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スライド作りをClaude Designに任せたら、主役はスライドではなくなった

この記事はスライド制作に時間が取られてしまう人「Claude Design」を活用した効率×品質向上の実践方法をまとめた内容です。

まずは、アウトプットを先に共有します。

大事なプレゼンの前の週、カレンダーはどうなっていますか。日中は通常の仕事、夜にスライド作り。数字を回収して、整えて、また整えて。徹夜で当日の朝を迎えた、という話も聞きます。

私はGOROという、AIで企業の事業推進を支援する会社の代表をしています。7月に期末総会があり、そのスライドをClaude Designで作ってみました。弊社は総会を普段と違う場所でやるのですが、例年は行きの新幹線の中でもスライドを直していました。原因は忙しさではなく、順番にあるのではないか。今回、スライドを作る順番を変えてみました。この記事はその記録です。

バタバタの正体は、構成とデザインを同時にやること

発表の準備には、性質の違う仕事が3つ同居しています。

  1. 事実の回収(総会なら、売上や各案件の実績、採用など、部署ごとの1年の成果を集める仕事)

  2. 構成の検討(何をどの順で話すか)

  3. ビジュアルの調整

厄介なのは3つ目です。スライドの上で構成を考え始めると、話の順番をひとつ入れ替えるたびに、レイアウトの直しがついてきます。考える作業と整える作業が絡まって、手戻りが膨らんでいく。

深夜のスライド作業は、何に時間を食われているのか。たいていは発表の中身ではなく、同じレイアウトを直し続ける「整え直し」です。そう気づいてから、構成とビジュアルを、同じ時間にやらないと決めました。

使ったのは、Claude Designとテキストの記録だけ

前提はふたつあります。

ひとつめはClaude Design。指示した内容を、デザインごとスライドに仕上げてくれるAnthropicのAIツールです。私はClaudeのTeamプラン(スタンダード)の範囲で使いました。専用の追加課金はありません。

ふたつめは、構成の材料になる記録——案件の情報や売上の集計——がテキストで残っていること。

弊社はNotionとスプレッドシートにあります。材料が散らばっていても、始められます。手元にある事実を、まずメモ帳に書き出す。今日できるのは、ここからです。

スライドは、最後に作る

順番はこうです。

まず、発表の構成を決める。何をどの順で話すかをテキストで書き出します(総会のときは、事業成果・組織成果・戦略・メッセージの4つに分けました)。

次に、実データのある項目だけを拾って、Notionなどのドキュメント上で構成をブラッシュアップする。ここまで、スライドには一切触りません。

構成が固まったら、ようやくビジュアルの出番です。渡すのはNotionの文字情報だけ。画像素材(メンバーの写真など)は手元のフォルダで管理して、あわせて参照させます。すると「この案件は誰がやったのか」まで、写真付きのスライドに仕上がります。構成をテキストで確定させてから、生成に渡す。こうすると直しは文言の修正で済み、レイアウトの手戻りが起きませんでした。


デザインシステムがなくても、AIが作ってくれる

品質の側を支えるのが、デザインシステムです。色やフォントといった、自社らしさを決めるルール一式のこと。とはいえ、これを整備できている会社は多くないと思います。

Claude Designの良さは、ここにあります。私がやったのは、自社のコーポレートサイトを読み込ませることだけ。色やフォントのルールが抽出されて、デザインシステムができあがりました。

一度作れば、今回のスライドに限らず、次の資料にも同じトーンで展開できます。Figmaの読み込みも試しましたが、私の場合は画像に書き出して渡すほうが手軽でした。コーポレートサイトだけでも、十分に足ります。

デザイナーに毎回頼まなくても、全スライドでブランドが揺れない。ここが品質の源泉でした。デザイナーが要らなくなる話ではありません。手が回らない場面、たとえば社内向けの資料を埋める話です。コーポレートサイトという、デザイナーの仕事の結晶が先にあるから、AIはそれに揃えられる。


全部入れたら、見づらいスライドが返ってきた

最初からうまくいったわけではありません。構成で拾った情報を、全部スライドに入れ込む。1枚がてんこ盛りになって、見づらいスライドができあがりました。

そこからが悪手でした。スライドを見ながら構成を削り、構成を直してはスライドも直す。構成直しとスライド直しを同時に走らせた結果、生成のやり直しが重なって、トークン(AIの読み込み量)の消費が跳ね上がりました。順番を分けたはずなのに、直しの局面で混ぜてしまった。

それ以来、直しにもルールを置いています。構成に関わる修正は、ドキュメントに戻ってから。見た目だけの微修正は、Claude DesignのEditモード(生成し直さず、手で直せる編集画面です)で修正。生成し直しは、最後の手段です。


前日に残ったのは、文字の微調整だけでした

総会の前日。残っていたのは、スライドの文字の微調整、ラストワンマイルほどの作業だけでした。レイアウトの調整も、数字の差し替えも、構成の組み替えもありません。あとはプレゼンの練習をして、終わり。この状態で前日を迎えられたのは、初めてです。

仕上がりも、想像の上をいきました。HTMLで生成されるため、私のスライドにはアニメーションがリッチに入りました。実際のアニメーションはこちらからご確認ください。

効率のために品質を妥協したのではなく、両方いっぺんに上がった。これがいちばんの誤算でした。

設計と運用で出てきた懸念と、いまの答え

途中で出てきた懸念を、いまの答えとセットで置いておきます。

Q. 売上や人事を含むデータを、AIに渡して大丈夫?

無防備には渡しません。CLAUDE.md(AIへの指示書)に「顧客情報・個人情報を持つフォルダからはデータを参照しない」と明記して制御。

Q. トークン代はどれくらいかかる?

Teamプランのスタンダードで完走。ただし5時間ごと・週間の利用上限にはよく当たったので、作業を日で切り分けて回した。

Q. 当日はどうやって投影した? アニメーションはそのまま動く?

書き出さず、Claude Design上のスライドをそのまま会場のディスプレイに投影。アニメーションもそのまま動きます。PPTに書き出すと一部崩れた箇所もありました。

Q. Claude Designだけで完結する? ほかのAIとの併用は必要?

企画構成はNotionで行い、生成と編集はClaude Designだけで完結。アニメーションの検討などは、トークン節約のためGeminiでプロンプトを作成し、Claude Designに実行してもらいました。

明日からできること

  • 発表の構成(何をどの順で話すか)をテキストで決める

  • Notionなどのドキュメント上で構成をブラッシュアップし、実データのある項目だけ残す

  • Claude Designに自社のコーポレートサイトのURLを渡して、デザインシステムを作らせる

  • 構成を流し込んでスライドを生成する。ビジュアルに触るのは、この段階が最初

  • 細かい直しはEditモードで手動。生成し直しは最後の手段にする

Claude Codeをお使いでなくても、上の5つで同じ場所に着きます。お使いなら、この記事をそのまま読ませて、自社版の段取りを組ませることもできます。

スライド作りの主役は、スライドではありませんでした。構成をテキストで固める時間と、デザインシステムという資産。この2つが揃っていれば、ビジュアルに最後の一晚を差し出す必要はないのだと考えています。


構成の材料がすぐ出てくる状態——Claude Designを動かすための土台——を作っているのは、Claude Codeです。こうした社内の仕組みづくりも含めて、GOROでは法人向けの導入支援・研修を行っています。

なお、手順や設定まわりの解説は、運営メディア AI推進室 にまとめています。

ありがとうございました。

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