ではなく「賢い新人」。活躍のポイントは業務のフロー整理

こんにちは!寺田です。
現在、CARTA HOLDINGSのAI推進室で、約20社1400人以上からなるグループ全体のAI活用を推進しつつ、生成AIやデジタルマーケティングのeラーニング事業を行うD-Marketing Academy株式会社の代表も務めています。

AI導入プロジェクトが始まると、経営層や現場から「これで業務効率が劇的に上がるはずだ」という、まるで「魔法の杖」を期待するような声が上がることがそれになりあります。

ただ、実際にやってみると「思ったような回答が返ってこない」「これなら人間がやった方が早い」となって、結局使われなくなる。そんな「期待外れ」に終わるケースが、実は非常に多いのではないかなと思っています。

これは、よく市場でも言われるように「AIは魔法使いではなく、賢い新人である」という考え方を持つことが重要。


賢い新人ととらえることでAI活用がうまくいきやすい

この「賢い新人」という比喩を使うと、AI活用のポイントや作法的なものがしっくりくることが多いです。

まず、想像してみてください。
あなたの部署に、めちゃくちゃが良くて真面目な「新人」が配属されたとします。
彼は指示さえあればほぼ完璧に仕事をこなします。

そこであなたが「あそこにいるベテランのAさんの仕事を見て、全部同じようにやってくれ」とタスクの依頼をしたとします。

その状態で、この新人は翌日からAさんと同じパフォーマンスを出せるかというと、難しいはずです。

ベテランの仕事は過去の経験を元にしたマニュアルにない「暗黙知」の塊であることが多く、それを見るだけではすぐに再現は困難です。

これと同じことがAI導入の現場でも起きています。
業務ルールを整理しないまま、AIという新人に丸投げしてしまうことで、結果的に精度が下がってしまいがちです。

もちろん、過去のログを大量に入れて法則性を出してなどを段階的に行うことで解決の余地はなくはないですが、それも人が介在せず一撃で行うのはまだ難しいです。

業務の「フロー整理」こそが9割

では、どうすればこの新人に活躍してもらえるか。答えはシンプルで、「業務のフローを整理し、出来る限りルール化(形式知化)」を徹底することに尽きます。

「数値がAならBをする」「例外としてEが起きたら人間に戻す」といった具合に、ベテランの頭の中にある「暗黙知」を、誰が読んでも迷わず実行できる「形式知」としてのルールに落とし込んでいきます。
もちろん、完全にルール化しなくても、ある程度、定性的な領域があっても問題なく、それはAIの得意分野ではあります。

結構大変ですが、この泥臭い作業こそが、AI導入の労力の8,9割を占めるイメージです。


「エンジニア的思考」で小さく始める

とはいえ、いきなり全ての業務をルール化するのは不可能です。
そこで重要になるのが、「エンジニア的な思考」です。
これはコードを書くことではなく、業務を「モジュール(部品)」として捉える思考法のことです。

巨大な業務フロー全体をAI化しようとするのではなく、「メールの下書き」「データ転記」といった小さな単位(モジュール)で切り出し、一つひとつルール化してAIに任せていく。

AI活用は、派手な打ち上げ花火ではありません。まずは、あなたの部署にある小さなルーチンワークを一つ選んで、それを「賢い新人」でも迷わず実行できるように手順を書き出してみる。

そうして生まれた小さな自動化(点)が、やがて線となり、面となって、会社全体の生産性を底上げすることになるはずです。まずは足元の「ルール化」から、始めてみてはいかがでしょうか。



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<現在の仕事>
・CARTA HOLDINGSのAI推進室にて、全20社1400人以上のグループ全体のAI人材育成や活用支援を担当
生成AIの研修サービスD-Marketing Academyにて企業向けに人材育成や研修、業務効率化支援をおこなう
・その他複数社の役員や顧問などを兼任

<経歴>
在学時EC事業→サイバーエージェントで新規事業→VOYAGE GROUP子会社代表→ECコンサル会社設立→HameeにM&A→Hamee新規事業役員→D-Marketing Academy起業→CARTA HOLDINGSにM&A→CARTA AI推進室兼務、複数社の顧問・役員

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